01:僕、誕生。まずは隠蔽
本編の始まりです。
暖かく狭い。
誰かの手に引かれて明かりを目指した。
「後一息です。」
激しい息づかいに押されて光の元へ飛び出した。
「おめでとうございます。立派な男の子です。」
どうやら無事に生まれたらしい。
喋れない変わりに激しく泣く。赤ん坊らしくて良いだろう。
喋れない原因は二つ。少年神との約束と制約で徐々に話せる様にする事と赤ん坊の体は話せる様になっていないからだ。
泣いたら疲れた。とっとと寝ちまおう。zzz....
次に意識を持ったのは、生まれて何日経ち母親から母乳を貰っている時だった。
赤ん坊の時期は意識を飛び飛びにするのは聞いていたけれど、いきなりおっぱいが目の前にあるのには少し驚いたが、それよりも何の抵抗も無く母乳にしゃぶり付く自分への驚きの方が大きい。
これが赤ん坊の本能と言う物なのだろうか。
お腹が一杯になったらまたしても眠くなる。ここは赤ん坊の本能とやらに従って大人しく寝よう。
寝ていた方が手がかからなくて良いだろうしね。zzz...
三回目はベッドの上で天井を見ている時。
近くの椅子には母親らしき人が座って寝ている。その母親を起こさない様に自分の右手に集中し、頭の中で思うのは自分のステータスについて。
頭の中にある知識ではこれで自分のステータスが見れるはず。
結論から言うと見る事はできなかった。どうやら頭の中に浮かんで来る物らしい。
ー××・ブラッド(0)ー
種族:ハーフエルフ Lv01
職業:
スキル:『無形魔法』 Lv01
固有スキル:『神の書庫』『神通信』『神の贋作』『飛行魔法』 Lv10
称号:『殉教者』『神子』『天駆ける者』
Lv1なのは当然だろう。ハーフエルフなのも問題は無い。スキルに『無形魔法』があるのはステータスを見たからだろうし、固有スキルも理解できる。ただ称号が今イチ納得できないのは僕だけだろうか。
『殉教者』と『神子』ってなに?
とりあえず『神の贋作』で固有スキルと合わせて称号も隠しておく事にする。好きに空を飛べる様になったら『天駆ける者』は解禁しても良いだろうけど。
隠した結果は次の通りである。
ー××・ブラッド(0)ー
種族:ハーフエルフ Lv01
職業:
スキル:
固有スキル:『飛行魔法』 Lv01
称号:『翼を得た者』
『神の書庫』で得た知識には、『飛行魔法』のレベルが01>05>10と上がるに連れて、『翼を得た者』>『空飛ぶ者』>『天駆ける者』と変わるとあったので称号を『翼を得た者』にしておいた。
ちなみに他の称号の説明は、『殉教者』が「その身を以て神の命を救った者。」、『神子』が「神の力(創神力)を分け与えられた者。」ということらしい。
一つ賢くなりました(ルビの振り方を覚えました)。
『神の書庫』はあくまで調べれば分るだけです。