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01:プロローグ

どうぞよろしくお願いします!なろうではこれが初作品となります!

「アリエス・ヘカティーネ、貴様との婚約は、今この場を持って破棄させて貰う!

そして、このミレイ・ヒロサーサ嬢と婚約を結ぶ!」


「かしこまりまs「やった!!あたしたち、ついに結ばれるのね!?ガーリー様、あたし、嬉しいわ!」


はぁ...。なんてはしたない。人の言葉を遮った上に『あたし』なんて言葉を使うなんて。

街にいる娘でも使わないはずだ。


「では、わたくしは、これにて失礼させt「ばいばーい!悪役令嬢さん!」


誰が悪役令嬢だっての。

なんて悪態ついたところで私の待遇は悪くなるだけでしょうけど。


というか、私の言葉を二度も遮るなんて。

普通・・の国だったら不敬罪で殺されてるはずだ。


いいや、もうこんな私に価値はないのか?


私は考えることを放棄してからカツカツと高いヒールの音を鳴らし歩く。門から堂々と出て行っているのに誰にも止められない。そして用意していた馬車にのり、森へ向かう。


別に死にたいわけではないからね?


ただちょっと森でひっそりカフェを始めたいだけだから。誰に言い訳するわけでもなく心の中で誰かに言う。


他の人から見れば絶望的な状態で頭が狂ったとしか見えないが、そうではない。

もともと、婚約者とは仲が悪かったし、いつかはこうなるだろうなと思った。しかも半年ぶりの呼び出し。おまけにエスコートについて、何も知らされやしない。つまり私は一人で向かうほかなかったのだ。


内心ムカッとしがらも、これが最後だと言って自分を落ち着かせる。


ああ、ほんとにこうなることを予測してわがままを言って馬車を待機させてもらってよかったと思う。


婚約破棄された令嬢は家から間違いなく追い出されるだろう。それも婚約破棄された相手が王太子となればどんな事情があろうとも罪をかぶるのは100%私なわけだし。


今の私には一度家に帰る時間すら惜しい。そもそもわざわざ叱られて追い出されるためになぜ家に帰らなくてはならないのか。


私は最初で最後のちょっとした反抗をしてみたのである。


ふふ、お父様困ってるかな?大事に政治の駒として育てた娘が王太子に婚約破棄されるなんて醜聞を広められた上に、娘は家出。


それから私が今向かっているのは森の中にひっそりとたたずむ小さなカフェだ。この国と隣の国にはお店を経営する場合許可がいるから、建てられなかったが、この森は国境があるためなんとどちらの土地でもないのだ。ここなら建てられる。


それに昔から夢に見ていたカフェのオーナー兼店長。


何故カフェに憧れているのか、それは、お察しの通り私に前世の記憶があるからだ。前世の私は、北沢きたざわ 永凛えいりんという名前でカフェの店員をしていた。そのカフェは料理やスイーツがすごい美味しくて、なのに、全然お客さんが来なくて潰れてしまったのだ。まあ田舎だったし、店の看板商品であるパンケーキの材料、薄力粉の値段がとても上昇したのだ。


つぶれたのは私が働いていたお店だけではなかったようだが、スイーツ好きの私にとってはとてもショックなことだった。しかも私、自分がなぜ死んだかもわからない・・・


カフェがつぶれて一か月くらい?いやもう少し前かもしれない。ぼんやりとしかわからないし、気がついたらこの姿アリエスになっていたという感じだった。


公爵令嬢だった時に素材ルートは確保してあるからお金はかからないし、調味料や料理に使う道具も全て作って持ってきた。この世界にないものを絵に書いては職人に頼み込んで。あの頃からずっと夢見ていたカフェ。


この際お客さんが来る来ないは置いておこう。すこしカフェ気分を味わってみたいのだ!


自分で料理を作って、自然に囲まれて。優雅に窓側の席でしゅわしゅわパンケーキをぱくりと。


ああ、想像しただけでもおいしそう、とてもわくわくする。


ちなみに素材は、公爵家のお金をちょーっと借りて二十年間私がやめると言うまで新鮮な物を届けるという契約だ。


契約のお金はすでに全額支払ってあるし、書類はしっかりとかばんに入っている。


余ってしまった食材は魔法庫に、保存できるようにしてある。魔法庫はなんて便利な折り畳み式。日本でいえば・・・うーんとても性能のいいクーラーボックスのような存在だ。今習得を頑張っているコピーの魔法が使えるようになったら、契約は解除しようと思うけど。あー。あんなにお金払う必要なかったなあ。と今頃後悔する。


でもこの契約で一番の見どころは食材を転移して送ってもらえるところだ。


馬車で届けると鮮度も落ちるし、生クリームが泡立ってしまうかもしれないし、温度の問題もある。だから、カフェに、物を届ける転移陣を用意した。人は転移できない。


そもそも、こんな森に馬車が何度も出入りするなんて怪しまれたら困るしね。


それにしてもめっちゃ便利すぎる・・・異世界ばんざい。


私の幸せは公爵令嬢として、王太子の婚約者として、ではない。


今はまだどうすればいいか自分でもわからない。だけど私はもう自由だ!これから何をするか見つければいいだけのこと。


さあ、まずは今日中に荷物を部屋に下ろしてカフェの準備をして、来週までには開店出来るようにしなくては!

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