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この人なら、僕のことを絶対に分かってくれる!

作者: 七瀬




僕はずっとずっと、僕の事を分かってくれる人を探していた、、、!



・・・僕は子供の頃から、父親のお酒癖の悪さや暴力、母親の男好きで

両親は僕が3歳の時に離婚した、、、!



二人とも、僕を引き取る事を拒んだ為、僕は施設に預けられる事になった!

ここに居る子供たちは、みんな僕みたいな子供たちばかりだった!


親に捨てられたり、親の暴力を受けたり、親から逃げてきた子や

親の顔すら知らないまま育った子もいる、、、!


僕が10歳の時には、同じ施設の男の子で僕の本当の弟のように僕を慕って

くれていた子がいたのだけど、、、?


ある時、、、。


その子の両親がその子を迎えに来た、、、!

僕はまた独りぼっちになった、、、。



僕が18歳の時だった、、、! 僕はこの施設を出ることになる!

僕はこうして、独り暮らしをはじめた、、、。


ボロアパートに、寝るだけの部屋があれば僕はそれだけでよかった...。


学校でも何処でも、ずっと僕は独りぼっちだったから、独りには慣れている...!

それでもやっぱり、独りは寂しいと思う事もあった......!


バイト先でも僕は人付き合いをしないし、仕事以外の事は何も話さないから!

何時も一人でいることが多かった、、、!


バイト先では、僕はみんなにこんな風に言われていた、、、!


『浦河君って、、、? 全然、プライベートの事も話さないのよ~!』

『それにさ~俺が浦河に話しかけても、返事するだけなんだよな~』

『仲良くなろうって感じじゃないよねぇ~』

『なんかあるのかな、、、?』

『もしかしたら? 【犯罪】とか犯してたりして、、、?』

『もしそうだったら、、、? 怖いよねぇ~!』

『浦河君の雰囲気て、なんか近づきにくいというか、、、?』

『そうそう! 話しかけてづらいのよ~!』

『なんかあったら? 俺に言えよ~! 直ぐに助けるから~!』

『・・・へーえ! そんな勇気がアンタにあんの?』

『俺だって! やる時はやるんだよ~!』

『はいはい! カッコイイよねぇ~』

『そんな風に、茶化すなよ!』

『まあ~取り敢えず! 今まで通り浦河君に話しかけなくていいんじゃない!』

『まあ、そうだね!』

『・・・あぁ!』




僕は、たまたまバイト先で僕以外のみんなが話してるところを聞いてしまった...!

まあ、そう言われても仕方がない、、、!


僕は人とのコミュニケーションが分からないのだから、、、。


みんなと何を話していいのか分からないし、、、!

僕の過去の話は絶対にしたくない!!!


そうしたら、、、?

僕は自然と人と距離を置くようになった、、、!




・・・・・・それでも、僕は本当の僕の事を分かってくれる人を

知らず知らずのうちに探していたのかもしれない、、、!



どこかで、僕を理解して欲しい! 

分かって欲しいと、、、。



そんな時に、新しくバイト先に入ってきた女の子がいた、、、!

彼女の名前は 『源川 みらい』




僕より三つ上の彼女は、大人びていて綺麗な女性だった、、、!

誰にでも気さくに話しかけてくれて、こんな僕にも優しく話しかけてくれる人。


僕は初めて、心を許せる女性に巡り会えたんだと思えた、、、!


『浦河君は、何をしてる時が一番楽しいの、、、?』

『・・・・・・僕は、うーん? そんなのないかな、、、?』

『そうなの? じゃさ~今度! 楽しいところに連れててあげるよ~

一緒に行こっ!』

『・・・・・・えぇ!? でも僕なんかと一緒に行っても面白くないと思うし!

きっと、つまんないと僕はそう思うけど、、、?』

『浦河君って! 結構、ネガティブなんだね! 面白いか? 面白くないかは

私が決めるから! だから、一緒に行こうよ~』

『・・・・・・ううーん、分かった。』

『じゃ~決まりね! 今週の日曜日なんかどう?』

『・・・まあ、バイトは入ってないけど、、、?』

『私もその日は休みだ~! じゃ~この日にしょう! 場所と時間は

また後で連絡するね!』

『・・・ううん。』





僕がかなりネガティブだから、、、。

彼女みたいに、ちょっと強引に引っ張ってくれる女性の方が僕には丁度いい!


僕は源川さんに、どうして僕にこんなにもよくしてくれるのか聞いてみた...?


『・・・・・・ねえ、どうして?』

『・・・えぇ!?』

『どうして? 僕にこんなに優しくしてくれるの、、、?』

『・・・うーん? どうしてかな、、、? 浦河君が私の弟のように感じる

からかな、、、?』

『・・・弟?』

『実はね、、、? 私には弟がいたんだって! まあ~見た事もなかった

んだけどね、、、? でも、ずっと気になってて、、、。』

『・・・へーえ、そうなんだ~!』

『まあまあ、こんな話はいいじゃない? 二人で楽しもうよ~!』

『ううん!』



何故なのか、、、?

源川さんと一緒にいると、、、?

とっても、心が落ち着いて安心するんだ、、、!


こんな気持ち、生まれて初めての事で、僕自身もビックリしていた、、、!


僕はこう思った、、、!


『この人なら、僕のことを絶対に分かってくれる!』と、、、。


とっても優しくて、僕と唯一話してくれる人、、、。




・・・でも、源川さんから急にこんな事を言われる、、、!


『もうそろそろ、浦河君とお別れの時が来たみたいなの、、、?』

『・・・・・・それって? どういう事なの、、、?』

『・・・ごめんね! 私、浦河君に嘘をついている事があるわ!』

『・・・・・・えぇ!?』

『私は、、、私は! 【実の貴方の姉なのよ!】』

『・・・・・・姉?』

『貴方が産まれた時、、、私は3つだった! でも貴方も知ってると思うけど...?

子供を育てる事が出来る親じゃなかったのよ!』

『・・・・・・ああ、ううん、』

『だから、私は貴方と同じあの家で亡くなったの、、、!』

『・・・・・・えぇ!?』

『親に食べ物も与えてもらえず、父親のお酒癖の悪さと暴力で亡くなったのよ!』

『・・・じゃ、今、僕の前にいる源川さんは、、、?』

『えぇ、もう私はこの世にはいないわ! この体は借り物なのよ~!』

『・・・借りてきた? 誰に、、、?』

『あの世には、一時的にレンタルできる体があってね! 私の願いを叶えて

くれたから、今、ここに居るのよ!』

『・・・・・・源川さんが、僕の本当のお姉ちゃん、』

『えぇそうよ! どうしても勇気に会いたかった! 私のたった1人の弟だから!』

『・・・お.お姉ちゃん!』

『それともう1つだけ、私の願いを叶えてくれる! 貴方を私と一緒に連れて

行くか? 私たちの両親を死神に殺してもらうか? ・・・でも、もう決めたわ!』

『・・・お.お姉ちゃん! 僕もお姉ちゃんと一緒に行くよ!』

『それはダメよ! 私は貴方を私と一緒に連れて行かない事を選んだのよ!』

『・・・・・・そ.そんな、』

『貴方は、これから自分の人生を前向きに生きて行って! 私の分も、、、! 

ねえ? 約束よ勇気! さようなら...。』

『・・・お姉ちゃん! 僕を置いて行かないで! お姉ちゃん、』



・・・でも姉は僕を1人、置いて行ってしまった、、、!




3か月後、、、。

僕のボロアパートのポストに、僕宛に送られてきた手紙があった、、、!

差出人は不明。



・・・手紙の中を開けると、、、?



『今日の夕方、ニュースが流れる! 浦河正雄と三宅啓子、、、。

私と貴方の両親の事が流れるからテレビを付けて見ててね!

私はずっと貴方の味方だから! どんな事があっても勇気の事を愛しているわ!

byみらい』



・・・この手紙を書いたのは、亡くなった姉からだった、、、!

僕はその日の夕方、姉に言われた通りテレビを付けて見ていた!



ニュースでは、、、浦河正雄はかなり酒に酔って、通り魔に殺される!

三宅啓子は、付き合って男に金絡みで殺されたとあった、、、!



・・・でも、僕にだけは見えていた、、、!


亡くなった姉が、死神に頼んで僕たちの両親を殺しに行ったのが、、、!?

ハッキリと僕にだけ見えていたんだと思う、、、。

二人は、泣き叫びながら死神に連れて行かれた、、、!


最後に姉が僕に、、、 『勇気、ずっとずっと愛しているわ! 私だけは

貴方の味方だからね!』と流れた、、、!



きっと、他の人には見えないのだろう、、、!

僕だけのメッセージを残して、姉はまた僕の前から消えた、、、!







最後までお読みいただきありがとうございます。

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