02:使えない娘(公爵視点)
短くてすみません。この小説は文字数が不安定なので、それでもいいという方はどうぞ温かく見守ってください。
アリエス...お前には失望した。
まったくだ。
はぁ。
僕がどれだけかけて王家と権力が並ぶほどに努力をしたか知っているか?
偽善者のような辺境伯に媚を売り、やっとの思いで、王子からこちらに婚約を申し込まさせるようにしたと言うのに。
小さい頃はあんなに従順でなんでもできて王太子との仲も悪いとは言えなかったはずなのに。
父さんはがっかりだよ。
男の心一つも盗めない女が王妃だと?笑わせるな。
この使えない娘め。
それに対してあのビッt・・・娘はいいなぁ。
可愛くて媚の売り方がうまい。
詰めが甘いが、あの無能な王太子のことだ。なにも疑問に思わないに違いない。
あぁ。そうだ。
あの使えない娘の代わりにあの子を養子にして仕舞えばいい。
そのための権力なのだ。
そうすれば王家と並ぶほどだった権力もさらに強くなる。
王家は公爵家を優遇しなければいけなくなる。
ははは。
僕は公爵でも一番いい暮らしがしたいんだ。
それにあんなに可愛い娘がいればつまらない食事もきっと楽しくなるだろう。
そういや...馬鹿娘はどこにいったんだろうか。
...まさか。
僕はゾッとした。
書類を...見られたか?
私の手元にはアリエスを追い出すための書類が並んでいた。
まあいい。
出て行ったなら手間が省けて好都合だ。
多少予定は変わったが、あの王太子の婚約者の田舎者を由緒正しい私の家に親切で入れてやり、この家をもっと偉くするのだ。
だが僕はあのバカ娘を一生許すことはないだろう。この家に泥を塗って・・・次に会ったらもしかしたら憎悪で殺してしまうかもしれない。