表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒のメイド  作者: 藤本 寛那
72/80

命にかけて

普通の人なら、何を言っているのかわからない、とでも思うのだろうか?けれど、私には理解することができた。

愛しているから、成長させてやりたい。愛しているから、いじめてみたい。私はそうは思えないけれど、確かにそういう考え方をする人はいるのだ。特に、愛しているから許されるのでは、なんて思っている人は多い。私を含めて。

「そうですか。私には理解できませんが、そう考える人もいるのでしょうね。」

先ほどからどうしてかずっと笑顔を崩せない。相手が笑顔だからだろうか。ずっと笑うのは、やっぱり疲れる。体は疲れないのだが、心が、ね。

おっと。関係のないことを考えてしまった。余裕ができるのはいいことだが、隙ができてしまってはいけない。

「わかってくれたかい?なら、許してくれるかな?」

真悟はそう言って、銃を私たちからそらし、そのまま千春様に向けた。千春様は慣れてしまっているのだろうか?動揺することもなければ、何も反応しなかった。

「許すわけがないでしょう?」

許すわけがない。人を殺していないとはいえ、人を監禁し、人に銃を向けて、発砲までしたのだから。

すると、やっと笑顔を崩した真悟は、

「ふむ。」

と、声を出しながら私達の方に視線を向けた。

「さて、おしゃべりの時間は終わりだ。どうするのかね?」

おしゃべりの時間は終わり、か。何とか時間を稼ごうと話を伸ばそうとしていたのだが、それももうできないようだ。どうすればいい?どうすればいい?2人を起こせばいいのか?

私が知っている2人の起こし方はただ一つ。ちかづいて、名前を呼べば起きる。が、この距離では遠すぎる。これでは起きてくれない。

2人を起こすには、ここから離れなくてはいけない。そうしている間に、後ろの仲間を撃たれたら?私はどうすればいいの?

「お嬢様、行ってください。ここは我々が。」

最後尾を任せていたはずのウメとアイビーがいつの間にか後ろまで来ていて、私の背中を叩いた。

ここは我々が、と言っても、2人には銃弾を逸らしたり受け止められるスキルはない。盾になるつもりなのか、この子たちは。そんなことはさせない。私が守ってみせる。全部は守れなかったけど、もうちょっとくらい守らせてほしい。だって、私は、2人のお嬢様なんだから。

「いい。何とかする。」

私は銃を持ち直した。絶対に守ってみせる。私の命にかけて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ