表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒のメイド  作者: 藤本 寛那
69/80

倒れた家族

「馬鹿みたいですね。」

ふふふ、と、セイが口を手で隠しながら笑う。

「何か言ったかい?」

平静を装うとした声。確実に怒らせてしまっただろうが、まあいい。怒っているということは、普段のように判断ができなくなるということだ。隙も生まれやすくなるだろう。

「馬鹿のようだ、と言いました。」

どうしても言い返せずにはいられなかったのだろう。けれど、セイにしては珍しい。簡単に怒るタイプではないのに。

「どうしたの?」

通信機を使って話しかけると、セイは

「兄さんが今にも爆発しそうだったので、代わりに。」

と答えた。ヤミの方を見ると、今にも殴りかかっていきそうな顔をしていた。

「ヤミ。落ち着きなさい。」

「わ、悪い。」

私が声をかけると、何とか少しは落ち着くことができたようだ。

ヤミもセイも優しい子だ。ご主人様に同情して、怒らずにはいられなかったのだろう。

「どういうことかな?」

にっこり笑顔を作ってはいるものの、内心では怒っているのだろう。声が少しおかしい。

「おかしいでしょう?自分の身をわざわざ危険に晒すなんて。自虐ですか?」

まるで嘲笑うかのように真悟を見つめるセイ。確かに、おかしなことだ。わざわざ自分から正体を晒すようなことをしなくてもいいのに。

「……お前たちにはわからないだろうな。俺の考えなど。」

素が出てるわよ、真悟。怒っているのか、悲しんでいるのか。私にはわからないけれど、感情が揺れ動いているのは確かだ。目に手を当てて、慎吾の視界が失われる。捕まえるなら、いまだ。

声を発することなく、指を指すだけで命令は終了した。本当なら、このままうまく行くはずだった。真悟を捕らえて、それで終わり、の、はずだったのに。

一歩踏み出したところで、ヤミとセイがばたりと音を立てて倒れた。顔から地面に突っ込んでいく。本当なら、受け止めてあげたかった。けれど、命令が失敗に終わった以上、私はここから動けない。人間のみんなを、守らなくてはならないから。

「ははは!かかったな。」

どうやら罠だったらしい。私としたことが、うかつだった。

「電源を強制的にオフにする電波だ。さっきの位置ではギリギリ届かなくてね。」

そんなものが開発されていたのか。2人の電源をオフにする方法は、ただ一つ。主人がそう命令をする。それしか手段はないはずなのに。ヤミとセイの親がそうやって電源を切れることを隠していたのか?私たちは、真悟を、ホワイトをみくびっていたようだ。

「さあ、どうする双子の人形の主人よ!どうやって私を倒すのかね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ