ティーポッド
大きく開いた花びらが、上へ行ったり、下へ行ったり。
目まぐるしく、行ったり来たりするさまを。
砂時計と一緒に、見つめている。
透明なグラス。
まぁるいグラス。
満タンに入ったお湯の色が、花が開く毎に、濁っていく。
うっすらとしたオレンジ色から。
時間を空けると、濃い茶色。
一晩もたてば、そこだけ残った夜みたいに。
とても、とても、濃い、滲みた色。
蓋の隙間から抜ける香り。
とても、飲みきれない一杯。
香りだけで、おなかいっぱい。
明日まで、とっておこうか。
今日、我慢して、飲んでしまおうか。
濃すぎる香りが、喉を絞める。
眠れない夜に、乾杯しよう。
寝てしまったら、そこまでだから。
それでも、やっぱり眠い。
カフェイン入りですか。




