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会計の大まかな流れ


「今回は前回の続きで、会計の大まかな流れです」

「会計が出資した人、それを受けて経営している会社の台所事情に必要だってのはまぁ、なんとなくわかった。ほんじゃぁまぁどういうものなのか教えてくれや」

「……お金の女神に対して横着な態度なのは気に喰わないけど――。会計には、商品の売買、株価の変動を記した『経済活動。または経済事象』。それがいくら増減したのかを『分析』し、帳簿に『記録』して、それを『報告書』にまとめて、『情報を知りたい人』に(しら)せ、情報を分析して役立てる。というのがおおまかな流れだね」

「ほんとうにおおまかだな。だけど報告書があるとないとじゃちがうな」

「結局それを使う場合は人と人のあいだで使われるわけだから、会計という形で『お金がどう使われていたのか』を報告するためにも、会計は必要だね。もしこれがなかったら信頼に関わるし、経営にも影響が出てくる。なにせ客だけじゃなくて、お金を借りた銀行との信頼もなくしちゃう可能性があるから君も気をつけないとね」

「お店をやっている手前、客との信頼は必要だしな……あれ? そうなると最初に何を買って、それをいくらで売ったのかってのも報せるわけか」

「そうだね。最近だと中国人の爆買いなんてのがあったから、まったく売れなかった商品が在庫切れなんてのも珍しくなかったみたいだよ」

「ホームセンターに行くと、これ誰が買うんだ? ってのもあるな。噴水とか」

「そういうのは物好きな大金持ちくらいだよ買うのって。期間限定とか数量限定は貴重価値があるかもしれないけど、まったくそんなの関係なしに売れ残っている商品もあるね。もちろんそんな商品でも仕入れた時はちゃんとしっかり記録していないとダメなんだよ」

「うちは小売店だからな、いろいろなものを取り扱ってるけど、それも記録するのな。うーん頭がこんがらがってきた」

「そういうのをなくすために簿記の知識があったほうがいいね」

「商品をいくらで仕入れ、それをいくらで売るか。これは小売店の悩みのタネだな」

「しかも一生のね。たとえば君がひとつ100円のリンゴを1箱15個を現金で仕入れたとするよ。この場合計算上どうなる?」

「えっと、仕入れたわけだから払うんだよな? 1個100円のリンゴを15個……1,500円か」

「……半分正解だね」

「半分?」

「わたしたちは簿記の話をしているんだよ。つまり君はそのリンゴを仕入れて売ろうとしているの。でその商品をなにで買ったのか」

「現金だよな? でも普通ものを買う時は現金だろ?」

「ネットショッピングの場合は?」

「ネットの時? 現金以外だとカードの支払もか」

「そうだね。仕入れの場合は必ずしも『その時に払う』というわけじゃないんだよ。まぁこれに関しては後々話すとして、簿記の記入では、何がいくら増減したかを記入するの」

「だったら普通にリンゴいくらでもいいんじゃ」

「でもそれが間違っていたらどうする?」

「間違っていたら?」

「ほら買い物をしていて割引なんてあるでしょ? もちろんそれも計算するんだけど、もし君が1,500円でそのリンゴを現金で購入したものをそのまま報告したら、それをみた経営者が本当はいくら使ったんだって不審に思うかもしれない」

「そうか。じゃぁ簿記ではどう記入されるんだ?」

「今回は会計の話だから次に回すとして。そうやって仕入れたものをお店に並べて、いくら売れたのかを分析する。たとえば1,000円のお小遣いでものを買った場合、雑誌300円、お菓子200円、交際費500円をその中から使ったとするよ」

「きっちり1,000円使ってるな」

「これは君が学生だから遊びのほうにお金を使っているけど、もしこれが買い物しているお母さんだったら、料理に使う材料をグラムやリットル、もしくは個数で計算すると難しいでしょ?」

「あぁ、たまにスーパーで肉とか見るけど、グラムいくらとか書かれているし、パックによって様々だから定額ってわけじゃないな。そうなるとかなり難しいんじゃないか?」

「それを貨幣額で計算すると、わかりやすいし、いくら使ったのかも把握できる。いくら使ったのかを記録出来るわけ」

「つまりそれを分析して、いくら使ったのかってのを報告するわけだな」

「そうだね。『なににいくら使ったのか』を記録し、それを報告書にまとめて『利害関係者』に報告する。これが会計の大まかな流れだね」


 経済活動(なにを買った(売った))や経済事象(原油や野菜などの値上(下)がり)などによって自分に関係する経済価値が変化したさい、これを記録しなければいけません。

 このような記録すべき事柄を『取引』と呼びます。

 はて、取引って商品を売買するから普通に使うよなぁと思われるでしょうが、会計上ではすこし意味が違いまして、会計上の取引は自分が所有する経済価値(現金や建物、借金など)や損益(儲けなど)に影響をおよぼすものを指します。なので「盗難」や「災害による損害」なども商品に関わるものなので「取引」になるわけです。


 たとえば人気の漫画本を400円で仕入れましたが、先の大災害でそれが損傷した。これも取引になります。万引きもその被害も書かないといけませんので、記入する側は嫌なものですが、しっかり報告するという意味で記入しなければいけません。やはり商品はちゃんと購入してほしいというのが本音でしょう。


 取引があると、会計の出番です。その取引によって「なにが何円(いくら)増減したのか」を分析します。『何円』という単位で測る点がポイントです。

 会話の中でひとつ100円のリンゴを1箱15個を1,500円で現金を使って仕入れた。というのがありましたね。取引では、

 ――なにが(リンゴが)何円(1個100円。1箱15個なので1,500円)増減したか(増加した)

 ――なにが(現金が)何円(1500円)増減したか(減少した)

 という分析がされます。


 次にこれを決まった書き方で帳簿(紙の束をイメージしてもらえれば)に記録します。この記録方法が特殊でして、簿記を習う上ではキモとなる部分ではないでしょうか。

 すべての取引や証拠に基づいて記録し、すべてを網羅した検証可能で秩序立った帳簿を作成します。

 そして区切りのいい時期に日々の記録から会社成績を評価する報告書を作成し、欲しい人に提供します。

 報告書が必要なのかといいますと、その会社の経済活動が彼らの利害に関わるからです。このような人を『利害関係者』と呼び、投資家・銀行・商売の取引先・経営者・従業員・政府機関・地域社会とうとう……広範囲にわたります。



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