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黒のメイド  作者: 藤本 寛那
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私たちのその後

 セイに無理を言ってもらった仕事が一段落した夕方。いつもみんなで集まる部屋に向かうと、ヤミとセイが2人で横に並んで座りながら1つの新聞を読んでいた。

「見てください。姉さん。」

セイが可愛く微笑みながら新聞の一面を指さす。

そこには。

「謎のホワイト集団 全員逮捕!だってよ。」

私たちはあのあとすぐに家に戻ってしまったので、あの後どうなったのかは知らなかったが、最近になってようやく全員が捕まったらしい。あれからかなり経っている気がする。ホワイトもかなり大きな組織だったから、逮捕をするのに時間がかかったのだろう。

「あれから一年。時が経つのは速いものですね。」

セイが、はあ、とため息をつきながらテーブルの上に置いてあった紅茶を口にした。あの日は、何度もため息を聞いて、嫌になっていたっけ。

「姉貴。紅茶入れてくるから座っていてくれ。」

ヤミがカタンと立ち上がった。私の分の紅茶が用意されていなかったのを気にしたのだろう。そんなこと、気にしなくてもいいのに。

セイも、

「では、私は甘いものを。疲れた時には、甘いものですよね?お疲れ様です。」

と言って部屋から出ていった。キッチンに向かったのだろう。確かに疲れているが、ホワイトが捕まったと聞けたし、それに2人の顔を見て疲れなんて吹き飛んだ。私の世界一大切な家族。2人が傷つけられる日が来るものなら、その前に私が敵を全て倒してしてみせる。そのくらい、私は2人を愛するようになっていた。もちろん、昔から2人のことは愛していたが、一年前のあの一件でそれ以上に愛が深まった気がする。

「皆んな、元気にしているかな。」

探、楓、ビオラ。元気に楽しくやれているだろうか?様子を見にいってみようかな?

「紅茶が入ったぞ。」

「お菓子も持ってきましたよ。」

2人が並んで部屋に戻ってきた。2人は手に持っているそれを私の目の前に置くと、私の両隣に腰掛ける。2人は昔から私の横によく座る。私が愛されている証拠なのだと思うと、何だか嬉しくなる。

「探たち、元気にしてるかな?」

紅茶を一口飲み干してから、2人にそう話しかけると、2人は私の方を見て、小さく笑った。そして、私の頭を撫でる。

「気になるのでしたら、お調べしますよ。」

「俺も行ってこようか?」

そう言う2人は、私のことを愛おしそうに見つめていた。

「うーん、大丈夫。自分で見に行くわ。」

報告で聞くよりも、この目で確かめたい。そう思ったから。それに、運が良ければ少し話せるかもしれないし。あの時、事情聴取などに付き合ってやらなかったこと、謝るべきだろうか?そんなことを考えるだけでもなんだか楽しい気持ちになっていた。

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