表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒のメイド  作者: 藤本 寛那
47/80

血を流した警官

 妹のセイを先頭に、罠の間を潜り抜けて進んでいくと、ようやく出口にたどり着いた。

「開けよう。離れてくれ。」

2人をドアから少し離れさせると、ドアの死角に隠れながら慎重にドアを開ける。

危険な役目は俺の仕事だ。この仕事に、俺は誇りを持っている。どうしてかなんて愚問だ。大切な家族を守れるのだ。これ以上の誇らしいことなんてあるだろうか?

ドアを開けるが、何も反応がない。なんの気配もない。そりゃそうだろう。いつも通りなら、この先は階段のはずだ。

「大丈夫だ。行こうぜ。」

楓の足音だけがパタパタと響く。足元を見てみると、楓はサンダルを履いていた。

「なんでサンダルなんだ?」

聞いてから、あっ、しまったと反省する。いつも聞いてから聞かなければよかったと後悔する。どうしてそんなこともわからないの、と、セイに馬鹿にされるからだ。

「兄さん、どうしてそんなこともわからないのですか?」

ああ、ほらやっぱり。セイは呆れたように、はあ、と小さくため息をついた。今日はなんだかため息をよく聞く日だな……。

「あ、あの。玄関で探を出迎えてそのまま意識をなくしちゃったから……。」

場の雰囲気が一気に明るくなる。楓がいてよかった。楓は探にとって希望だが、俺たちにとっても癒しとなる人間だ。セイはなんだか少し気まずそうな顔をしていた。いいすぎた、とでも思っているのだろうか?

俺はセイの頭を優しく撫でた。セイはたまに可愛いところがあるから嫌いになれない。まあ、大切な妹であり相棒であるセイを、嫌いになることなんてないがな。

「もうっ。なんなんですか?」

ふんっと、向こうを向いてしまったセイ。こんなところも可愛いくていいが、敵地にいるにしては緊張が少なく見える。楓を安心させるために、わざとそういう演技をしているのだろう。よしっ。俺でもわかったぞ。

階段を上り終わると、またいつもの扉が見えてきた。

また2人を少し離れたところに行かせて、開けると、次の瞬間には大変な事実が目に飛び込んできた。

「大変だな、こりゃあ。」

「何言っているんですか!早く行かないと!」

飛び出して助けに行きたいのは山々なんだが、いきなり飛び出していくのは危ない。どうな罠が仕掛けられているかわからないのだから。

「どうしたんですか?」

後ろからひょっこり顔を覗かせた楓が、

「ひっ。」

と声を漏らした。仕方がない。俺達の目の前には、倒れている人がいた。足から血を流しながら、気を失っている、警官が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ