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出会い

こんにちは。初めて投稿しました。拙い文章ですが、よろしくお願いします。

目を開けると、ただ青い空が広がっていた。太陽が真上にあり、ずっと目を開けていることが出来ない。

それだけだった。他は何も分からない。匂いも感触も音も記憶も、分からない。

「…ぁ……っ」

もう、何も分からない。嫌だ。嫌だ。嫌だ。お願い、助けて

「…った…すけて」

目の前に伸ばされた傷だらけの腕は自分のものか。

「助けて…」



何もない。いや、何もない訳ではない。そこら中に元が何だったか分からないほどに破壊されたものが広がっている。木材、岩、鉄、それらが、燃やされ、または溶かされ、広がっている。

「(これは強いな…)」

黒いローブに身を包んだ青年は思う。

広がっているものを見ているとここが元は一つの街だったとは思えない。

「(アレを持っている奴はいるのだろうか?

しばらく進んでいるが、生き物の気配すらしない、ならばアレは自滅したのかもしれないな。)」

しかし、青年はくまなく何かを探している。

ふと、青年が目を向けた先に、ありえないものが見えた。

黒ずんだ残骸から飛び出ている一本の腕。それはこんな場所にあるには異様過ぎる。青年はそれが見えた瞬間、弾かれたように走り出す。そして、腕のところに着くと、顔に緊張を見せ、残骸をのけていく。

「(少女?)」

黒ずんだ残骸から見えたのは、傷だらけの少女。服は焼け、破れ、体のいたるところから血が出ている。赤い髪に白い頬、しかし、それらも汚れている。

青年はぼろぼろの少女の体に気を使いながら慎重に少女を抱き上げる。

「た…す…けて」

「!!」

一瞬の静寂。そして、青年は腕の中の少女が放った言葉にただ返す。

「助ける」



何も分からない。何かが消えていく。イヤだよ。返してよ。それは私の!私の!

「っ!」

目が覚めたの?あれは…天井かな?イヤだ、何も分からない…私、何をしていたんだっけ。…落ち着かなきゃ。落ち着かなきゃ。深呼吸。

「スーー、ハーー。」

よし、落ち着いて考えよう。私は今、寝ていた。そして、目が覚めた。見えるのは天井。

カッカッカッカッ

その前は……えっ、何も思い出せない…。どうしよう、あれっ、あれっ、

スッ

「うおおおぉぉぉ!?!?」

目の前に男の人の顔がある。何!?誰!?いきなり!何?何?何?

「目が覚めたのか。大声も出せるとは…」

「あっ、あっ、すみません。」

「まずは落ち着け。」

「へっ?はっ、はい。スーーハーー。」

「…自己紹介出来るか?」

「!」

自己紹介だなんて。そんなの…。

「分かりません。何も。名前も、自分が何をしていたのかも」

「…」

「分からないんです!ウッ、何も…ウッ……ゲホッ、ん。スー、ハー、ハー、」

分からなくて、悔しくて、腹が立って…。クソォ、泣きたくないのに…。

「わがらない。ンハッ…」

フワッ

抱きしめられた。

頭にまわされた手やおでこをつけている服は冷たいのに…。

「泣け」

なんでこんなにあったかいのだろう…。

「うわぁぁぁん、ヒック、んん。ああぁぁ。うわああぁぁぁん。」

最後まで読んでくださってありがとうございました。

次の投稿はいつになるか分かりませんが、次話も読んでいただけたら嬉しいです。

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