自由に飢えた囚人のいちばんの不幸
考えかたひとつでも。
自由に飢えた囚人のいちばんの不幸は
おのれを解き放つ鍵を手にできないことじゃなく
それを差しこむ鍵穴の在り処を知らないことだ
格子の太さをその隙間の狭さと
同一視していることだ
きっとやつらは これまでも
軸脚を地につけることなく
蹴り脚をあげられないことに不平をならべ
押しこみもせずにひくばかりの鋸の切れ味に
不満を垂れていたことだろう
もしもきみが囚人であったとしても
おのれの境遇をさらに悲惨なものにしたくなかったら
その牢獄の四すみと高さに目をはしらせて
意外とひろいじゃないかとこぼすところから
はじめてみるといい
ほんとの囚人のはなしでもないでしょうが(笑)