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黒のメイド  作者: 藤本 寛那
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人殺しの私たちは

 私達は、人殺しだ。正義のためでも、許されないことというのはあるものだ。それを私達は、もうとっくの昔に、それも何度も、おかしてしまっている。

 私の弟と妹はアンドロイドとして目覚めて、世界中の警察達と契約関係になってから、すぐに人を殺した。任務だった。国の重要人物が、何人も殺している。けれど、そいつの立場上、その事実を公開して処刑することは難しかった。そのものを慕うものが、反乱を起こしかねなかったからだ。だから、私の弟と妹は、人殺しになった。

警察が依頼してくる処刑は、そんな人物ばかりだった。いろんな国の人物を殺していく。そんなあまり、私の弟と妹は暗殺者、双子の人形と呼ばれるようになった。

 私は人を殺してはいない。でも、私は殺人者だ。私はやらなくてもいいと言った。人殺しなんて、悪でしかないと思っていたから。けれど、そういう正義もあるのだと知った。だから、私は……命令、してしまったのだ。そんなことをしてしまえば、私もやったも同然だ。それに、罪をあの子達だけに背負わせるわけにはいかない。だから、私も人殺し。罪を背負った、愚かな人形。

そんな私に、どうしてお礼を言う必要がある?謝る必要があると言うのだ?私には、わからない。わからないのよ、ご主人様。

「ゆり?」

「は、はい。」

ご主人様は、大きくため息をついた。今日だけでため息を聞いたのは何度目だろうか?

「庇ってくれたやつにお礼を言うのはおかしなことではない。それは敵でもだ。……そうだろう?」

よく、分からない。もし敵が庇ってくれたとしても、敵は敵だわ。それはその敵がこちら側に寝返らない限り、変わらない事実だというのに。

「分からないなら、いい。きっとそのうちわかる。」

そう言いながら、ご主人様はまたため息をついた。なんだか優しさが感じられる。ご主人様、私のことは軽蔑しているけれど、本当はとっても優しい人なんだろうな。

今はまだご主人様の言っていることがわからないけれど、きっとそう遠くない未来にわかる気がする。なんだか、そんな気がするだけだけれど。わかるといいなあ。ご主人様が何かを教えてくれたのは、初めてのことだもの。理解、したいなあ。私はアンドロイドだから、人間の感情には少し疎いけれど、いつか理解したい。そう、思えたから。

「さ、先に進みましょうか、ご主人様!」

今は前に進んでいこう。そして、さっさとここからおさらばするんだ!

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