表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒のメイド  作者: 藤本 寛那
46/80

隠されたドア

 ビオラ様の泣き顔を横目で見つめながらロープを解く。切ってしまった方が早いのだが、後々使えるかもしれないし、持っていく方が無難だろう。それにしても、私の弟や妹はロープなんてどこにしまって持ち歩いているのだろうか?腰にでも巻いている……わけではなさそうだし、ということは、足にでも巻いているのか?セイならあり得そうだけれど、前に見せてもらったときはナイフが何本か巻いてあったような……。

「はい。解けましたよ。そろそろ泣き止んでくださいね。」

ポケットからハンカチを取り出し、こぼれ落ちる涙を拭う。この様子ならすぐに泣き止むだろう。

「ありがとうございます……私のことは、ただの戦力だとでも思ってください。」

なんだか自分を卑下にした言い方だな。こういうことを言われると、私が守ってやらなくちゃ、なんて思ってしまう。

「そういえば、ビオラ様、この先どんな敵や問題が出てくるかって、分かります?」

私が少し首を傾げて尋ねると、ビオラ様は、

「ああ……。すみません、知らないんです。」

と、起き上がりながら答えた。うーん、と体を伸ばし、腕をぶんぶんと振る。大した時間ではないが、縛られていたら体のあちこちが痛くなるだろう。

「体は痛くありませんか?」

私の問いに、ビオラ様は

「はい!」

と元気よく言って笑った。

 

 このまま進めば、先ほどの8階に戻るはずだ。が、もしあれでクリアなのであればもう一度あの部屋に戻るとは考えにくい。この部屋か先ほどの部屋に何かしらのヒントがあるか、別の出口があるのではないだろうか?

ん?なんだろうか?

何かないかと辺りを見渡していると、壁がボコっと飛び出している部分があることに気がついた。もしかすると。

近づいて見てわかった。おそらく壁紙で隠れているだけで、ドアがあるのだろう。ドアが少し開いているように壁紙が押されていた。なるほど。最初にこの部屋に来た時にはそんなものはなかったから、誰かがあの罠にかかったらこの扉が開く仕組みになっていたのだろう。

「こちらにドアがありましたよ。進んでみましょうか?」

と、私が声をかけ、振り返ると、ビオラ様がゴソゴソと脚やポケットを探っていた。

「あ、あれっ?私の武器がない!」

おそらくセイが回収したのだろう。なるべく武器を与えたくはないのだが、ご主人様が友人として扱えというのだから仕方がない。

「よろしければこちらをどうぞ。」

セイから借りたままのナイフと、元から持っていた短剣をビオラ様に手渡す。確かビオラ様はセイと同じく短剣を使っていたはず。

「わあ。いい短剣ですね。ありがとうございます!」

喜んでくれたのであれば何よりだ。さて、この壁紙をさっさと破いて、次の部屋に進みますか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ