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3.貴方はだ〜れ?


 シドに袖を引っ張られて出た私の右手の甲。


――そこには蝶の様な形をした奇妙な痣があった。


 あれ?こんな所に痣なんてあったんだ?全然気付かなかった!こんな分かりやすいところにあるのに……私って馬鹿なのかな……。


「アルベルトこれは?」


「この子が産まれたときからありました。今日陛下方にも話をする予定でした」


「そうか、蝶……お前たちの他に知られていないか?」


「はい。外には出しておりませんし念の為袖の長い服を着せて隠しておりました。私達の他に知っているのは信頼できる使用人たちだけです」


 あー、なる程。袖の長い服ばっか着せられてたのはそういうことかー!


 でもさ?蝶の形の痣がどうしたって言うのさー。確かに珍しいけどー。


「【天から蝶の子舞い降りる。その時代神は何かを滅ぼさん】……か」


 え、何それ。神様は前にも愛し子を送り込んでその子の言う通りに何かを滅ぼしてきたってこと!?


「……シドはなルマが神の愛し子だと言っている」


「愛し子……?」


「シドによるとな、聖獣や精霊達の間にも似たような伝説があるらしいんだ。ルマを一目見た瞬間この子は愛し子だと……すぐに気付いたらしい」


「それは……」


 ……。


 んじゃそら!こういうことになるから詳しい説明しろって言ったのに!神様のお馬鹿!


「まぁ、愛し子が何を背負っているのかは誰にも分からないらしい。とりあえず何があってもこの子を守れと言っているな」


「分かりました」


 ?


 どうしたの?シドが急にハッと空を見上げた。


「ヒヒン」


「来る?何がだ?」


 !


 太陽の登っている方向に《何か》が見える。どんどん近づいて……っ!?白虎!?え、白い虎って白虎であってるよね!?


闇空虎(あんくうこ)!』


 ……。


 ハモった。


 あんくうこ?ってなんぞや?空は確かに飛んでるけど闇要素なくね?真っ白だよ?


「ヒヒンッ!!」


「まてシド。……闇空虎様なんの御用でしょうか?……愛し子の事でしょうか?」


 闇空虎と呼ばれている白い虎はシドや王様の声を無視してジッと私を見つめてくる。


『そなたは愛し子か?』


 っ!?


 いつぞやの頭の中に声が直接響いてくる気持ち悪いやつ!……私も話せるのかな?


『……うん。色々とあってね……!!』


 あ、話せたっ!


『このような弱き者が愛し子とは……』


『う、うるさいなっ……!』


『ふふっ!私が怖くないか?』


 え?怖い?全然。


『!!……はっはっは!そうか。……私と契約する気はないか?その方が守りやすいのだが……。力も与えられる。そなたにはこれから様々な困難が待ち構えている。その時力になれるだろう』


 契約?それって王様とシドが結んでるのとおなじやつ?


『あぁ』


『私なんかで良いならお願いします。でも契約したらある程度は縛られちゃうんじゃないの?良いの?』


『良いんだ。私が望んでいる』


『!うん、よろしくね!どうしたら契約できるの?』


『私がそなたにふれる必要がある。近づくぞ』


 分かった!なんかワクワクする!転生して性格だいぶ変わっちゃったけどヲタク心はやっぱり失ってなかったのかな。


「っ!ルマ!!」


「大丈夫だ。闇空虎様にルマは傷つけられない」


「っ、」


『すーっ』と顔を近づけてくる。わぁ!ふわふわだぁ。なんで動物嫌いだったんだろ!損してたなぁー。


『ねぇ、貴方の名前は?』


『シャドー……シャドとでも呼べ。そなたは?』


『私はルシェマ・ローレル。ルマって呼んでね』


『承知したルマ。これから宜しく頼む』


『うん!こちらこそだよ、シャド!』


 シャドー……影だね。闇空虎にぴったりな名前だね。


「……。ルマと闇空虎様は契約してしまったようだな」


『は!?』


 お、おー。ハモり再び……確かに勝手に契約しちゃったけど大丈夫だったかな?


 !?


 何これ!目の前を羽の生えた小さい……精霊!?もしかして、契約したから見えるようになった!?

 色、髪型、体格とか色んな種類が居るよ!種族で姿が違うのかな?


「!ルマも精霊が見えるようになったのかい!?」


 え、はい。見えますよ。契約したら見えるようになるんじゃないの?目で追ってたから気付いたのかな?


「本当ですか闇空虎様!?」


「あぁ、契約した。愛し子には魔力がないだろう?契約すれば私の力を渡せるからな」


『……』


「……守って頂けるのは有り難いんだが一言欲しかった」


「む?それはすまんな」


 ……。


 え


 もしかしなくても、シャドも抜けてる系ですか!?


「あの……1ついいですか?赤子でも契約できるものなのですか?」


 !!


 恐る恐る手をあげる王太子様。


 ナイス質問!それ私も思った!


「意思の疎通が可能ならばな。それに愛し子の力は神の力。特別だ」


「なるほど……」


「ヒヒーン↓」


 うっわぁ……。シドのテンションがだだ下がりしてる……。


「ははっ!残念だったなシド」


「悪いな。風天馬」


「……。ふぅ……お茶会どころじゃなくなってしまいましたね」


 うんうん。そうだよね王妃様。王妃様達やお母さん達は、ほぼほぼ空気になっちゃったしね……!!

 なんかごめん!こういう時に空気を読んで話に入らない技術が貴族以上には必要なのかもしれないけど!


 もう動いて良いかと判断したのかお兄ちゃんとお姉ちゃんがこっちにやって来た。


「ルマ!貴方はやっぱり天才ね!!」


 うおぉっ!?ビックリした……!!


「リリー、ルマの目が点になってる」


「あら?」


「……アルベルト。この事はまだ知られない方がいいだろう。ルマはまだ幼すぎる」


「はい。……闇空虎様は隠れてルマの側にいることが可能ですよね?」


「あぁ、……それではもう私は隠れているとするか」


 そう言ってシャドは空間に溶けていくようにすぅーと消えていった。念話のようなものを使えば契約者どうしは話すことが出来るみたいだし、あんまり不便な所はないね。


「さて、これからどうしていくかな……」


 うん。お父さんほんとそれ。これからどうしよう私。












貴方はだ〜れ?→闇空虎のシャドでした。



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