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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

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#131 新しい編入生、それは元2年生の先輩でした!?




「初めましてこんにちは、元2年生のセルマです。職業(ジョブ)は【闇錬金術師】です」


「はい。セルマさんは今回の〈転職制度〉の利用者で学園で唯一【闇錬金術師】へ〈転職〉された方です。ですが残念な事に〈新学年〉の〈錬金術課〉はセルマさんだけになってしまいましたので1年生クラスへ一足先に編入することが決まったのです。みなさん、仲良くしてくださいね」


「よろしくお願いします」


 壇上の上に立って完結に自己紹介したセルマ先輩という方でしたが、言葉に覇気がまったく籠もっていませんでした。


「あの方、目が死んでいますわね」


 ボソッとアルストリアさんが呟いたのが聞こえてしまいました。

 考えてみれば2年生から1年生。進級ならぬ……退級?

 えっと、1年生も楽しいですよ?



 ――――〈新学年〉。

 つい先日〈転職制度〉が実施されました。高位職への転職者は学園へさらに2年半通うことが出来るという制度です。

 その時〈転職制度〉の利用者が編入する学年が〈新学年〉です。


 高位職しかいない、とてもエリートなクラス、となります。

 そこで半年間みっちり勉学に勤しんだ後、今の1年生が2年生に進級する際に2年生に編入され、今の私たちの世代と合流することが決まっていました。


 セルマ先輩ですが、〈錬金術課〉で唯一の〈転職制度〉利用者だったことで〈新学年〉の生徒がセルマ先輩1名だけとなり、1名のために授業を行なう事が難しいため、一足先に私たち1年生のクラスへ編入されてしまったとのことでした。


「実質学年落ちですわ」


 とはアルストリアさんの言葉です。


「はわわ、お辛そうです」


「えっと……」


 シレイアさんの言葉に私は返す言葉が見つかりませんでした。




 休み時間です。

 クラスではみなさんがセルマ先輩をチラチラ見ていますが、声を掛けに行く人は居ません。それどころか私たちの様子を意識しているように感じます。


「クラスのトップグループが動かないと他も動けませんわね。ハンナさん、シレイアさん、行きますわよ」


「はい!」


「ひゃい!」


 さすがはアルストリアさん。とても頼りになります!


 そうしてセルマ先輩の机がある教室の一番後ろまで向かいました。

 クラスがいきなり静かになりましたよ!? なんだか緊張してきました。


「失礼いたしますわセルマさん。初めまして」


「え? えっと、初めまして?」


 セルマ先輩、いえ、もう同学年なのですからセルマさんですね。

 セルマさんは〈学生手帳(スマホ)〉をイジっていましたが、アルストリアさんの言葉に少し目を瞬かせて挨拶していました。


「これから勉学を共にする学友として挨拶に参りましたの。わたくしアルストリアと申しますわ。仲良くしていただければ嬉しいです」


「ご丁寧にありがとね。私はセルマ。元2年生だけど、レベルはゼロだし、気軽に話しかけてね」


 あ、思っていたより話し掛けやすそうでよかったです。アルストリアさんすごいです。

 アルストリアさんが作ってくれたこの流れ、乗らない選択肢はありません。


「私はハンナと言います。よろしくです」


「あなたが、ハンナ様?」


「様は付けなくていいですよ。普通にハンナと呼んでください」


「そう……。ハンナさん?」


「はい! 私もセルマさんと呼ばせてもらいますね! 〈錬金術課1年生〉へようこそ! 大歓迎しちゃいますよ!」


「うぐぅ!? 眩しいわこの子……」


 寂しがらせないために出来る限り安心出来る笑みを浮かべて挨拶しましたら、セルマさんはなぜか仰け反っていました。どうしたのでしょう?

 最後はシレイアさんですね。


「は、初めまして! シレイアと申しますです! よろしくです」


「よ、よろしく~。なんだかシレイアさんを見ていると安心するわ~」


 あ、それなんとなく分かります。

 シレイアさんって癒し系ですよね。セルマさんとは仲良くなれそうな気がしました。


 それから私たちを皮切りに、他のクラスメイトさんたちもセルマさんと交流を図りに行きました。

 そしてあっと言う間に大人気です。


 セルマさんは元2年生、私たちより1年長く学んでいる先輩という事実は変わりません。

 つまりは私たちが知らないこともたくさん知っているのです。

 セルマさんも数日ですっかり馴染んでクラスメイトさんたちに色々教えたりしていました。


 それに高位職、この〈錬金術課〉で唯一の【闇錬金術師】というのも注目される理由です。

【闇錬金術師】は高位職ではありますが、普通は発現していても【錬金術師】の方を選びます。

【闇錬金術師】は『錬金』で最もスタンダードで基礎でもある回復系ポーションが作れません。初期スキルが『闇錬金』というスキルになるからです。


 その代わり『闇錬金』では〈闇属性〉の強い様々な物を作ることが出来ます。「〈闇属性〉が入っていれば大抵のものが作れるよ」とはローダ先輩のセリフです。

 私はローダ先輩を知っているのであまり驚きませんが、クラスメイトさんたちは初めての『闇錬金』に興味津々みたいですね。



 セルマさんは基本私たちと一緒に授業しますが、ちょくちょく授業中に呼び出され個別授業でダンジョンに潜ったりしているそうです。

 この前同じギルドのカイリさんから聞きましたが、学園では学生をキャリーして攻略者の証を取らせてくれるそうで、セルマさんは授業中にこれを受けていたそうです。

 実際カイリさんがセルマさんを担当したって言っていました。


 そのおかげでセルマさんのレベルはぐーんと上がって、数週間でLV40まで成長していたのでした。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[良い点] セルマ先輩の編入 キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!! [気になる点] 高まる期待((o(。>ω<。)o))ワクワク♡ [一言] 素敵な小説ありがとうございますm(_ _)m…
[一言] 反省部屋じゃなくてレベル上げしてるの?本当に?
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