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2話~初依頼と

某ゲームのボックスイベの開封で頭が飛んだ・・・

「どうしてあの後ささっと帰ったんですか!人がせっかく心配してギルドマスターまで呼んで事態の収拾にいったのに、外に出たらランガスさんが倒れてますしヤクモさんはいませんしギルドマスターには笑われるし散々だったんですよ!」

 次の日、ギルドに行くと受付嬢に捕まり別室に連れていかれグチグチグチグチと言われていた。そんなもん俺の知った事ではないのだが、流石にそれをこの人に直接言うのは気が引ける。

「それはまぁご愁傷様としか言えませんねぇ。ところでどうしてこんな部屋に通されたんだすか?」

「むぅなんかおざなりです・・・ま、いいですけどね。ギルドマスターが一目見たいと言ってまして、正直に言うと逃げられそうだったので先に来てもらいました。ですが遅いですね、そろそろくると思うんですけど」

 ギルドマスターに興味を持たれたか、まぁランクが上の冒険者をなり立てが倒したってんだから気になっても仕方ないか。

 そんなことを考えていると扉が開き一人の男性が入ってきた。

「悪い、待たせたな」

「遅いですよ!ギルドマスター何ですから時間はきっちり守ってくださいよ!」

「だから悪いと言ってるだろう?細かい事ばかり言っていると嫁の貰い手がいなくなるぞ?「んな!?」お前がランガスを倒した新人か・・・」

 受付嬢は横で喚き散らしているがそんなものは気にもならないと言わんばかりに無視して、俺の事を見てくる。俺も挨拶をしながら相手を見る。

 絞り込まれた筋肉から出る威圧感が凄まじい男だというのが第一印象といったとこか。

「私が昨日もめ事に巻き込まれたヤクモと申します。以後お見知りおきを」

「あぁ知っている、俺はこの街のギルドマスターをおしているカルナという。この目でみてわかったよ、こりゃランガス位の実力じゃぁ勝てんわ。シャーリーここはもういいからホールにでて仕事してこい」

 受付嬢シャーリーという名前なのか、まぁ知った所でどうもしないが。

「え~せっかく「いいから行ってこい」はいはいわかりましたよ」

 ふてくされながら扉から出ていったシャーリーを見てから、カルナはこっちを向いてしゃべりだした。

「悪いな、あいつは騒がしいがあんなのでもこのギルドでは一番人気の受付嬢なんだ」

「でしょうねぇ、人懐っこくて勘違いする人が多そうだ・・・ですがそんな話をするために人払いまでしたわけじゃないでしょう?」

 瞬間にカルナから発せられる威圧感がかなり増した!一般人ならこれを一身に受けたら失神するレベルだ・・・そのままお互いに一言も発さずに数分が経過した。

 フッと微笑んだと思ったら威圧感が消えさった。

「やっぱすげぇなヤクモ。俺のこれを受けてビビることなく見返し続けたのはお前が初めてだ」

「買いかぶりすぎですね、ただビビりすぎて目を離せなかっただけですよ」

「ふん、冷や汗も何もかかずによく言う・・・色々と聞きたいことがあったんだがやめておくか。まぁ何かあった時に教えてくれたら多少は手を貸してやるよ」

「色々ねぇ、問題が起こったら頼りにさせてもらいますよ。こちらとしても強い人と知り合えれたのは大きいですからね」

 カルナは色々な事を聞きたがっているようだが、なんとなく俺の事情は把握されてるような気がする。

「おう頼りにしてくれや!あぁ今回の件でお前はGランクではなくDランクの証が発行されることになったから受付で新しいのもらってから帰ってくれ」

「大盤振る舞いだな、そんなことして大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題ない。というか腕利きを低ランクで放置できる程冒険者ギルドは人手に余裕はねぇよ」

 それだけ言って、後は話は終いだと言わんばかりに仕事を始めだした。俺は仕事の邪魔をしないように軽く礼を言って部屋から出た。


受付に戻ると受付嬢・・・シャーリーだったか、彼女がギルド証を用意して待っていた。

「あ、話が終わったんですね!それで~どんな話をしたんですか?」

「特に興味の出るような話題はなかったな。新しいギルド証をもらってくれって言われたんだが」

「教えてくださいよ~・・・まぁいいですけどね。はい、これが新しい証です。滅多にないんですよ?こういう一気にランクが上がることなんて・・・」

「まぁ気になるならギルドマスターに直接聞いてくれ。ところで何か依頼はないか?」

「教えてくれる訳ないじゃないですかぁ~はぁ・・・Dランクならこんなのがいいんじゃないですか?」

 ふてくされながら勧めてくれた依頼は、オークの討伐というものだった。異世界ではゴブリンと同じくらい定番の魔物だ。聞いてみれば、豚顔で大きく力が強くて繁殖のために女性を攫うとのことだった。

「ならこれを受けさせてもらうよ、多分何とかなるだろう」

「無理して死なないで下さいよ?それでは受理しますね」

 オーク、見つけ次第殲滅すべき害悪モンスター。だが肉としての価値はあるためこの世界では食料として使われる。

 俺は直ぐに始末つけるために街の外に出ることにした。


 近くの森の中。俺の周りにはゴブリンの死体が数匹転がっており、頭には投げナイフが刺さっていた。全てナイフで始末をつけた。ナイフ位なら簡単に作成できるから楽なのだ。

「ん~投げナイフじゃなくてもっと長く使える武器を作るのもありか。だが最初作ったような刀作るのはおそらく集中して作らないと使い捨てになりそうだしな・・・」

 そう、小さな投げナイフ位なら疲れることもなく作れるのだが、刀などの大きくて性能の良い物を作るためには集中力と体力が必要になってくる。軽く作れるがそれは性能のすごく落ちた物になり、使い捨てなのだ。

「オークは大きいらしいからな、一応刀は1振り用意しておくとするか」

 ヤクモは作ると決めると刀を作るために集中し創り出す。イメージは最初と同じ物干し竿なんだが、見た感じあまり性能の良くなさそうな刀ができた。

「こいつぁ今回の依頼だけしかもたんな」

 するとタイミングよくオークと思わしき魔物が一匹歩いているのが見えた。オークは俺の姿を見つけた瞬間に雄叫びを上げながら突っ込んできた!

「やはりこいつもゴブリンと同じ頭の悪い魔物だな」

 つぶやくと腰を低く下げ、目の前にきた瞬間に・・・斬る!!オークの胴体が上下に分かたれた。

「これで終わりか、しょぼい商売だな。武器の手入れが必要のない俺なら武器に金もかからないから他の冒険者よりも出費が少なくて済む」

 本来の冒険者なら武器の手入れなどによって必要な出費も少なくなく、赤字になることもあった。それがないという事は金の使い道がその分自由になるという事だ。もっとも武器を買ったりするとそのアドバンテージは無くなるのだが・・・

「出来高ってことになってるからもう少し狩ってから帰るとしよう。だがこいつどうするかな、持ち運びが不便すぎるだろ・・ん?!」

 オークの死体を触りながら考えてると死体が消えた。

「これは・・・なるほど、アイテムボックスとかインベントリとかいうやつか。本当に便利なもんだ、これでいくらでも持ち運びできるな」

 悪い笑みを浮かべていると不意に遠くから叫び声みたいなものが聞こえた気がした。誰かが何かと戦闘をおこなっているかもしれない。

「音のする方に行けば探さずともオークがいるかもしれないな、行ってみるか」

 そうしてヤクモは音のする方へ足を運んだのだった。



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