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一日目03

今回の話から完全書き下ろしになります

更新遅れてすみませんでしたm(_ _)m

話はあまり進みませんがお楽しみ下さい

7月23日19時52分 マンション内 193号室(空の部屋)



空は帰宅すると同時にすぐに冷蔵庫を開け水色のラベルが巻かれたブレンディの500ミリリットルペットボトルと冷えたコップを取り出した


キッチンの木製テーブルにコップを置きボトルの冷えた中身を注ぎ込む


暗い褐色の液体がコップの中身を半分少し位満たすとそれを空は口元に持っていき一気に嚥下した


ごくり、ごくりと喉を冷えたコーヒーが流れていく度に、熱くなっていた思考が冷やされ、少しずつだが徐々に冷静さが戻っていくのを彼は自覚する


心身共に静まった事を悟るとコップとペットボトルをその場に放置し、すぐにパソコンの置いてある自室に急いだ


部屋の電灯を点けるのも忘れ、彼はディスプレイのスイッチと本体の電源を入れる


暗い画面はすぐに青一色の空白に変わり、中心には小さな白地で【起動中】の文字と砂時計を模した小さなアイコンが表示された


ものの五秒も経たない内に画面は切り替わり緑一色の森林を背景にしたデスクトップと彼が普段使用する幾つかの機能を表示したアイコンが出現する


彼は焦る気持ちを抑えてマウスを操作してメール作成画面に切り替えすぐさまキーボードを叩いて文面を作成した


こんな事を宗に相談するのは高校在学中に一緒に調べた十年前に発生した隕石落下事件以来の事だった


『〉〉宗


例の連続通り魔の事だが知り合いのマスターから情報が入った

すぐに返信頼む』


そして矢印のアイコンで【送信】をクリックし、メールを送信


すぐに宗から返信は来ないだろうから今の内に自分はやれることをやっておく


調べ作業は宗の方が自分より遥かに詳しいはずではあるが、無駄にはならないと信じたい


メール送信後はすぐに画面を閉じ、インターネットに接続する


連続通り魔事件をキーワードに入力し検索


すぐに沢山の記事がヒットし、表示された


しかし、そこにあるのはニュース番組のサイトやそれに準じた掲示板ばかり


試しに先頭の三十件くらい覗いていたもののマスターがもたらしてくれたような詳しい情報は掲載されていなかった


空はむう、と呻いた

マスターの情報の出どころも非常に気になるところではあるがこうも検索に引っかからないのでは話をしてくれた彼に悪いのだが、ガセネタではないのかと疑ってしまう


少し目がチカチカしてきた空はパソコンの上に飾ってある灰色の塗装すら施されていないF―15イーグルのプラモを見上げた


これは宗が大学の多忙で処理しきれない積みプラモデルを彼にくれたもので少し古いスナップフィットで組み上げる物ではなく接着剤でパーツをくっつけるタイプの昔に流行ったキットで組み立てる際はパーツがよく外れた為に散々時間をかけた気がする


塗装もしていないデカールを張っただけの簡単な素組み仕上げだがシャープなフォルムが意外と気に入ったので、こうして今でも飾っているのだ


宗によるとこの機体はアメリカやイスラエル、サウジアラビア、そして自衛隊も使用している旧式だが未だに現役の戦闘機らしい


その時は宗の意外な知識に適当な相槌で答えたのだが、知り合って随分経つ今から考えても彼の多芸多趣味ぶりには未だに驚かされるばかりだった


空自体も自衛隊の戦闘機なんてテレビで映ったとしても、とくに感心すら抱かなかったのに


イーグルを手に取り思い出に耽っているとイーグルの横に置いてあった時計が目に入る


時刻は空がインターネットで検索を初めてからそろそろ一時間が経とうとしていた


(そういえば、宗からのメールは既に届いているはずだ)


案の定PCをデスクトップに戻すと画面にはメールが知らせることを知らせる表示がある


予想通りと言うか、メールを送信した以上、返信が来るのは当然なのだが送り主は宗とある


さっそく空は送られて着たばかりのメールを開いた


『〉〉空


悪い。気付くのに割と時間がかかった。俺もサークルやレポートで忙しいからな

高校の先生が大学は暇だとか言ってたのになんでこんなに忙しいんだ?

これって詐欺だよな――



空は胸に溜まりに溜まっていた溜め息を吐いた


(愚痴かよ!)


心の中で宗へのツッコミを入れる


まだメールは続いていた

空はモチベーションの低下を自覚しながらも続きを読む




――悪い、なんか下らねー事をグダグダ書いてた


んじゃ本題だ


一体そのマスターとやらからどんな情報を得たんだ?


お前焦ってたらしくて肝心な事実を書いてないぞ


メールじゃ返答が遅れるから俺から電話しようか?


そっちの方がスムーズに話が進むだろうし』


空はなるほど、といった風に左手を自分の顎に沿えて頷き、メールの返信を打ち込んだ



『〉〉宗


わかった

でも電話は俺から掛けさせてくれ

お前はバイトで学校行ってるんだろ?

だったらこんな事で無駄な金を使わないで俺に頼れよ』


送信する


そしてものの一、二分も待つと宗から『了解』とだけ記されたメールが返ってきた


空はケータイを充電器から取り出し、久しぶりに話す親友の番号を電話帳から選択し電話をかけた


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