#145 ハイスラリポマラソンは魔石(大)も落とします
本日3話投稿!
まだ読んでいない方は2回バック!
「わ、わわわ! すっごい! 本当に〈魔石(中)〉だよ!?」
光に還った〈ハイスライム〉4匹を屠ると〈上スライムゼリー〉が二つ、〈魔石(中)〉が二つドロップしていました。
〈魔石(中)〉の方は分かったのですが、スライムゼリーの方はやっぱり普通のものとは違うものに見えたのですぐに〈解るクン〉で『鑑定』して〈上スライムゼリー〉である事を確認しました。
「すごい! すごいすごいすごい! これすごいよゼフィルス君!」
これで〈泥水〉さえあれば何度でも〈魔石(中)〉が作れてしまうということがわかりました!? これは、とてもすっごいことなんですよゼフィルス君!?
〈魔石(中)〉は作るのが少々面倒なんです!
普通のスラリポマラソンでは〈魔石(極小)〉しかドロップしません。〈魔石(中)〉を作るには『錬金』していかなければなりません。
〈魔石(極小)〉からだと〈魔石(中)〉にするために8個も使います、つまり普段のスライム16匹分です! それを難なくゲット出来るようになったのですから本当にとんでもないことです!
ゼフィルス君!? そんなドヤ顔している場合じゃ無いんだよ!? 分かるけどね!
「どうだハンナ。これで〈魔石〉が足りないって言ってた問題は解決しそうだろ?」
「覚えてくれていたんだゼフィルス君」
実は最近、ゼフィルス君たちが上級ダンジョンに進出するようになったので、その素材で上級ポーションが作れるようになりました。
ですが、上級ポーションを作るには〈魔石(大)〉が必要なんです。
〈魔石(大)〉を作るには〈魔石(極小)〉が24個必要で、つまりはスライム48匹分でした。
ポーションを1本作るのにスライムを48匹倒さないといけないので大量生産が難しくなっていたのです。
ですが、〈魔石(中)〉がお手軽にゲット出来るならそんな認識は覆りますね!
かなり量産の手間が省けます!
少し前に〈魔石〉の消費量のことを相談していたのですが、ゼフィルス君は早速手を打ってくれたみたいです。ちょっと嬉しい。
〈魔石(中)〉がお手軽に手に入る事がそれに拍車を掛け、私のテンションはかなり上がってしまいました。
気が付けば、ドロップしたはずの〈上スライムゼリー〉二つがすでに〈上級錬金釜〉に入っていました。当然のごとく〈泥水〉も入っていました。私が入れたはずなのにおかしいです。入れた記憶がありません。
それでも手が勝手に動きます。
「『上級錬金』!」
染みついた身体の動きは止められず、またまた湧いてきた〈ハイスライム〉8匹がまた光に還ってしまいました。
そしてまたまたいつの間にか四つの〈上スライムゼリー〉と〈泥水〉が入れられて「『上級錬金』!」と唱えたときのことです。
普通よりもさらにブルーに光るスライムが1匹、紛れ込んでいたのでした。
ゼフィルス君が叫びます。
「こ、これは! 〈ハイブルースライム〉だ!」
「レアの上級スライム!? 『パワースイング』!」
「あ」
瞬間、私の身体は逃すまいと勝手に動き一瞬でメイちゃんが振られ、気がついた時には濃い青色のスライムが光に還っていました。やりきりましたよ!
そして〈ハイブルースライム〉の後にはなんと、〈魔石(大)〉が残されていたのです。
「わ! わわわわわ! 見てゼフィルス君! 大だよ!? 〈魔石(大)〉だよ!」
「やったなハンナ!」
濃いブルーのスライムはスライムの上位種で、さらに良いドロップを残してくれます。
その結果、なんと〈魔石(大)〉が直接ドロップしてしまいました!?
ゼフィルス君とテンション上がってハイタッチ。
ゼフィルス君もとても喜んでくれているので私も嬉しいです!
〈上スライムゼリー〉からでも濃いブルーのスライムが湧く、倒せば〈魔石(大)〉がドロップします! これで上級ポーションを作る時の手間が大幅に省けることがわかりました! なにしろ、魔石はこれ一つでいいのですから! 今まで頑張って錬金でくっつけていたものがこれ一つドロップすれば解決です!
「すごい! すごいすごいすごいよゼフィルス君!」
「ああ! むっちゃすごいだろ!?」
あれ? 私さっきからすごいしかいっていません?
しかも凄いと言いながら身体は勝手に動いてしまい、スラリポマラソンを開始してしまいました。
いえ、光に還るのは〈ハイスライム〉なのですからハイスラリポマラソンと言うべきでしょうか!?
いえ、それはスラリポマラソンが終わってからまた考えましょう!
私がはしゃぎながらスライムを光に変えていると、何点かゼフィルス君から注意喚起をされました。
要は逃がしちゃダメとのことです。
あ、そこは大丈夫です。私、スライムを狩ること何匹かは忘れましたが逃がしたことは1度もありません!
「任せてよ! 私はスラリポマラソンの上級者だよ? 1匹も逃がさないし反撃も受けたりしないもん」
そう言ってゼフィルス君に安心してもらおうと思ったのですが、なぜかゼフィルス君の頬が少し引きつっていたのが印象的でした。
その後、しっかりハイスラリポマラソンをこなして〈魔石〉を大量にゲットしていったのでした。




