彼女は虚空を見詰める

「紹介しよう。彼女の名はアリス。戦闘用に開発されたアンドロイドだ」
国家の裏側で人を殺すために生み出されたアンドロイド、アリス。
それを整備する仕事に就いた青年、足立。
良心の呵責に苛まれ、苦悩の日々が始まる。
「人殺しの片棒を担ぐことになるなんて知っていたら引き受けたりはしなかった」
「誰も心を痛めない良いシステムだ」
日常の裏側に存在する非日常。その中で生きる人たち。
『次のニュースです』
「今日もどこかで誰かが死んでいる」
「人殺しだけでなく諜報活動もするなんて恐れ入ったよ」
そして事態は急変する。
「組織内から裏切り者が出た」
「上はアリスで迎え撃つことを決定した」
銃弾を浴びるアリス。そしてその時、足立は――、
これは青年とアンドロイドの物語。