第三十二章60 【アンサー・クリエイト/さよなら真の強者(きょうしゃ)達2】60/【前半ラブエピソード?12】05
一方、【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】の方も、【芳一/葵】と同じ様なものだった。
【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】も実は引きこもりである。
同級生の女子達の陰湿な虐めに遭い、登校出来なくなっていた。
【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】と【芳一/葵】は同じ16歳。
高校2年生である。
どちらも女子校、男子校の違いはあれど、そこで陰湿な虐めに遭い、学校に行けなくなったと言う共通点がある。
そのため、共通認識なども多く感性も近い物がある。
だから、【芳一/葵】は【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】の歌声に惹かれ、
【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】は【芳一/葵】の絵に魅了されていた。
どちらも求め合っているのだ。
自分と同じ境遇と思いを持っている異性。
それをお互いの作品から何となく感じている。
【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】は声で、
【芳一/葵】は絵で、
それぞれ身を立てているため、外に出なくても一応、生活出来る様になっている。
だが、どちらも人が怖い。
怖くて怖くて仕方がない。
唯一、気を許せるのが家族だけだったが、同じ境遇を味わっている相手ならば、きっと話も合うかも知れない。
いや、話さなくても一緒に居てもらえるだけで安心するかも知れない。
お互いの事情は知らないが、お互いの作品から、きっと彼(彼女)も自分と同じ苦しみを体験しているんだと直感していた。
だからこそ、他の作品よりも、尚、目が話せなかった。
感覚的にわかるのだ。
彼(彼女)は自分と同じだと。
優れた芸術家は自分の作品に思いを載せる事が出来る。
【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】と【芳一/葵】は声と絵と言う作品を通して、それを体現していた。
【ぱねぇぱにぃちゃん/亜緒依】は、
『♪逢えたら良いな
でも逢うのは怖い
でも逢いたい
逢えるかな?
逢いたいな
逢えるかな?
逢いたいな
・・・逢いたいな
・・・逢いたいな♪』
と即興で歌を口ずさんだ。
彼女の心も【芳一/葵】を求めていた。




