4話~ギルドにて+α
書き貯め投下中やで
俺たち3人は無事に森から帰ってくることができ、現在は冒険者ギルドの前まで来ていた。
「ついたな」
「「ついたぁ~」」
2人は疲労困憊な様子。だがそれも仕方ないか、オークに襲われ仲間の冒険者に襲われたんだからな。だがこいつらはその冒険者をどうするんだろうか?
「とりあえず受付で色々報告すんぞ」
「わかったわ」
「了解です」
俺たちは真っすぐに受付へと向かうと、シャーリーが1人の男と話してるのが見えた。
(ん?あいつは・・・)
「ちょっと!ちゃんと並ばないと」
後ろで何か言ってるが気にしない、気にしてはいけない。近づくと話し声が聞こえてきた
「いやぁ、オークの上位種が出てくるとは思わなかったぜ。そのせいでパーティメンバーの若い子二人を失ってしまった、何とか全員で帰れるように戦いはしたんだがな・・・・」
「いえ、まさかオークの上位種がすぐ近くに出てるとは思いもしませんでした。ゴリアテさんのせいじゃないですよ・・・ん」
「よう、面白い話してるじゃないか」
好き放題喋ってる男の肩を掴み俺も話に加わった。
「な、なんだお前は!ちゃんと受付の順番を守れよ!」
「そうですよヤクモさん、さすがに非常識ですよ」
「まぁ今回は気にすんなよ。この男の話とも無関係じゃないんだからな」
「な!?」
男の方は驚いてやがるな、そりゃあんなとこ見られるなんて思ってもなかっただろうからな。
「どういうことですかヤクモさん?」
「1つはそのオークは俺が始末しておいたって事だ。普通のオークより1回り大きくて簡素な鎧と大剣を担いでやがったぞ。な?今言っておいた方が2度手間にならずに済んだだろ」
まずはオークを始末したという情報だ。この話をしてる時点で男はかなり挙動不審になって汗をダラダラ流している
「お~流石ですねヤクモさん!ギルマスに目をかけられてるだけはありますね!それでもう一つは?」
「もう!急に順番抜かして受付行くんだ・から・・・」
「あ、おまえは!」
グッドタイミングで2人がこっちにきた。
「え?この2人はオークにやられたんじゃ・・・?」
シャーリーさんが困ってるな。そりゃ死んだと報告されて直ぐに生きてる姿見せられたらこうなるか。
「まぁ真実はこの男が嘘の報告をしていたという訳だ」
「!?おいテメェ!ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!」
「ふん・・・つまらん男だ」
掴みかかってきた男の腕をねじり上げ床に叩きつけた!
「ぐぁ!?」
「とりあえずこいつは俺が押さえておいてやるから2人はシャーリーさんに本当の事の顛末を話してやってくれ」
「てめ、何勝手な事を言ってやが・・・あががががっ!?」
「いいからお前は黙ってろ。話が進まねぇ」
黙らせてから2人に頷き囮にされたことなどの真実を語っていく2人・・・
「という訳なんですよ」
話終わった後は、男も諦めきっているみたいで暴れることをやめていた。
「なるほど。カレンさんもシュリさんも大変でしたね。ゴリアテにやられた傷の治療費はこちらで負担しますんで気兼ねなく治療してくださいね」
「「ほんとですか!ありがとうございます!!」」
治療費も馬鹿にならんからな。
「それでゴリアテの処置ですが・・・」
こっちに目を向けながら言っているが、すげぇ蔑んだ目で見てきた・・・なんか俺が悪い気がするぜ。とか思っていたら奥から思いがけない大物が出てきた。
「そんなもん犯罪奴隷にして鉱山に飛ばすのが一番だろ」
「ギルドマスター!!」
「「あれがギルマス?」」
少女2人は初めてギルマスを見たって反応だな。
それにしても犯罪奴隷か、頭に犯罪とつくってことは奴隷にも種類があるってことか・・・
「そんな!これからは心を入れ替えて真面目に依頼こなすからそれだけは勘弁してください!」
この反応だと相当キツイだろうな、最悪死ぬって感じかね。
「ダメだ、これは決定事項だ。若い駆け出し2人を見殺しにしたんだそれくらいの罪はある」
「そんなの生きてたんだからいいじゃねぇか!・・っち!離せよテメェ!!」
「・・・・」
俺は無言でコイツの顔を地面にぶつけて喋れないようにした。奴隷にするなら殴ってケガを負わすわけにもいかないからな。
押さえておくのも面倒になってきたから目でカルナに呼びかける。
「そうだな、コイツをこのままにしておくと話がすすまねぇか。ちょいと失礼・・・あん?こいつもう気ぃ失ってるから離して大丈夫だ」
ぶつけた時に意識が飛んだのか。俺は手を放し適当に転がしておいた。
それを見たカルナは少女二人の方を向き頭を下げていた。
「「え、え?」」
「今回の件はこっちの落ち度だ、すまない。ゴリアテも昔はまともな冒険者だったんだがなぁ・・・」
しみじみとして言っているが、なるほど・・・駆け出しの2人にギルドが紹介したのがゴリアテだったという事か。そりゃ治療費もだすし謝罪もするわな。
「えぇえいえ大丈夫ですよ!私たちは生きてますし治療費も出してもらえるみたいなんで・・・」
「そ、そうですよギルドマスターに頭下げてもらう必要なんかないですから!」
2人が面白い位にうろたえているのを見るのは面白れぇな。わちゃわちゃしてるし。話進まないから助け船出してやるか。
「それで他に話はないのか?」
「あぁそうだったな、ここじゃ邪魔になるし部屋に来てくれ」
「わかった。そういう事だから「あぁ3人とも来てくれ」・・・なんでだよ・・・」
絶対めんどくさいことになるのは間違いないな。
「私たちもですか?」
「そうだ。シャーリーはゴリアテの処理を頼むわ」
「はいはいどうせ拒否権はないんですよーーーっだ!」
文句を言いながらもきちんと仕事をこなすところはさすがだ。
俺たちは別室に通されカルナと向き合った状態になっていた。
「時間取らせて悪いな、話は2つあるんだが1つはヤクモにだけ頼むことだから先にそっちから言うぞ」
「わかった」
「今回近くの森でオークの上位種が出たって話だが、それの他にもゴブリンメイジとかの存在も確認されている。今までここらへんでこんなにポンポン出ることはあまりなかったんだよ。どうせこれからも森に入ったりするんだろうから、そん時に周囲を警戒しておいてもし苦戦してる冒険者がいたら助けてやってくれ。事が終わり次第報酬も弾むからよ」
「そんなのでいいなら構わない。もう一つは?」
報酬は何もらえるか楽しみだ。それに森にはこれからも行くつもりだしな、特にデメリットは見当たらない。
「即決か、流石だぜ。もう1つはそこの2人をある程度鍛えてやってくれ。これも終わったら報酬があるぞ」
「「・・・え?」」
「普通に嫌なんだが?」
「「え?」」
2人の顔がギルマス見たりこっち見たりでブンブンしてる。アホっぽい・・・
「まぁずっと一緒にいてろって訳じゃない。せめてGランクからEランクなるくらいまで見てやってくれってだけだ。その位なら強けりゃ直ぐになれるからな」
「・・・・」
2人の顔を見ると不安そうな若干期待してそうな、よくわからない顔をしていた。
(正直面倒なんだが、まぁ誰かに何かを教えるいい機会と思うことにするか)
「仕方ないな・・・Eランクなるまでだな」
「そういってくれると思っていたぞヤクモ!ギルドとしては低ランク冒険者の死亡率を少しでも下げたくてな」
やはり低ランク冒険者の死亡率は高いらしい。後は悪い冒険者に騙されたりとか問題を上げたらキリがないみたいだ。
「なんか私たちの知らない所で私たちの事が進んでるわね・・・」
「仕方ないよ。私たちは低ランクの駆け出しでまだ弱いんだから・・・」
カルナは俺たち3人の顔を見回して特に異論がない事を確認すると
「ならこれで話は終わりだ、受付で金もらって美味いもんでも喰ってくれや」
「あぁそれじゃぁ何かあったらまたくる」
「「それでは失礼します!」」
俺たちはその後受付で依頼完了の報告を終えて普通よりも多い額の金をもらって外に出たのだった。
「終わった~」
「これでようやく一息つけるね!」
その後俺はカルナに教えられた店に3人で行くことにした。肉料理の美味い店らしく食事をしながら色々と話をしていた。
森で気絶していた方がシュリという名前でもう1人がカレンというらしい。
カレンは剣士でシュリは剣と火属性の魔法を軽く使えるみたいだ。
食事も大体食べ終えたころ、俺たちはこれからの予定を話し合うことになった。
「それで、私たちを鍛えるってどうやって鍛えるの?」
「明日、森に行って二人がどれだけ動けるか見てどうするか決める」
「まぁ私たちがどれだけの実力を持ってるかわからない事には決めれないってとこね」
「だから明日の朝、万全の状態で門に集合だ」
「わかったわ」「了解です」
明日はめんどくさくなりそうだ・・・最悪成長が見込めそうになかったら見捨てるか。いやカルナに丸投げしてやろう。
・・・・それにしても肉を食うと米が食いたくなってくるなぁ・・・・
~~~カルナ~~~
ギルドの一室
「ふぅ、とりあえずアイツが森の中にいてくれたらある程度は大丈夫だろぅ・・・だがおそらくはアイツは王国が召喚した勇者だろうから、そのうち王国からの使者がくるんだろうな。めんどくせぇな・・・というかまだ召喚とかしてやがんのかこの国は・・・」
ため息をつきながら書類を整理し、ヤクモの事を考えるカルナ。
「強引な手段とかとったらアイツの性格上絶対この国から出ていくのがわかるな。まぁアイツならどこにいっても生きていくかぁ~~」
ほぼ完全にヤクモの素性と性格を見抜いてるカルナである。恐るべしギルドマスター