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ロリユーカイ(prototype)  作者: 冬時宇井好
12/31

002-5 そして始まる、誘拐生活



そんな夜を過ごし、ハルはゴールドに起こされる。


ゴールドと並んで歯を磨き、顔を洗ったあと、悠は多目的ルームのソファに身を沈め、大きな溜息を吐き出した。


顔を洗ったが、あんな状況での睡眠だったので正直寝た気がせずーーー眠い。


とはいえ、やっと独りの時間。


ゴールドはバスルームで一緒に身嗜みを整えたあと服を着替えている。


悠はというと、シルバーがキャリーバッグに服をまとめてくれてはいたが、手錠をした手では着替えることも出来ないので部屋を出てきた。


けっしてゴールドが目の前で服を脱ぎ始めようとしたから部屋を飛び出してきたわけではない。


ーーーーはい、嘘です。


無防備に脱ぎだすものだから慌てて出ました。


慌てて出ていく悠に、ゴールドは理由がわからず首を傾げていたが、そこは気にしてほしい。


深く、深く、吐き出す溜息。


幼女とはいえ、綺麗で、美人で、挙動のひとつひとつが男を惑わせる可能性があるのだから……。


天井を見上げ、悠は目を閉じる。


「お待たせ、ハル


はい、独りの時間終了。


着替えたゴールドが部屋から出てくると、近くまできて、目を閉じた悠に向かって声を掛けた。


「はい、はい」


答えた悠は、階下のダイニングへ行くだろうと目を開けて立ちあがろうとするが、


「ゴールドさん?」


手錠をした腕を上げられたかと思うと膝の上に重さを感じたので、座ってきたゴールドへ向けて疑問を投げかける。


「なに?」


「なぜ膝上に座ったの?」


「朝ごはんまで時間あるし、シルバーが呼びにくるまで、悠とアニメでも見ようと思って」


なるほど、膝上に座った理由がわからん。


着替えの件もだけど、ゴールドは無防備すぎだ。


「………なに見るの?」


口にして気まずくなるのも嫌なので、諦めた。


「サブスクで良さげなモノをーーー」


「そっか、アメリカではなにが流行ってるの?」


「え、アメリカ?」


「え?」


話しながら準備されたアニメがプロジェクターからスクリーンに映し出される。が、それはガッツリ日本アニメで、


「ーーーグフッ」


しかも、幼女に見せるには少々過激な作品で。


「ゴールド、別のアニメにしないかい?」


「………このアニメの原作作家が好きだから “コレ” にする〜」


「いや〜、これ一緒に見たら気まずくなるヤツやん。だから、やめようよぉ〜」


「や〜だ〜、み〜る〜」


完全に悠が嫌がるのを見て楽しむ、ゴールド。


本当に、この作品だけは勘弁してほしいけれど、彼女の表情から強行されるだろうと思われた。


「どうされたんですか?」


が、助け船が来た!


戯れ合う2人の様子に、顔を出したシルバーが訊ねる。


「ちょうどいいところにーーシルバーさん、ゴールドがこのアニメ見るのとめてよ」


「アニメですか?」


そういって、いま見ているアニメを確認したが、


「お嬢様、また見てるんですか」


「いいじゃん、好きなんだから」


普段から見ていたようで止める気配がない。


「見たことあるヤツなら、いま見なくても」


「悠と見ることに意味があるんじゃん!」


完全にゴールドは弄ぶ気満々だ。


万事休すーーー羞恥心に殺される。


「さぁ、見よう、見よう」


「いや、いまから見ようとしないでください。お嬢様。これから朝食なんですから」


と、思ったが助かった!


流石、瀟洒なメイド様!


「え〜〜」


「え〜〜、じゃありません。見るなら朝食後にして下さい」


あ、これ延命されただけだ。


「というわけで、お二人共。朝食の準備が出来ましたのでダイニングまでいらしてください」


「は〜い」


「………はい」


悠の腕を安全バーを上げたゴールドは膝の上から降り、そのまま手を引っ張り、ダイニングへと向かう。


そのあいだ、どうやったら “あのアニメ” を見ることを避けられるか考える悠だったが、解決策が導き出されることはなかった。


誘拐されて約1日程度だが、これからも彼女達に振り回されるのかと思うと、


ーーー悠は肩をガックリと落とすのだった。




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