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イチカの葬儀には
クラスメイト全員が参加した
そこら中、すすり泣きが聞こえて来る。
キリヤはイチカが倒れたあの日、
学校に忘れ物があって道をひきかえした。
『イチカ、、、、?』
息をしていない。
救急車を呼び、病院についていった。
『イチカああああ!』
イチカの両親だ。
顔に白い布がかけられている愛娘の
そばで泣き崩れている。
『うらやましい』
キリヤはそんなことを思いながら、
無言でその姿を見ていた。
葬儀の後、
キリヤはイチカとデートで歩いた道を
歩いていた。
ふと思い出すイチカの笑顔、泣き顔、、
『ゲームをしながら、デートしたんだっけか。』
イチカは自分とゲームをしたがっていた。
今となってはだが、
ゲームくらい付き合ってやればよかった。
キリヤはまた歩く。
キリヤとイチカが登下校で使っていた道を歩く。
イチカはもういない。
朝ご飯も昼ご飯ももう1人。
橋のたもとにきた。
携帯が鳴った。
『イチカ、、?』
ディスプレイには亡き友人の名前が出ている。
メールを開く。
『キリヤくん、ゲームしようよ。』