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飛行少年の生活水準向上記。(仮)  作者: 105 秋
国づくり編(王様にはなりません)
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20:神殿暮らし

なんか臨時休業中も更新できたみたいですね。勘違いしてました・・・。

 目が覚めると体が動かなかった。


 最近では毎朝の事なので特に驚かないが・・・・。

 首を回して見れば右手にはウンディーネさん。左手及び胴体にサラマンドラさん。足にルーナさんがくっ付いている。

 ソールさんが朝食を作ってくれているのだろう。下から包丁を使う音がする。



 ここは首都ルファに存在する神殿。


 一階には各女神の神殿が設けられ、神殿ギルドの本部も設置してある。


 屋根裏ともいえる二階と神殿の裏に儲けられた謎の空間。


 僕達の別宅アイノスである。








 事の始まりは17歳になって暫くした朝の事。

 僕は妙な感覚に起こされ、そして寝起きと共に冷たい感覚を味わうことととなった。


 まず思い出したのはオネショ。

 よく子供の頃の事を覚えていないというけれど、僕の場合は覚えている。

 子供ながらになるべく阻止しようとしたのだけど出てしまったのは思い出したくない黒歴史だ。


 恐る恐る布団をあげてみるが特に染み等は無い。

 さらにズボンをめくってみて理解した。


 これは夢精だと。


 当然前世でもこの現象は経験していたので慌てる事も無く朝風呂へ。

 手早く洗濯を済まして居間へ戻ると珍しい事に朝から少年神と女神達、それにルーファが揃っていた。


 「やぁ。おはよう。」

 「おはようございます。」

 「おはよ。」


 挨拶を交わしながらもおかしく思う。


 珍しく朝食の場に皆が揃っているのは別に良い。

 珍しいけれどまったくないわけではないのだから。


 少年神がニヤついているのも別に構わない。

 良くある事だから。


 ソールさんが朝食を作りウンディーネさんが手伝う。

 その光景も見慣れたものだ。


 ただ、どことなく女神達の様子がおかしい気がする。


 一番顕著なのはノームさん。 

 僕と目を決して合わせず、顔は下を向いている。


 次にわかりやすいのはサラマンドラさん。

 少年神と同じ様にニヤつきつつ朝からお酒を飲んでいる。


 シルフィールドさんはいつも通りに見えるけど、何故そんなに僕の事を見ているのだろう。


 ルーナさんとルーファは・・・。

 座ったまま寝てるな。


 「さて、ルイジュも来たし朝ご飯にしようか。」

 「今用意しますね。」


 少年神の言葉にソールさんが返事をする。


 「シルも手伝ってー。」

 「おっけー。」


 女神達三人の手で次々と朝食が運ばれて来る。


 そう。

 次々とだ。


 その量はテーブル一杯に並び、確実に昨夜の夕食よりも種類・量共に多い。

 さらにはワイングラスが並び、そこにお酒が注がれる。


 「朝ご飯ですよね?」

 「ええ。朝ご飯よ?」


 ソールさんの笑顔が眩しい。


 「では。不肖創造神こと主神の僕が乾杯の音頭をとらせていただきます。」

 

 どうみてもこれは朝食の雰囲気ではない。

 とても嫌な予感がする。


 「ルイジュ君。精通おめでとう!かんぱーーーい!!!」

 「ぶっ!」

 「「「「「かんぱーい!!」」」」」


 僕が吹き、女神達が唱和した事によりルーファが目を覚ました。

 ルーナさんは寝たままだ。


 「あれ?ごちそう?お祝い?」

 「そうだよ。ルイジュにおめでとうって行ってやんな。」

 「るいじゅ。おめでとー。なにを??」

 「うん。ルイジュは大人になったのさ。」

 「おぉ。ルイジュすごーい。もうあかちゃんをつくれるんだね。番は誰になるのかなぁ〜。」


 ルーファの言っている事に間違いは無いが、そうあどけない顔でいわれると違和感が在る。


 「何故・・。知っている?」


 僕が朝風呂に入るのは珍しい事ではないし、洗濯物も基本的に自分で洗う様に心がけている。布団に汚れはないし、今朝の事は誰にも話していない。


 「だって僕は神様だし?」

 「神でも知らぬ事はあるはずだぞ?」


 普段はその神を意識していないと思いや行動は伝わらないはずだ。

 これは神自身が言っていた事。


 「そろそろかなって見守ってました。てへぺろ。」


 うん。可愛くない。

 とりあえずぶん殴ろう。


 「何故だ?」

 「いやー。可愛い女神むすめ達に・・。ぶっ。」


 光が刺し、風が舞い、水が飛ぶ。

 倒れたその口には土がへばりついている。


 犯人はわかっている。


 「何故でしょうか?」


 創造神のぞきまを吹っ飛ばした女神達に振り返り訪ねる。

 

 「だって・・。」

 「ルイジュとの子供が欲しいのだって。」


 良いどもる女神達の代わりに、復活した少年神から返事があった。


 「子供を?」

 「うん。中々見れない光景だったよ。特にノームの顔が・・・。うごっ!!」


 少年神おしゃべりは窓の外に吹っ飛ばされた。


 「ノームさん?」

 「だって、ルイジュとなら子供が作れるって創造神あいつが・・。」

 「ほら。私達神様じゃない?子供を持つなんてできると思わなくて。」

 「うん。つい嬉しくてな。」

 「ごめんなさい。はしゃぎすぎたわ。」

 「わるかった。だからそんな顔で見ないでくれ。」

 「るいじゅのかお。わらっているけどこわいよ?」


 何故僕の精通の時期を知っていたのかは後で少年神アホに尋ねるとしてだ。


 「皆さん。」

 「「「「「「はい。」」」」」」

 「プライバシーの侵害ですよ?」

 「「「「「「ごめんなさい。」」」」」」

 「あとソールさん。お赤飯は女の子のお祝いのはずです。」

 

 まぁ、お祝いにお赤飯はありだけど・・。


 朝食後、家の裏で少年神しゅはんに行なわれた尋問おはなしあい折檻おしおきによると、ハーフエルフの平均的な精通時期を調べ、さらに内緒で僕の体内に蓄えられた魔力や体温、精液の量等から予測し、一ヶ月前から見張っていたのだと。

  

 悪びることなくあっけらかんと言う少年神はんざいしゃひがいしゃの拳が飛び、僕のレベルが上がったのは当然のことだろう。



 それからと言うもの夜になると女神達が尋ねて来る事が多くなった。

 どうやら神との子作りも人の世と変わらないらしい。

 竜族は違うのにね。


 それでも一線を越えてないのは少年神の一言による。


 「無理矢理は良くないよ。君たちも女の子なんだから求められるくらいになりなさい。」


 腐っても創造神おやということか。

 中々良いことを言う。


 「君たちの魅力ならルイジュも男だしそのうちコロって落ちるさ。まぁ、誘惑する時間は他の女性と比べて多いかどうかわからないけどね。」


 その追加の一言で添い寝まではOKという謎の決まりができた。


 それに数人が一緒なので二人きりの雰囲気に流されることないし、寝込みを襲われる事も無い。

 良い折衷案だったのかな。


 ま、一緒に寝るのも嫌じゃないし。





 ルファで過ごす時間が増える事は予測できていた事なので、女神達が降りる事ができる場所を確保する話しになるのは長くはかからなかった。

 そして神殿は第一候補。

 色々と注文をした事によりカリズさん達には苦労をかけてしまったけれど、「女神わたしたちが神殿に降りる事に何の文句が在るの?」このソールさんの言葉に首を横に振れる猛者はなく、街を作るにあたり中心施設として設計される事になった。


 政庁よりも早かったんですよ?





 


 そんな事を思い出しながらも頭が覚醒して来た。


 彼女達の柔肌からは離れがたいがいつまでもこうしている訳にも行かない。


 絡み付いた腕を解いて行く。



 ソールさんの作ってくれた朝食食べて出る準備をしよう。

 



 今日の予定はなんだったかな?



 

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