7 いきなり最強スキル!?
で、できちゃった。
レジェンドスキルといえど、なんとあっけないことか。
折角作ったんだし、使ってみたいわよね。
私はブルーエレメンタル召喚の本を右手に持って、少しづつ魔力を流し込んでゆく。
よし、本の魔法陣が反応し始めた。
「ブルーエレメンタル召喚!」
私の前の空間が歪んだかと思うと、ひび割れ、つるりと少女が現れた。
慎重は130cmくらいだろうか。
アクアブルーのふわふわショートボブヘア、全てを見通すように澄んだ金色の瞳、そして青色のトパーズが胸元に輝く白いワンピースを着ていた。
なによ、この可愛い生き物は。
「ん、あなた様がご主人ですか?」
辺りを見回したその少女は私に駆け寄り、上目遣いで抱き着いてくる。
まて、なんで抱き着く必要がある。
「ええ、そうなんだけど……、いったん離れてもらえるかしら」
「……残念」
名残惜しそうだったが、彼女は素直に離れてくれた。
どうやら悪い子ではないらしい。
さっそく自己紹介から始めようかな。
「私は世界を駆ける冒険者(予定)のメアリ! ちょっと特殊なスキルを持っていて、それであなたを呼び出したのよ。これから私と一緒に冒険をしてくれないかしら?」
私はそう告げるが、少女は首をかしげる。
なにか気に障ったのかな?
「私はずっとご主人様と一緒にいるつもり。だから、何をするのもお姉ちゃんが決めればいい」
なるほど、私が召喚したから、既にそういうことになっているのかな。
契約とかはないのね。
ていうか、何故か私がご主人様からお姉ちゃんになってない!?
別にいいけどさ……。
そんなことを考えていると、少女は私に心配そうな瞳を向ける。
「お姉ちゃん……?」
「ええ。これから一緒に冒険しましょ!」
「……うん、一緒」
私に頷いた顔は幸せそうだった。
可愛い甘えん坊が仲間になったものだと我ながら感心する。
だが、そういえば、まだ名前もどんなことができるのかも聞いてないわね。
「あなたに名前ってあるの?」
「私に、いや私達精霊に名前は無い。だから、つけて」
私の服の裾を両手でつかんで、無邪気にピョンピョン跳ねている。
「そうね、あなたの髪の色が水色で美しいから、名前はアクアでどうかな?」
「アクア。アクア……。ふふ、ありがとうお姉ちゃん」
はにかむ笑顔が愛おしい。
そんなアクアに惹かれていく自分がわかる。
この子は、私が守らなきゃ。
……多分私なんかよりもアクアは強いんだろうけどね。
とにかく、今はアクアの実力を把握しておくことが大事よね。
マモノとの戦闘になれば、否が応でも強さが必要だから。
「じゃあ、アクアがどんなことを出来るのか見てみたいから、ここで何かしてもらえる?」
「ん、わかった。なにかする」
アクアは両手を広げると、手のひらから透き通った氷の球体、直径20cm程のものを10個ほどだろうか、彼女の周りを浮遊させ始めた。
それも、その氷ひとつひとつには、サイズに合わないほどの膨大な魔力が感じられる。
なにが起こるというのだろうか。
「よし準備できた。お姉ちゃん、いくよ」
アクアはそういうと、ひとつの氷塊を20mほど離れたところへ落下させた。
それが地面へと着地した瞬間、カキンという音と共に、その周囲10mの地面が瞬時に凍った。
私達のいる場所までは影響ないようだ。
私が痛烈に冷たい風を浴びているのは言うまでもないが。
だが、まだまだアクアは止まらない。
彼女は周囲の氷塊をどんどん先の地点へぶつけてゆく。
カキン、ガキンと全てを打ち付け終えて、満面の笑みと共にこちらへ振り返ったとき、私は信じられないものを目にしていた。
そこは、その場には大きな氷山の一角にも見える、透き通った氷の塊ができていた。
高さは10mを超えるだろう。
私が感心していると、氷の塊は静かに、余分な脂肪をそぎ落とすかのように変形を始めた。
そして数秒後には、女性の形をとって動きを止めた。
いやまて。
これよく見たら私の氷像じゃない!
とてつもない力だけど、恥ずかしいわ!
精霊という存在が、いかに人間を超越しているかがわかる。
「アクア、すごい! で、あれはなんなのよ」
「せっかくだからお姉ちゃんを作ってみた」
ふふんと小さな胸を張るその少女は、自身にあふれた表情をしている。
可愛いから許しちゃいそうだわ。
だけど、これが溶けたら村が危ないからね、ここ丘だし。
このあと、アクアにきちんと氷像は消してもらった。
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