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とくめいゆめ微かな希望【500文字】

作者: かげる

「合うことと、合わせることはちがう」


由良木めいは、そんなことを言っていた。


そんなことばが、いまも胸に刻み込まれたまま、脳の部位である海馬に記憶されている。


だけど、それ以外のことは思い出せない。


全て、夢だったんじゃないかって疑ってる。


あれからずっと、そのことばの意味することが、どういうわけなのか探していた。


あてもなく、さまよっていたら、なにかに出会った。


もしくは――出合ったと言うべきか。


名前は知りたくないと思った。


なぜなら、そう思いたかったからなのだろう。


絶対的な信仰者である己に、素直を感じたかった。


「あ、こんにちは」


そう言うと「え?」と返してきて。


そうして、出会いは終わった。


夢から覚めて、はっとしたような心地だ。


夢だったんじゃないかって疑ってる。


まだ、いまも、空想の世界に浸って生きてるんじゃないかって。


明日も、また会えるだろうか。


そう期待して、眠りについた。


会えたらなにをしよう、なにをしたら喜ぶかなって想像して心が踊るようにうきうきとしていた。


「ああ!! 全てうそみたいだ!!」


朝起きて、全てを理解した。


由良木めいなんて存在しない。


ぼくの創り出した想像の産物だ。


あんなに嫌いだった、うそで。

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