03:空飛ぶ島
「ラ◯ュタ!?」
「いや、これはラビュタ。『Last of Beautiful Tabele』略してラビュタさ!」
空飛ぶ島というので、かの有名な物語を思い出してし口から零れてしまった。
ただ、ラビュタって絶対パクリだよね。
それに・・・。
「テーブル!?」
「他にもTahiti、Taiwan、Thailandと候補があるんだけど・・・。」
「あのー。」
あ、女神達がついて来れてない。
それでも少年神は止まらない。
「滅びの呪文は『パルス』!。地上を滅ぼせる巨大砲と雑用その他をしてくれる魔導巨神兵付きだよ!」
「おーい。」
「二人だけの世界??」
これ以上女神達を置いてきぼりにするのはあとが怖い。
「で、本当は?」
「えっ。ああ。名前は適当に決めてもらっていいし、滅びの呪文も巨大砲もないよ。」
「そう言う事でなく、というかこれ考えたの私達ですよね?」
「・・・。」
おいっ。
少年神はこちらと目を合わせようとしない。
「だって思っていた事をルイジュがいうから・・。」
僕の所為かいっ!
「まぁ、悪かったよ。」
「うん。」
「でも久々にあれを見たくなったよ。」
「皆でTweetしたいねぇ〜。」
男二人で消沈している間にも女神達の説明が始まっていた。
「と、いうわけで世界各地を回りながらも安全性は確保されます。何か質問は?」
「あ、えっと・・・。」
聞いてなかったとは言えないぞ。
「いつからやるの?」
「ルイジュの許しを得れば今日にでもできるよ?」
「あの、僕は・・。」
「お父様は許可してくれますわよね?」
「あ、はい。」
そんな訳で島が空へ浮き上がるのは決定した。
勿論、巨神兵等はない。
ただ自然の結界として積乱雲を纏う事ができるので龍の巣は再現できそうではある。
ちょっと楽しみだ。
島を浮かすのは基本的には女神達の力が頼りになる。
一応、補助として僕制作の魔導具を設置することにしたけれど、あくまでも補助。何かあった時に墜落せずに不時着させるのが魔力の保存量的に限界のラインだった。
島を浮かす事は決定してもまだ浮かせていないのに理由がある。
といっても大した理由ではない。
建物の増築と新築をタツギさんにお願いする為だ。
自分達の建物の増築は女神達が島にいる事が今まで異常に増えるであろうことと、いつか子供ができた時用らしい。
そちらの方はまだ予定がないけどね・・・。
新築の方は来客用。
これは本当に使う予定もあるけど、それよりも島周辺を監視している人達へのポーズもある。
形が整い次第招待しますから待っていて下さいというメッセージのつもりだ。
実際、タツギさんから情報が流れると無理に上陸しようとする人は居なくなった。
代わりにタツギさんへの問い合わせが増えたけれど、直に材料確保と職人の運送を済ませたので大きな問題にはならなかった。
それでも奥さん達への問い合わせがあると僕は心配下のだけど、タツギさん曰く「カカアに任せときゃ問題ねぇよ。」とのことだ。
本当に問題なく使者を捌いていたので今度極意を学びに行きたく思う。
貫禄とか言われたらどうしようもないけど。
建物は来客向けなので今までの様なログハウス形式ではなく、神殿とにた雰囲気の石造りの館にすることになった。
タツギさんからの提案で神々の住いという事で全てを宮殿やお屋敷にしたらというものがあったけれど、今までの家は住み慣れているし、余計は装飾を好まないという僕と女神達の意見を通させてもらった。
また、女神様に直接あったタツギさんと職人さん達は無報酬で働くつもりらしい。
いや、報酬はちゃんと払いますよ?
島が飛び立ったのは話が決まった一週間後。
館は完成していないし、材料も全ては揃っていない。
だからこその出立ということになる。
何故、完成前に空に飛んだかというと、材料集めの先に問い合わせが来たり、職人に無理を行って島への上陸順番を自分が一番異なる様にしようとしたりする動きが増え始めたからである。
そうまでして女神達とコンタクトを取りたいかね。
正直会っても願いを叶えてくれたりすることは無いと思うよ?。
島へ入るには僕か神達いずれかの許可が必要になる。
そもそも今の所は飛行能力がなければ辿り着く事もできないので、この高度に達することができる一部の竜族だけになるが、今後なにかしらの移動手段を設ける予定だ。
召喚魔法のシステムを使えば転移魔法陣とか作れると思うのですよ。
タツギさん達には完成まで島で暮らしてもらう事になるけれど、食事とかはソールさん達が用意する事になっているので以前と同じ様にできるはずだ。
その事実を知ったタツギさん達は恐縮して「自分達で用意する」「嫁さん達を連れて来る」等の意見が出たけど後の祭り。島は既に飛んでしまっているし、食料は僕達しか持っていない。
それに仕事に集中してもらった方が効率が良いはず。
冷静に考えればもっともな意見な訳で、冷静になった職人さん達は反対する代わりに頑張る気が増してくれた様なので結果的に大成功と言えると思う。
建物を頑張ってもらっている間、僕は転送陣の開発に勤しんだ。
勤しむ間もなく理論開発から実験、そして成功へとスムーズに事は進み魔導具化もできる様になった。
正直僕の魔導具開発のレベルはチートレベルに近づきつつあると思う。
魔法陣の設置場所は二カ所。
来客用の館に一つと僕と女神達の家に一つの二カ所で、その対となる設置場所は今の所特にない。
館も完成していないし、そんなに急ぐ必要はないだろう。
館が完成した後も来客は特にない。
あえて言うならルーファだけど、彼女はしょっちゅう城を抜け出して来るし、来客用の館は使わないので勘定に入らないだろう。
客を呼ばないのには一応理由がある。
来たがる人が多いので誰かを贔屓しているとか難癖付けられると嫌だからだ。ルファの国やタツギさんオビリアン王国、神殿ギルド、うちの実家、等々少しでも僕と交流のある所は誰かしらの問い合わせがある様だ。
申し訳ない。
彼等に一言言いたいのが、面倒が嫌で空へ引っ越したのに面倒事を引き受けると思わないで欲しいということで、何かしらの形で宣言したいと思っている。
あーー。
面倒だーーーーー。
今週中に終わる予定です。
最後までお付合い頂けたら幸いでございます。




