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秘密結社のお姉様!?  作者: 折上莢
かかし編
13/71

まさか梓が行けるっていうと思わなかったから…

「梓、一人で大丈夫? 荷物持ちとか必要じゃない? なんなら俺行くけど?」

「あああああもう! うるさいなあ! それさっきから何回繰り返す訳!? 家族と行くから大丈夫だっつってんでしょ!?」


ホームルーム終わって、教室出てから尊はずっとこの様子。


「まさか梓が行けるっていうと思わなかったから…だって梓、アンケート乗り気じゃなかったし!!」

「いいじゃん別に…。あの時は面倒くさかったし。でも雪奈ちゃんも表だから楽しそうかなって思ったの!」


それに、買い物は行きたかったし。

“家族”とお出掛け、なんて何年ぶりだろう。楽しみ。


「それに、家族って…。暦ちゃん、帰ってきたの?」


そういえば尊、家の事情知ってるんだった。

まあ、幼馴染だからねえ…。

尊に泣きついたこともあったし。


「昨日言ってた親戚のこと。疑似家族? うーん違うか。…少なくとも、私は本当の家族だと思ってる」

「…へえ…。そっか。よかったね、梓」


ふんわり微笑む尊。

この笑顔に、何人の女の人が落ちていったのやら。


「その顔、やめたほうがいいよ」

「え? 梓は俺の武器を奪うの? そんなに俺かっこ良かった? 誰にも見せたくな」

「この世の全ての女性の未来を考えて言ってる」

「梓、俺流石に傷つく。言葉被せないで…」


しょぼんと肩を落とす。

それを見て、笑いが溢れてしまった。


「嘘だよ、嘘。いーんじゃない? その顔で数多の女性を落とせば」

「ねえ俺ナンパやめたって言った! 今朝言った! 覚えてて!?」


日が傾いてきた住宅地を、私たちは笑顔で歩く。

…あ、そういえば、これも久し振りだ。

自然と目尻が下がるのがわかる。


「…梓、今の顔やめて」

「何それパクリ?」

「違う! あ、いや、違くないけど違う!」


ちょっとわかりません。


「今の顔…惚れちゃうから、駄目」

「さっきの顔すれば、私もナンパ上手になる?」

「そういう問題じゃないってば!!」


あははー、わかってるよー。


「さっき声のトーン、ガチだったじゃん!」

「そんなことしないよ。てか、これ以上周りに面倒くさい男の人いらない…」


烈と遥希だけで手一杯。

その他男以外だったら、千春と碧流もいるよ…。

面倒くさいけど、幸せなんだよね


「…」

「尊?」

「あ。なんでもなーい。いやあ、まさか梓の口からそんな事聞けるとは…って」


あはは、と空笑のようなものをする尊。

目が左右に泳いでいる。


「尊?」

「…ん? なーにー?」


ふっといつもの顔に戻る。

…気のせいかな?


「はい、到着っ! 梓、荷物持ち必要だったら、いつでも呼んでね! 飛んで行くから!」

「んー、多分呼ばないと思う。でもありがとう」


ぱたぱたと手を振って、道の先に進んでいく尊。

…戻ってきたんだ、イギリスから。


「…、ただいまー」

「お帰りなさいお姉様ああああああああっ!!」


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