燃え尽き症候群発動中
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
頑張った絶頂期は中学です。
それ以降は何一つ頑張ってません。
特段何かを頑張った訳じゃない。自分から行動した事なんかない。ぶっちゃけて言えば、私が主人公ならば、脱落する読者が殆どな生き方をしている。常に他力本願、ことなかれ主義。それでも何故だか愚かしい事に、絶賛燃え尽き症候群発動中である。
生きる気力を失いかけた子がこの場所に来た。目は鈍色だった。丁度全てを燃やし尽くした灰と良く似ていた。彼女は私に気が付くと、疲れた様に口を開く。
「失礼を百も承知で申し上げます。何一つ頑張らない人間失格宜しく、絶賛燃え尽き症候群発動中です。いや本当、何一つ頑張った事も、自分から行動した事もないんですけど」
「現状に不満は?」
「欠片も御座いません。立地最高、周りも過不足なく私を扱って下さいます。ただ燃え尽きてはおります」
この子の絶頂期はとうの昔に去り行き、今は既に壮年を迎えている。つまり、ある程度の苦楽を超えて、何一つ頑張れない現状に立っているということ。周りが如何に励ましても、根回ししても、きっとこの子には届かない。
私は軽く彼女の頭を撫でると、問い掛け一つ。
「少し横になるかい?」
「宜しいのですか?」
少しだけ目に光が宿る。長椅子に腰掛けたのを見越すと、静々と此方に近寄って膝に頭を乗せる。軽く髪を撫でてやると、瞼を閉ざしながら、うわ言の様に口を開く。
「本当ですよ。不満がないのは本当です。嘘じゃないです。だから……何も成せない自分が、何も出来ない自分が、憎らしい……。また……間違えてしまうのではないかと……。失敗をして、周りを困らせてしまうのではないかと」
それを皮切りに、完全に眠りへと落ちた様だった。
夢と夢が交差して、夢の主に合間見えた。彼の方は自分の存在に気が付くと、軽く手招きをする。膝には彼女の頭が乗っており、動けないからこその行いだと気がついた。
「あの子の努力の絶頂はとうに去り、今は段々と下火に着いている。五割取れれば満足し、後は失敗を恐れ、挑戦を拒む。そんなやるせない毎日に疲弊した。だからちょっと小休止。前より盛んではない程の執着心と、甘やかす事をしない周り、それでいて適度にほっといてくれる、理想的な場所で休息を与える事にした」
「休息ですか?」
「休息だよ。執着した分だけ疲弊して燃え尽きてしまうから、執着五割、諦め五割。諦めの気持ちは精神の修復へと繋がる。だって心血注ぐ程に執着していたものが離れると、それだけでやる気がなくなるだろう?」
前にも話しましたが、執着すればするほど空回りして、周りが見えなくなるんですよ。
でも精神的に頑張った事には変わりは無いので、燃え尽き症候群は発動します。悲しいかな。
何一つ嘘は吐いてません。
けれども本当の事で補強すればするほど、執着してしまうので、あえて夢中にならない様にしてます。
執着しなければ頑張る事は出来ず、諦めがなければガスを抜くことが出来ない。
その絶妙な塩梅の小休止の話。