#133 新しいギルドハウス改装完了〈エデン店〉開店!
本日2話投稿!
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「喜んでくれハンナ! ついにギルドハウスが生まれ変わったぞ!」
「わーいわーい!」
ゼフィルス君がキラキラした期待の詰まった目で見てきたので私は喜びを体いっぱいで表現しました。
ゼフィルス君がそんな私を見て本当に嬉しそうな顔をします。
リアクション研究の成果を感じました!
「ギルドハウスの見た目、ずいぶん変わったね~。でも店構えはちょっと普通のお店っぽい?」
「おう。生産系は割と手広くやるつもりだから店構えをどうするか、とても迷ったけどな。看板には薬と鍛冶のイラストを入れた、今後増えていくかもしれないが」
「まずは私とアルルちゃんの物を売るんだよね?」
「後約束通りハンナのお友達の品も売っていいぞ」
「本当! やった! ゼフィルス君ありがとう~」
「いいってことよ。その代わり店の営業とかそっちにほぼ任せちゃうことになるからな」
Cランクギルドハウス。
この前引っ越してきた新しい拠点ですが、Cランクギルドからは自分の店を開くことが出来るようになります。
戦闘ギルドではお店はやらないことも多いのですが、ゼフィルス君は私の要望を聞いてくれて、こうしてギルドのお店を作ってくれたのです。
マリー先輩にも相談してくれて、裏で色々動いて作ってくれて、すごく嬉しかったです。心がとても温かくなりました。
「ハンナ、次はハンナ専用の工房を見に行こうぜ?」
「うん!」
なんとゼフィルス君はお店だけではありません。
ギルドハウスに錬金用の工房まで作ってくれたのです。その分ギルドハウスが狭くなってしまうのに、みんなを説得してくれて。
しかも品質は最高峰。最高峰の錬金工房を私に使っていいって用意してくれたのでした。
「ここが錬金部屋、奥が倉庫でこっちは調理部屋だな。良い感じだな~」
「すっごいよね~」
実は私はお先に見させてもらっていたのですが、ゼフィルス君と見るとまた違って新鮮に見えるから不思議です。
ギルドハウスは2階建てで、2階に私の錬金工房があります。また、アイテムを収納する倉庫、そして調理部屋も2階にあります。
ちなみにこの調理部屋を主に利用するのは私だったりします。
ゼフィルス君、私を甘やかしすぎじゃないかな? とも思いますが、〈エデン〉は割と頻繁に打ち上げや宴会をするので結構作るのも大変なんです。
でも、新しい調理器具はワクワクしますよね。腕によりをかけちゃいますよ。
1階にはギルドメンバーが集う大部屋が有ります。
着替え用の部屋やシャワー部屋もありますね。後アルルちゃんが使う鍛冶工房も1階です。そして、お店ですね。
私の工房とアルルちゃんの工房で作った商品をお店で売ることにしています。
ただ、さっきゼフィルス君が言ってくれたように、アルストリアさんやシレイアさんの商品も置いて良いことになっています。
その代わりアルストリアさんやシレイアさんもお店で働かなくてはいけないのですが、これは当然ですね。2人も納得しています。むしろ何か場所代的なものを支払わなくていいのかと逆に心配されてしまいました。
ゼフィルス君曰く、「今後ハンナが困ったらフォローしてやってくれ、それでお返しは十分だ」とのことで、実質タダと同じ。そのイケメン度合いにアルストリアさんとシレイアさんと大きく盛り上がってしまいました。
ゼフィルス君、かっこいいですよね。
「ハンナさんの実力はゼフィルスさんによって培われていったんですのね」
「すごく、羨ましいのです」
「え、えへへ~」
ゼフィルス君に助けてもらって成長した自覚はとてもあります。
私が今ここにいるのはゼフィルス君のおかげですからね。
ゼフィルス君には恩返ししてあげたいです。
「わたくしたちもお世話になるのですし、しっかり恩をお返ししませんといけませんわ」
「わかったです! がんばり、ましゅ!」
こういう気合を入れたときに噛んでしまうのはシレイアさんらしいと感じてしまいますね。
「みんなで頑張って〈エデン店〉を盛り上げていきましょう~!」
「「おお~」」
あ、ちなみにミーア先輩も暇なときは手伝いに来てくれることになりました。
〈生徒会〉のお仕事にご自分のギルドもあるのに大丈夫なのでしょうか?
また、〈エデン〉に〈助っ人〉で来ているメンバーのマリアさんとメリーナ先輩、そしてフラーラ先輩の弟でサトル君も〈エデン店〉を手伝ってくれることになりました。
そして翌日の日曜日、〈エデン店〉は早速開店する運びになったのです。
「緊張しますわね」
「今まで〈マート〉でやってきましたし、大丈夫ですよ」
アルストリアさんが胸の上に手を当てて深呼吸していたのを見て、安心してもらいたくて声を掛けました。ですが、横にいたシレイアさんがもっと緊張しながら言います。
「でも、失敗は〈エデン〉にも影響しちゃうかもです。気をつけないといけません!」
確かに、〈マート〉はいろんな意味で気軽に出来ましたが、自分たちがこのお店の従業員となったからには色々と責任が生まれてしまいます。
でもこればっかりは慣れるしかありません。
私も村で最初に店番をしたときは緊張しました。
シレイアさんが心配ですが、すぐにフォローできるよう気をつけましょう。
「みんな緊張しなくても大丈夫よ。気楽に気楽にね」
この中で一番年長で経験豊富なミーア先輩の言葉は安心感があります。
私も励ますことでシレイアさんたちの緊張も少しは解けたかと思います。
「そろそろ時間ね。ハンナちゃん、お願いね」
「は、はい!」
ミーア先輩に言われて、一度みなさんに振り向きます。
「それでは、開店の時間になりました。私たちの店が移転するという話は常連の人には言っておきましたけど、最初はあまりお客さんは来ないかもしれません。でも、また繁盛することを願って、尽力していこうと思います! 頑張りましょう!」
「「「おお~」」」
なんだか音頭にも慣れてきている自分がいます!?
割と自然に音頭が取れた自分の成長に自分でちょっと驚きつつ、今日、〈エデン店〉は無事オープンしたのでした。
初日は、人の波に押しつぶされそうなくらい大混雑、大盛況でした。
後書き失礼いたします。
〈祝〉〈ダン活〉小説第7巻ブックウォーカー新文芸日間ランキングで1位でした!
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