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黒のメイド  作者: 藤本 寛那
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作戦

 あの部屋はどうやってクリアすればいいのだろうか?皆が同じ疑問を抱えているのだろう。閉じられたドアを前に、誰も声を発さない。

私は痺れを切らし、一番最初にヤミとセイに話しかけた。

「あのくらいなら、人1人を抱えて飛び越せる?」

あの部屋はそこまで広くなかった。私達は人間よりも力があるから、当然飛び越せる距離だろう。けれど、問題は、飛べない人を抱えて飛び越せるか、だ。それができそうなのであれば、飛べるかわからない人たちは私たちが抱えて飛んだほうがいいだろう。

「大丈夫だと思います。」

セイはそう答え、ヤミは何も言わずにうなずいた。私もそう思う。私も力自体は二人と同じだから、今度は私も数に入れられるだろう。

ご主人様とお嬢様、ウメやアイビーは私たちが抱えて飛んだほうがいいだろう。ビオラ様は自力で飛べるだろうか?

「私は、大丈夫です。」

私の疑問を読み取ってくれたのか、そうではないのか。ビオラ様はそう言って笑うと、軽くピョン、と飛んで見せた。

これで、毒のお花問題は解決したと言ってもいいだろう。もう一つの問題は、あの蜘蛛のことだ。

今は起動してないとはいえ、いつ起動するかわからないし、きっとその際には邪魔をしてきたり、危害を加えたりしてくるだろう。先に起動できないように壊しておくべきだろうか?

「壊そうか?俺が。」

ヤミがクルクルとナイフを回しながら私の方を見た。壊してしまってもいいのだが、逆に壊してしまうことで発動するとラップなんかがもしあったら、なんて考えてしまう。

「……動き出したら壊そう。」

そう決めたのは、ご主人様だった。ご主人様も私と同じように、罠がある可能性を考えているのだろうか?

その可能性は低いだろうが、侮ってはいけない。動き出せば壊せばいいだけだ。大丈夫。私達は高性能なアンドロイドなのだから。

さあ。作戦会議はこれで終わりだ。ドアを開けて、チャレンジしてみようではないか。動かない蜘蛛と花に。飛び越して、それで終わり、ならばいいのだが。

ドキ、ドキ。何だか楽しくなってきた。このスリル。私は嫌いじゃない。むしろ好きなくらいだ。こんなことを言えば弟や妹に心配されるだろうが。

「ヤミ。ドアを開けてくれる?」

私達は、扉の前に並び、再びドアノブを手にした。

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