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黒のメイド  作者: 藤本 寛那
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人形部屋からの脱出

 こんな数相手に銃で戦っていては弾の無駄だ。弾だって、今は100発くらいしか持っていない。なんとかして他の方法で倒さないと。

「おい、こいつらよけやがる!」

「でもなんとかあたるでしょう?!姉さんを守りながら戦わなければ……!」

よける?目の前にいた人形に拳銃を向けてみると、人形は素早く横に避けた。なるほど。確かに避けている。

「セイ!私もやるわ!ナイフを1本かして!」

こちらに投げられたナイフを受け取り、応戦する。カツン、と、人形に当たって跳ね返された。この人形、鉄でできている。落ち着け、前にセイから教わったはずだ。そう、たしかこうやって……。よし、なんとか切ることが出来る。……が、やってもやってもキリがない!どのくらいだったかはわからないが、10分以上一歩も前に進めていない。とりあえず、問題に答えてみよう。そうして、せめて向こうに微かに見えるドアが開いてくれたら……!

「答えは、私たちをここまで導き、武器を渡すこと!」

正確には、そうしむけられたのだろうが。先ほどの男が自分からそう思ってやったわけじゃない。そうしむけられたのだ。誰かの手によって……。

ギイィ……。やった、ドアが開いた!

「行くわよ!」

「はい!」

「お、おうっ!」

2人が私を守るようにしながら、素早く、そして確実にドアの方へ向かっていく。私たちがドアに駆け込んだ瞬間に、ドアはヤミの手によって閉じられた。

「……こんな調子だと、先が思いやられるわね。」

私たちが途中で死ぬ、なんてことはアンドロイドの私たちにとってはあり得ない。でも、ご主人様達はそうじゃない。ご主人様達のもとにたどり着くまで、どのくらいの時間がかかるだろう?かなりの時間ロスになるはずだ。ああ、失敗したなあ。

「ご主人様、お嬢様、真悟様……大丈夫かなあ……。」

ため息をついてもしょうがない。前に進んでいくしかないのだが、面倒なことになったものだ。

「きっと大丈夫ですよ。」

せいが私の頭をふんわり撫でながら、優しく慰めてくれる。家族が一緒だと、やっぱり安心するし、落ち着く。いったん合流して、本当に良かった。

「最初だからあっさりクリアできたけど、これからどんどん強くなっていくかもな。」

不安になるようなことを言わないでほしい。が、その通りだ。この程度で私たちの足止めができないのは、敵にもわかり切っているはずだ。注意して進まないと、足元をすくわれないとも限らない。

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