誰のせい
これは面倒なことになってしまった。一番の戦力の2人は眠りについてしまい、残った弱い戦力である私も後ろにいる仲間を守るためにはここから動けない。もう、どうしようもない?いや、そんなことはない。何か手があるはずだ。考えろ、考えろ、考えろ。考えて何か手を導き出すんだ。
「おや?考えている時間はないよ。」
バァン、と、大きな銃声がして。銃の弾がこちらに向かって飛んでくるのが見える。おそい。アンドロイドでよかった。この体なら、この目なら、この耳なら、この体なら、後ろにいるみんなは何とか守れる。
自分の持っている拳銃で軌道を逸らす。受け止めてしまっては銃が壊れてしまうので、少しだけ、私たちに当たらない程度に軌道を逸らした。
「ほう。これをそらすか。」
真悟は楽しそうに笑う。こっちは必死なのに、笑われてしまっては腹が立つ。
「と、父さん……。」
消えてしまいそうな声が後ろから聞こえてくる。泣いているのだろうか?振り向いて慰めてあげたい。そう思っても、敵が目の前にいる以上、敵から目を離すことは許されない。
「どうしてこんなことを……?」
その声の悲しみの中には、絶望の中には、怒りが混じっていた。
「どうしてこんなことをしたんだ!?」
今度は大きな声で真っ直ぐと話しかける。きっと、ご主人様は信じられないのだ。優しかった自分の父親が、今、こんなことをしているなんて。だから、否定をしてもらおうと質問を投げかける。何も変わらないとわかっていながら。
「わからないかな?探。」
表情を変えることなく真悟は笑っている。
「簡単なことじゃないか。」
笑顔を崩さない真悟。みているだけでもイライラしてくる。私の主人を傷つけておいて、ヘラヘラと笑っているなんて。
「子ども思いな私だからね。成長して欲しかったんだよ。」
聞きたくもない理由だ。取ってつけたような、嘘のようなその理由。ご主人様の耳を塞いでしまいたい。聞かなくていい。ご主人様のせいにするような、こんな理由。理由と呼ぶ価値もない。正しくもなければ、面白くもない。つまらないよ。
「そんなわけないでしょう?ご主人様のせいにしないでください。」
私も笑い返しながら反論する。自分でも、私の言っていることは正論だと思う。けれど、ご主人様もそう思うかは別だ。傷つかないといいが。
「ご主人様、ご主人様か。面白いことになっているんだね。」
私たちの関係に興味を示した真悟は、私達に一歩だけ近づいてきた。
「どういう経緯なのかな?聞かせておくれよ。」




