11.聞いてないです……!!
……。
はい?
私はつい、そうお父さんに聞き返してしまった。
「うん。だからね?入学前の試験頑張ってねルマ」
「……」
何それ!?試験なんて聞いてないよ!?勉強はしてたけどさ。どゆこと!?
私の頭は大パニック中です……!!
「ルマ。僕やリリーのときも……いや父上のときもその前もか。……とにかくローレル家では学園入学前の試験の事を黙っておくのが恒例なんだよ」
「そうだ。試験が無いからとサボっていたら痛い目に合うということだな。ちなみに試験内容は筆記と実技……剣術と魔法になっている。結果によってA・B・Cの3つのクラスに分けられる。このとき家柄は全く配慮されないよ」
!?
お父さん天使の笑顔で怖いことを言わないで下さい……。
色々驚きだけどやっぱり試験の実技の内容に魔法もあるんだね!?私魔力ないよ!?
「魔法の試験はどうすれば……?」
「うーん……前例がないから分からないけど恐らく減点になるな」
「え……」
それってやっぱり貴族には魔力が多少なりともあるのが普通ということでは……?神様ぁ……!!
「大丈夫よ。ルマは賢いし剣術の腕も私達が入学試験を受けた時より良いですわ」
「ちなみに、試験結果が学年一位の人には青色の校章のバッチが渡されるからね。その他の人の校章は全て緑だよ」
「私とお兄様は青色ですわ。あと、珍しい事ですけどカナアとエル殿下も私達と同率一位で青色でしたわね」
「あぁ。あと父上も勿論青色だったんだよ」
「うっ……!」
プレッシャーを家族総出でかけてきてるぅ。これもローレル家の恒例かよぉ……。やっぱスパルタぁ。
……。
!?
お母さん!?何その笑顔!?怖っ!『わかってますね?』って顔で語りかけてこないで……!!
……。
やっぱこの家で一番怖いのお母さんっ!?
「……頑張ります…………」
この状況ではこう言うより他なかった……。
スッ
!
「――シャド」
「ルマ今日から学園だったろ?」
「うん」
あ、そういえば今日入学に合わせて私が闇空虎と契約したこと公表するんだっけ?大事なことなのに試験のことが衝撃的過ぎて忘れてた。
「……お父様。シャドとのことは?」
「あぁ、既に王家を通して公表済みだよ。学園には……いや、聖獣様に入るなと言える場所などないか……とにかく契約者も連れて行けるから暫くは闇空虎様も姿を見せておいて欲しい」
「承知した」
顔が割れてないというか全然知られてない私への探りに対する牽制か……。
「……シャド。無礼な人や危害を与えてくる人が居ても頼まない限り手を出さないで……とは言わないけどやり過ぎないでね?」
「……」
「私が弱くないの知ってるでしょ?」
流石にやり過ぎるのはヤバいしシャドに任せっきりだとかえって私が舐められそうだし。
それはそれで油断させられるから良いといえば良いけど。
「……承知した」
「……私の周りでやる気満々な顔してる精霊達もね?」
『うっ……』
うん。それだけみんなやる気満々だとこっそり影でポイッ!って片付け(意訳)しようとしてるのバレてるからね?
「……ルマが危ない目に合うことに対してはそこまで心配はなさそうだけど別の意味で心配になってきたね」
……。
お父さんもそう思いますか……。近衛騎士団長様に言われると益々心配になってくるんだけど。
「入学試験はこちらで〜す!」
来ちゃったよ学園……。しっかり今まで勉強してきたし試験は多分大丈夫だけど……周りの視線が煩いです。
「っ!闇空虎……!」
「あの女の子が……」
「アルベルト団長の……」
うわぁ。
聞こえてくるのは私かシャドの話ばっか。驚くのは分かるけど声には出さないでおけよ……。露骨にこちらを睨んでくる奴もいるし……。馬鹿なのか。
別に私はどうとも思わないからどうこうする気もないし良いけどさ。
「入学される方〜!試験開始までもう少しです。中に入ってください〜!」
!
そろそろ行かなきゃな。……その前に。
「シャド、隠れててくれる?これじゃ誰も近寄って来ない」
「……承知した。危ないと思ったら直ぐに出て行くからな」
「分かった」
お父さんに姿を見せておいて欲しいって言われてたけど契約者である私の意見を聞いてくれるみたい。
「さてと……頑張りますか」
……。
正直言って筆記テストは余裕だったな。
まぁ、私はレクスに主な貴族の名前まで覚えさせられたからな!仕方ないとは分かってるけど良く今までやってきたよ!
問題は次の魔法か……。私どうしたら良いかな。
「!ルシェマ様ですか?」
「えぇ……何か?」
教師のような人に話しかけられた。……この学校では身分の高い者が多いため、教師も生徒に対して様付けで呼ぶんだって。
「ルシェマ様は魔力がないですよね?……そして聖獣様の契約者……そこで次の魔法の実技試験のとき聖獣様の力を使って見せて欲しいのです」
「……陛下の許可は?」
そこは譲れない。聖獣の力は特別故人の目の前でポンポンと使うわけにはいかない。
「既に許可を得て書類も頂いています」
「……」
精霊達の方をチラッと見る。
『本物だよ〜』
『シド様の気配もするしね〜』
精霊達が言うなら本物か……。
「……分かりました。しかし、他の方が不利になるのでは?」
「陛下から魔法と同じようなものもある……と聞いています。その力だけを使っていただきたいです」
「なる程。分かりました」
シャドに隠れて貰ったままで雷の力だけなら他の生徒に魔法って偽れるかな。正体がバレると面倒くさそうだし。
『シャド聞いてたよね?試験中もそのまま隠れててね』
『承知した。いくら魔法程度の力でもお主は手加減したほうが良いと思うぞ』
『……分かった』
そんなに私って異端……?まぁ普通とは思わないけど!てか第一、神の愛し子の時点で普通じゃなかったわ。
「【ファイヤーボール!!】」
魔法の試験は教師の作った的を壊すという単純なものだった。
自分の一番得意な属性の技、下級〜上級までを順番に使っていく。流れ弾や失敗した時の安全策に上級結界が訓練場に張り巡らされている。
……。
みんな高位貴族だけあって魔法の腕も良いんだろうけど私の周りがチートすぎてこのくらいじゃ全く驚かない。
無詠唱で魔法を使える人も今の所居ないしな。使用人含めローレル家のみんなは得意な属性なら上級魔法でも無詠唱でポンポン使うんだぜぇ……。
!
この子……。
私の試験は最後で私の一個前の女の子の番がやってきた。
この子私が覚えた貴族の中に居ない……?もしかして特待生試験で合格した平民出身の子かな?凄いね。ここ十年は平民出身の子は居なかったみたいだし。
得意な属性は水か。貴族の子と変わりなく魔法を使っていっている。
バンッ!
は!?
かなり厳しい教育をするのがローレル家の伝統です。ですが、その分普段は甘々なのです╮(^▽^)╭
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