【ポーカーフェイスな巨乳美女天才魔導士は、今日も屋根裏部屋から出てこない】~毎日缶コーヒーを差し入れる僕におふだを貼り付けて、「チェックメイト。これでキミは私の物だ」とか言ってきたので、わからせます~
「フレイヤ。また君は、徹夜で研究したのか!」
「伯爵様。もう朝ですか?」
ボサボサの赤毛を掻きむしりながら、眼鏡の美女が無表情で応じる。
フレイヤは我が伯爵家の食客。
様々な魔法仕掛けの発明品を次々と生み出す、天才魔導士だ。
しかし経済観念と生活力に乏しく、屋敷の前で腹を空かせて倒れていたのを僕が拾った。
以来、僕が出資者を務めている。
屋根裏に研究室を与え、彼女が好きな発明に没頭させていた。
「ほら、缶コーヒーだよ」
「おいしい。缶コーヒーを発明した人に、感謝しなければ」
「自動販売機も缶コーヒーも、君の発明品だよ」
そうだったっけ? と、首を傾げるフレイヤ。
この子は天才なところとポンコツなところの、ギャップが激しいな。
先週発明した状態異常を防ぐ護符とかも、もう忘れているんじゃなかろうか?
「ところで伯爵様。私、こんな発明をしたのですが……」
「何だい? おふだ?」
身を乗り出したのに合わせ、フレイヤはおふだを額に貼り付けてきた。
「チェックメイト。これで伯爵様は、私のもの」
「フレイヤ。何を言って……」
「そのおふだは、貼られた者を自由に操る効果があるのです」
「僕を操る気か? 何でそんな真似を?」
「かっこいい男性から優しくされたら、ときめいてしまうものでしょう。私、色恋には疎いので。伯爵様を手に入れる方法が、これしか思い浮かばなかった」
そうか……。
フレイヤは私に対して、そんな想いを。
「さあ伯爵様。私を抱擁しなさい」
僕は命じられるままに、フレイヤの体を抱きしめた。
うむ。
前から思ってたけど、この子のおっぷぁいは凄まじいな。
「ああ……。素敵よ伯爵様。このままずっと……。え?」
僕はフレイヤの顎に指を添え、上を向かせた。
そのまま唇を奪う。
「あっ? えっ? 伯爵様は操られて……」
いつも無表情なフレイヤが顔を真っ赤にし、口をはくはくさせている。
「君が先週発明した、状態異常防止の護符を身に着けているから平気さ。さてフレイヤ、覚悟はできているね?」
僕はフレイヤに、わからせを敢行した。
人々の生活を良くしようと一生懸命な彼女に、どれだけ惹かれていたのかを。
その後。
彼女が貴族の養女になるよう根回しし、結婚までこぎ着けた。
結婚後も相変わらず屋根裏の研究室にいることが多い彼女だけど、身だしなみには気をつけるようになった。
今は缶コーヒーじゃなく、コーヒーメーカーで淹れたものを差し入れている。
僕の奥さんになった、研究熱心な天才魔導士に。