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夢幻酷法  作者: SOR
第二の反乱
12/14

共鳴と交代


前回までのあらすじ!

四季剣と対をなす四醋剣を体内に取り込んでしまった竜。

四醋剣は人間?の身体の中で成長し、成熟すると人間の殻をやぶり外へと出てくる。そんな恐ろしい四醋剣が生まれるのを防ぐため、むつきは竜の中の四醋剣を除去しようとする。

しかし竜に姿を変えた四醋剣が現れ、挙句の果てにチューまでする!

みんな、というか優が見ているというのにチューをしてしまった…修羅場、修羅場、修羅場!果たしてどうなるのか!?



「利愛、一人で何言ってるの?」

「んふふ〜零ちゃん久しぶりのあらすじだよ!」

「はあ?」

「とりあえず利愛殴っていいか」

「えっ、待って優。別に優に対しては何も言ってなウワアアアア!!!」





私は竜の話をとりあえず黙って聞いていた。

つまりここまでは全て竜が仕組んだシナリオであり、ミロックのメンバーに復讐しようとしていた…?


「さあむつき、分かったらここで一緒に散ろう。もう戻ったって破滅しかないんだ」


竜は私の肩に手を置いた。

が、私はすぐさまその手を払いのけた。


「その気持ち悪い口調、やめてくれない?」


私が信じきっていると確信したのか竜は隙だらけだった。

もちろん私は竜、いいやこいつのことを信用なんてしていない。


「竜はそんな喋り方しないし、そんな難しいことも言わない。それに…みんなの事をそんな風には言わないよ」

「ずいぶん信頼しているんだな。そんなの分からないだろう。もしかするとこれが本性かもしれないぞ」

「確かにそうかもしれない…私は竜に会ってちょっとしか経ってないし何も知らない」

「だろう?ならこちらへおいで、むつき」

「…そうね、そうするわ」





卯月、みんな聞こえるかな?


「…!?むつき…」

「どうした優、あまりにも好きすぎて幻聴でも聞こえるのか?」

「いや、紛れもなくこれはむつきの声だ…むつき!!?」


なーんだ、卯月にしか聞こえてないのか。残念だなあ〜


「…お前戻ってきたらゲンコツするから覚えとけよ」

「優!?」


今からそっちに竜を送る。だから受け止めて欲しい。


「送る?どうやって…」






「さあ、早く私を連れて行ってよ。それがあなたの望みでしょう?」

「へっへっへ、ならそうさせてもらうぜ!」


竜の姿をした四醋剣は、私に向かって飛びかかってくる。


『四季剣解放、立春』


弱くたっていい、落ちぶれてもいい。

大事なのは守るべきものから目をそらさないこと。

傷つけあうことが目的じゃない。

立春はそのことを、私に教えてくれたのかもしれない。


「立春?お前には正春という四季剣があるというのに…さあ来い!全て飲み尽くしてやる」


竜の身体が真っ二つに割れる。

…やはり本体ではなかった。中身は空っぽだった。


「僕は君を、拒んだりしない。むしろ歓迎しよう。さあ…」


私は目を閉じる。四醋剣の覇気が伝わってくる。

ドロドロとして真っ黒な覇気。


「私はあなたを傷つけない、竜は大切な仲間だから」


ガバアと四醋剣のくちが開く。今だ!!


私は立春を投げ捨て、四醋剣のくちの先に見える竜へと手を伸ばした。


「貴様ッ!?何を…」


竜の手を引くと同時に私は四醋剣の中に入った。くちが閉まり、辺りが真っ暗になる。


確か言っていた、体内にいられるのは一人だけであると。きっとそれは体内だけではない。

私には見えたのだ、四醋剣の中に眠っている本当の竜の姿が。


後は任せたよ、優。

これで死なせたりしたら…ただじゃすまないんだから……ね………

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