6 初めてのスキルブック製造2/2
スキル自体をさす場合は【】
スキル本をさす場合はカッコなし
また、文字自体を強調したいときは《》です。
「スキルブック製造!」
私が、元居た丘の上でそう唱えると、先程と同様に小さな魔法陣が現れた後にグリモが現れた。
「よう、遅かったな」
二度目に会って、初めにかける言葉がそれか!
とは思いつつも私が採集に時間をかけたのは事実だから、グリモがそういうのも仕方がない。
「なんていうか、見つけるのに手間取ったのよ。精霊の楽園と思われる場所に行っちゃったからね」
「ほう、そいつはすげェな。きちんと精霊石や精霊の聖水は拾ってきたか?」
「ええ、一応ね」
「ケケケ……、じゃあ後でそれに関してもスキルの情報をやるぜ。だが、とりあえず今はウォーターの本が先だ。さっさと集めてきた素材を出しな」
グリモがそういうので、私は集めてきた素材を掌の上へ広げる。
「きちんとそろっているみたいだな。じゃあ早速製作していくとするか」
私が以前に薄気味悪いと言っていた、グリモの口が開き、素材をまとめて取り込んでいくと、身体が僅かに輝き、私の手の中には、《ウォーター》と書かれた、一つ星が美しい、赤い色をした本が収まっていた。
「素材さえ集まってしまえば、作るのは簡単ってこった」
「グリモありがとう! じゃあ使ってみるからそこで見ててよ」
「本の形を取っているが、わざわざ開く必要はないぜ。中にはそのスキルの使い方が書いてある。そして表紙に魔法陣が描いてあるだろ? そこに魔力を流し込むんだぜ」
「わかった」
【ウォーター】の使い方に関しては周知されてるから、確認する必要はないわね。
私は右手で本を掴み、身体を流れる魔力を少しづつ流し込んでゆく。
すると、本の魔法陣から小さな水球が現れ、ふよふよしながら徐々に下降してゆく。
私はその水球が落ちないように両手で受け止めて、試しに飲んでみる。
ほんのりと甘くて、おいしいな。
遅れて私は、本当に自分がスキルブックでスキルを使ったということを実感する。
これさえあれば、本当に私の人生は過激なものになりそうだわ。
「そうだ。お前がいま持っている本、どうして赤いかわかるか?」
「何か理由があるとしたら、私にはわからないわ」
「せっかくだから教えといてやる。どうせ後からわかってくることだしな」
話は少し長くなるみたいだから、私たちは近くの木陰で座ることした。
「スキルブックには2種類あってな、この違いこそが、お前にとって問題なんだぜ」
「2つあるんだ」
「おう、ひとつめは赤い本、さっき作ったウォーターの本がそれだな。いわゆるアクティブスキルと言われるもので、発動して使うスキルだ。もうひとつは青い本、これはパッシブスキルと呼ばれ、発動せずに使うものだ」
私もスキルがアクティブとパッシブに分かれていることは知っていたけど、何が問題なのかしら。
「まだわからないか? 赤い本は発動したいときに使えばいいが、青い本は使いたいときにずっと持ち続けなければいけないんだ。例えば【パワーサポート】は発動型スキルで、発動後10分間対象者の筋力を上昇させるが、【筋力上昇】は非発動型スキルで、持っているだけで常に筋力が上昇する。この違いだな」
「あ、そういうことね。確かにこの違いはきちんと考えないとだめね」
グリモの言うとおりだ。
スキルの発動する・しないは、ⅯPを消費する・しないにも関わってくるからね。
つまり、もし私がスタミナ上昇の本を作った場合、本を片手に走り回ることになるのね……。
でも、それも面白いわ!
ここで私は精霊の楽園へ行ってきたことを思い出す。
「そういえば、私が拾ってきた精霊石とかで、なにかスキルは作れないの?」
「ケケケ、……その質問をまっていたぜ。いくつか候補はあるんだが、いまある素材だけで作れるスキルがひとつあるから、それを作ってやる」
「どんあスキルなの?」
「ああ、ここを見てみな」
グリモは私にとあるスキルのページを開いて見せる。
―――スキルブック製造―――
スキル名:ブルーエレメンタル召喚
必要素材:水の精霊石 ×10
:精霊の聖水 ×5
――――――――――――――
なにこれ、聞いたことのないスキルだわ。
フェアリー召喚なら聞いたことがあるんだけどね。
ていうか手持ちの素材でギリギリじゃない、危なかった。
私のアイテムボックスには、水の精霊石と風の精霊石が入っていたが、その内の水は11個で、また聖水に関しては5個しかなかった。
どういうスキルなのかしら。
早く見てみたいわ。
「グリモ、このスキルってどんなものなの、エレメンタルってフェアリーとは違うの?」
「エレメンタルは精霊、フェアリーは妖精だ。要するにエレメンタルはフェアリーの上位種だな。強力な魔法スキルを持っているぜ」
さっきから平然と《精霊》という言葉を使っていたけど、知らなかった……。
なによ。
フェアリー召喚だってスーパーレアスキルなのよ?
つまり、エレメンタル召喚なんて、間違いなくレジェンドスキルじゃない!
「え……、もしかしてレジェンドスキル?」
「おう、察しがいいな」
こんなに早くレジェンドスキルを作っちゃうの!?
「まあ、素材が揃っているんだし仕方ないだろ。それに、その精霊石だってレジェンド級の激レア素材だぜ。運に味方された自分自身を恨むんだな。じゃあ早速製作にとりかかるぜェ?」
そういうとグリモは、手にあった素材を、私の返事を待たずに取り込んで本を生成した。
先程同様に赤い本だったが、その違いは明白だった。
《エレメンタル召喚》という文字の上方に、光輝く5つ星が刻印されていたからだ。
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