おうち文化祭 2
台所から返事をして、二人に買ってきてもらった材料を広げる。時間がかかりそうな、烈リクエストの『(誰とは言わないが)好き嫌いすんなカレー』から作ろうと思う。誰とは言わないが、ね。好き嫌いはしちゃだめだよね。誰とは言わないけどね。
「えっと…、野菜は最初に全部切っちゃうか」
千春と私の以外はご飯もので、そこそこ野菜を使う。袋から出した、ゴーヤ、ナス、人参、トマト、カブ、タマネギ、ピーマンをそれぞれの大きさに切っていく。
烈リクエストのカレーは、野菜九割肉一割の野菜たっぷりカレーだ。どこかの誰かさんが苦手な野菜がたくさん入っている。買ってきた野菜のほとんどはカレーに入る。残り一割の肉を炒め、鍋に水を張り、野菜を全部入れて煮込む。
その隣で、次は碧流リクエストの『おこさまらんち!』に取り掛かる。チーズが乗ったハンバーグとチキンライス、エビフライ、フライドポテトの一般的なお子様ランチ。タマネギを炒めて、ハンバーグのタネを作る。ビニール手袋をしてタネを作っていると、碧流がひょっこり顔を出した。
「おねえちゃん、おてつだいすることある?」
「リビングの飾りつけは終わった?」
「うん、いま二階ではるきとれつがお化け屋敷つくってる!」
「じゃあ、ハンバーグのタネ作るの代わってもらおうかな」
「うん! やる!」
顔を輝かせた碧流に、ビニール手袋を渡す。碧流の手には少し大きい。
タネを捏ねる碧流の横で、チキンライスを作る。タマネギと人参を炒めて…としていると、二階からバタンと大きな音がした。二人で天井を見上げた。
「…なんか、今、大きい音、したね…?」
「うん…」
「…無気力さんが落ちたかな…」
「れつかも…」
烈だな。
「まあいいか。碧流、それ楕円の形にして」
「うん!」
炒め終わった野菜にご飯を入れて、ケチャップを入れる。
「…もうちょい…?」
「うん、もうちょい」
追加で入れて、全体が赤くなるよう混ぜてケチャップライスの完成。
「おねえちゃん、はるきのは何だったの?」
「…オムライス」
「オムライス? 普通の?」
碧流が何かを察したのか眉を下げながら更に問い掛けてきた。
うん、普通のオムライスだよ。名前以外は。
「れつのはカレー?」
「うん、野菜カレーだよ」
「やさい…」
ぎゅうと顔をしかめる。碧流もそこまで野菜が得意ではないので、やっぱり野菜九割肉一割カレーは嫌みたい。




