ご主人様とお嬢様
ここまでかなりのスピードで進む事ができている。このままこの調子で脱出できればいいのだが。
少し進むと、先ほどと同じような階段にたどり着いた。この階段も、やっぱり白い。どうしてそこまで白色にこだわるのだろうか?階段を、コツコツと足音を立てながら登っていく。
「この調子だと、さっさと終わりそうですね。」
そう話しかけてきたセイに、ヤミは
「そうか?こういうのはだんだん難しくなっていくもんだろ?」
と反論した。確かに、絶対にそう、とは限らないが、あり得そうな話だ。
先ほどの問題だってそうだ。あの時、入ってきた扉はすでに閉められていた。おそらく開ける事ができなくなっていただろう。つまり、戻って数えることはできないという事だ。普通は椅子の数なんて気にしないし、あらかじめ数えている人なんて少ないだろう。つまり、地下10階よりも問題のレベルが上がっているのだ。
ということは、ヤミの話はない話でもなさそうだ。
3人で話していると、すぐに階段は終わり、ドアの目の前まで来た。
「開けるぞ。」
ドアのしかくに隠れるそうにしながらドアを開ける。その先には……ご主人様とお嬢様が、倒れていた。
「ご主人様、お嬢様!」
天井には、白い天井なのに白いライトでモンダイ、と書かれていた。けれど、続きを読んでいる暇などない。私は慌てて2人に駆け寄った。この部屋にはたくさんの罠が仕掛けられていた。横から槍が飛んできても、地面に穴が開こうとも。後ろの2人が守りながら一緒に走ってくれて、私は無事だった。何故こんなに焦っているのか。恐れているのか。自分でもわからない。私はそもそも、アンドロイドのはずだ。そもそも感情なんてなくて、この気持ちもきっと作られた感情。アンドロイドとして、任務が不利になる感情は出てこないはず。なのに、どうしてだろうか?私はよろけながら2人のもとへ向かって走った。
「ご主人様!お嬢様!」
並んで横たわっている二人の肩を揺する。息はしている。無事だ。無事なんだ。見たところ外傷はない。睡眠薬で眠らされているだけなのだろう。
「う、うーん。」
先に目を覚ましたのは、ご主人様だった。目を擦りながら、ゆっくりと体を起こす。
「こ、ここは……?」
そして、お嬢様も目を覚ます。
「あ、あれ?」
2人とも何が起こっているのかがまったくわかっていないようだ。




