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夢幻酷法  作者: SOR
第一の反乱
4/14

女王とスピーチ

こんにちは、如月むつきです。

第一の反乱も無事収まり、ホッと一息。あっ、第一の反乱というのは私が拉致られてからの一連の出来事のことを言うみたいです。

つまりミロックを取り巻く事件のことを業界用語として『反乱』と呼んでいます。

そしてそして!ミロックメンバーが全員集合しました。


「師走竜っす。どうぞよろしくちょんまげー!!」

「よろしくちょんまげ、俺鏡賀白空!」

「だっさwww白空とかwwwwだっさwwww」

「うっせwwwwお前うっせえwwww」

「お前草生やしす「梅崎零です」


バカコンビを華麗に遮る零ちゃん。


「おぉ、零じゃないか」

「りゅう兄、ご無沙汰してます」

「「「りゅう兄!!?」」」


そういえばさっきもりゅうさんのことりゅう兄って言ってたね。実際お兄さんなんだからりゅう兄であってるんだけど…なんか違和感。


「あれ、でも零ちゃん卯月のことは優って言ってなかった?」

「優の方が兄として格下ってこと?」


利愛がしゃしゃり出てくる。


「お前らぶっとばすぞ、零は同い年だ」

「「同い年!?」」

「私の方が少し後に生まれたから…異父兄弟だし」


零ちゃんが言う。なるほどねぇ。それにしてもクールビューティー零。バカしかいなかったからありがたいよ…


「それじゃ、みんな揃ったところで、僕の最後の仕事をしよう」


クルミル様が言う。最後の仕事?


「利愛と白空には前も言ったとおり、国の情報関係を任せよう。零には…そうだな、いろんな所で活躍してもらいたいと思っている」

「わかりました」

「それで、優と竜なんだけど…君たちは二人で王の補佐をやってほしいんだ」

「二人ですか!?クルミル様この前補佐は一人って…」

「まだまだむつきも未熟だし、二人いても問題ないだろう」


りゅうさんが言う。そういうなら…まあいいかな、竜は役をもらえてとても嬉しそうだし。…それとは逆に卯月はすごくめんどくさそうな顔をしているけど何も見ていませんよ。


「今から忙しくなるよ〜とりあえず国民の前でスピーチをしないと」

「す、すぴーち!?」

「簡単な意気込みでいい。私がミロック王ですっていうのをまず知ってもらわないと」

「むつき、すごい顔してるよ…」

「え!?」

「大丈夫、フォローは僕達がするから。とりあえず着替えておいで」

「は、はーい…」


ミロック王になってから初仕事ってわけか…

よーし、がんばるぞ!




そのあと、私は衣装室に連れて行かれた。たくさんのドレスやスーツがある。この中から基調となるドレスを選ぶらしい。そのドレスは何か報告をしたり、国民の前に立つ時に身につける衣装だ。

いろいろ悩んだ末、私は鍵をイメージしたドレスを選んだ。胸元にはルビーのネックレス。髪には薔薇のコサージュ。

…うん、なかなかいい。


「ほぉ、さすがむつき。センスあるね!」


利愛と零ちゃんが覗きに来た。


「確かにセンスあるわね…何かそういう勉強とかしてるの?」

「将来は服飾関係につきたくて…アクセとか見るのも好きなんだ」

「なるほどー!」

「むつき、準備できたか?そろそろ時間だ」

「はい、すぐ行きます!」


はじめて着るドレスに慣れなくて転びそうになる。ひたすらもごもごするぞ…


「むつき」


零ちゃんが私を呼ぶ。


「あなたには申し訳ないことをしたと思ってる。竜が言ったとおり、私はあなたに不満があったわけじゃないの。優やりゅう兄に近付きたくて…。それなのにあんなことをして…ほんとにごめんなさい」


零ちゃんはそう言って頭を下げた。


「ううん、気にしてないよ。私は零ちゃんがミロックメンバーになってくれてすごく嬉しい!」

「むつき…」


零ちゃんは笑顔になった。


「頑張って!ミロック王なんてなかなかなれるもんじゃないわ。自分の思いを国民にぶつけてきなさい!私はあなたについていく、そう決めたんだからね」

「うん!ありがとう!」

「ファイトだよ、むつき!」


利愛も声をかけてくれる。覚悟を決めた私は、国民の待つ外へ足を進めた。




ミロック城には、おおきなベランダのようなものがあって、そこから王はいろいろな話をするらしい。結構な高さがあり人がゴミのよ…ちょっなにするやめ。


「如月、言うことはちゃんと決めてるのか」

「もちろん、一発かましてくるよ」

「あはは!むつきはほんとにかましそうで怖いよ」


そして、私ははじめてミロック国民の前に立った。両隣には卯月と竜が見守ってくれている。大きく息を吸い込み、口を開いた。




「はじめまして、この度ミロック三代目王になった、ルチアです。

ミロック初の女性の王ということで皆様戸惑うこともあるかと思います。

また、私はここに来てまだそう長くはありません。

未熟者かもしれません、しかし逆に捉えればそれは違う視点で物事を判断できるということです。」


「私はここに来て、いろいろなものを見ました。一つ一つ、思うことはたくさんあります。

こただ一つ言えること、それは私はミロックが大好きだということです。

このあたたかいミロックが大好きです。」


「もっともっと発展させてミロックで生まれてよかった、そう思っていただけるような国を作っていきます!

どうぞよろしくお願いします」



私は深々と頭を下げた。すると、おおきな拍手が起こった。

顔を上げると国民たちは笑顔で私を見ていた


『ルチア様ー!頑張れよ!』

『ミロックに革命が起こせー!』

『応援してるよ!』


「みんな…」

「むつき、泣くのは後だよ」


竜が小声で言う。

私は頷き、もう一度深く頭を下げてからその場を後にした。



「うわぁぁ!まさか…まさかあんなに拍手がもらえるなんて…」


中に入った私は涙をこらえきれず、びーびー泣きわめいていた。せっかくしてもらった化粧もぐちゃぐちゃだ。ら


「あんな小学生みたいなスピーチでなあ…」

「はじめはあんなもんだよ」


卯月とクルミル様が言う。うるさいやい!


「にしてもすごい迫力だね。全国民が集まるって」

「りゅ、竜〜〜〜」


私は思わず竜に抱きついた。安心感。


「えっちょっとむつき近…って鼻水!?鼻水出てるよむつき!?」

「うっ…ほんと?チーン」

「チーンじゃないよ何やってるの!?」

「大仕事を終えた後で悪いんだけど、むつき。この前話してた件なんだけどアポが取れたんだ。今日か明日に来てほしいって言われたんだけど、どう?」

「い、今がらいぎまず…」

「わかった。なら僕が連絡しておくよ。とりあえず鼻水ふいて」

「チーン」

「いやだからこれ俺の服!!」





「例の件ってなに?」


落ち着いた私に利愛が聞いた。


「うん、あのね。ミロックってあんまり外との交流がないから、お隣さんの国と親交を深めようと思って」

「へえ、いいじゃんそれ!」


白空が言う。


「それで?その親交を深めるのにお前一人で行くのか?」

「できれば〜補佐のお二人さんにも〜〜ついてきてほしいな〜〜〜なんて〜〜〜〜〜」


あ、今卯月めんどくさいって顔した。


「え〜めんどくさー」

竜に関しては口に出した!?


「まあでもいい機会だから行った方がいいかもしれないわね」

零ちゃんが言う。


「でもめんどくさ「いい機会だから行った方がいいかもしれないわね?」

「はい」


零ちゃん威圧スキル持ちか…。こりゃ重宝するぞ。


「ほら、卯月も竜も支度して。思い立ったらすぐ行動だよ!待たせるのも悪いし急いで急いで」


だるそうに動く二人の背中を押して、私たちは隣のサラ国へ訪問することになった。


ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

とりあえず主要人物は出揃いましたので簡単にまとめておきますね!

↓時間がある方はどうぞ↓



如月(きさらぎ)むつき:主人公。二重人格。オシャレをするのが密かな楽しみ。高校では成績トップで賢いが、社会経験が全くない(特に恋愛)。


卯月優(うづきゆう):ドS、口が悪い。何を考えているのかよく分からないが周りをよく見て行動し、ミロックのことを大切に思っている。りゅうの弟であり、零の兄。


師走竜(しわすりゅう):優の幼なじみ。元気で明るい。実はスケボーが得意だがよく利愛や白空に落書きをされる。


梅崎零(うめざきれい):優とりゅうとは異父兄弟にあたるが、綺麗な黒髪は卯月家譲り。優とは同い年だが生まれるのが優のが早かったため卯月家では妹となる。密かに鬼と恐れられている。


鏡賀白空(きょうがはくう):利愛の兄。水色の髪が特徴的。情報関係に強く、ミロックでは監視カメラや機械を操作している。利愛と一緒にクルミルにスカウトされた。


鏡賀利愛(きょうがりあい):白空の弟。白空とは対照的にピンクの髪をしている。ハートの髪留めは白空からもらったものらしく、大切にしている。


卯月(うづき)りゅう:卯月家長男。ミロックメンバーの中では最年長だが、よく馬鹿にされている。しかしやる時はやる男でとても頼りになる。クルミルとの絆はとても強い。


ラン・クルミル:本名武田奥斗(たけだおくと)。2代目ミロック王。父であり1代目ミロック王のフェリ・クルミルからもじりラン・クルミルと名乗る。実はメンバーの中では最年少でむつきより2つ下であるが、それを感じさせない能力がある。影が薄くよく忘れられる。



とにかく個性的ですね、この他にもまだまだ登場人物していないキャラがわんさかいます。また白空と利愛の過去やりゅうとクルミルの絆の話など、掘り下げられればいいなと思っています。

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