地下9階
さて、先に進もう。先ほど通ったドアに背を向け、前を見ると、少し先に階段が見えた。どれだけ広いのだろうか、この地下室は。けれど、そんなことを言っても何も変わらない。私たちはその階段に向かって歩いた。
階段の目の前まで来ると、階段の横には
「コノサキチカキュウカイ」
と書かれた看板が立ててあった。この先地下9階。そんなことは言われなくても分かっているが、後9階もあるのかと思うと、少し絶望的な気分になる。
「進みましょう。」
ヤミとセイが私に手を差し伸べた。私はその手を取り、私たち3人は手をつなぎながら階段をゆっくりと登っていった。
折り返していた階段を上り終えると、そこは会議場のように椅子と机が並べられ、その先にはスクリーンまで置いてあった。椅子は、ざっと数えて100個くらいだろうか?幹部だけでもその人数がいるということだろうか?これは、逮捕が面倒そうだ。
「行こうぜ。こんなんにいちいち反応してられねえよ。」
確かに、ヤミの言う通りだ。こんなところで時間を無駄に食うわけにはいかない。
椅子を避けながら奥へ進んでいくと、奥に扉が見えてきた。ホワイト集団の奴らが白色が好きだって言うのはよーく分かった。けれど、ドアまで白色、壁まで白色にするのはやめてほしいものだ。見えないわけではないが、見にくくて仕方がない。
「入りましょう。」
ヤミがドアに手をかけた。昔から危険が伴うことは基本的に2人に任せてきたが、その中でも役割があるそうだ。前にセイに教えてもらった事がある。
「人間は男性の方が力が強いのでしたよね?でしたら、違和感を抱かせないように危ないことはヤミが積極的にやってくれることになったんです。」
まあ、確かにその通りかもしれないが。今は男女差別なんてダメだ、と教えた方がいいのだろうか?
「大丈夫そうだ。入ろう。」
ヤミに続いてドアを通り抜ける。今度の問題と敵はなんだろう?あたりをキョロキョロ見渡すと、天井から吊り下げられたテレビを見つけた。
ああ、あの後ろ、誰かいる。呼吸音がする。空気が微かに動いている。誰か、いる。
パッと、テレビが音を立てて起動した。
「モンダイ。サキホドノヘヤニアッタイスノカズハ?」
先ほどの部屋にあった椅子の数?こういうのは私やヤミよりも、セイの方が得意だろう。私たちはアンドロイドだから、データを引っ張り出して数えればいいだけなのだが、セイは数を数えたり計算をしたりするのが得意だ。
「セイ。」
「はい。100席です。」




