3 得られるスキルは運次第2/2
続いて私は最後のメダルを手にとる。
さっきの興奮が冷めてきて、少し達観したような気持ちで手の中のメダルをみる。
最後のこの一枚で、私の人生が決まるのよね……。
だって、いま獲得したスキル【鑑定】も【アイテムボックス(中)】も戦闘や探索向きのスキルじゃないし冒険者として生きていくのは難しいのよ。
だって、どこからどう見ても、このスキル構成は商人向きだもん。
もし冒険者になったとしても、荷物持ちとしていいように使われるのは目に見えてるし。
だから神様お願いします!
ここで、冒険者向きの、ありがた~いスキルをください。
コモンスキルの【身体強化】や【剣術修練】でも、なんでもいいんです。
私はそう願いながら最後のメダルを投入口へ入れハンドルへと手をかけるが、先程のような音楽や演出は無く、コトンとカプセルが出てきた。
スーパーレアのスキルを私は貰ってることだし、普通はこんなものだよなと思いつつカプセルを取り出そうとしたとき、ふと女神像が私に微笑んだような気がした。
決して何かの勘違いなんかじゃない。
だって、確かに声が聞こえたんですもの。
『あなたがこの世界で為すことは、きっと世界を良い方向へ導くことでしょう』と。
そして私は手に取ったカプセルを見ると、それは金色に輝いていた。
え、まさかこれってレジェンドスキル?
私は自分の頬を強めにつねるが、ヒリヒリとした痛みが頬に広がる。
夢じゃないわね、現実だわ。
期待に胸を膨らませながらカプセルを開封すると、眩いばかりの虹色の光が溢れた。
先程とは違った、サイケデリックな感覚に陥る。
目の前の景色が数回にわたってに歪み、高熱を出した時のようなめまいが私を襲う。
視界が色とりどり、カラフルに染められていく。
私はその場で倒れそうになり、思わず女神像へ手をかけると、不思議と少しだけ楽になった。
そのまま、私は静かにつぶやく。
「ステータス」
すると私の目の前に、あの半透明で青く澄んだウィンドウが表示される。
―――2/2―――
スキル1:【鑑定】
スキル2:【アイテムボックス(中)】
スキル3:【スキルブック製造】
―――――――――
ステータスのスキル欄には、【スキルブック製造】と書いてあった。
もちろん私も聞いたことのないスキルだし、おそらく私だけのスキルだろう。
ケンタ達にガチャを譲って私はひと足先に退出し、礼拝堂の長椅子へ腰かける。
行儀は悪いが、体調も悪い。
周りには私以外は誰もいないので、そのまま横たわる。
うん、この態勢は楽だ。
このまま寝ちゃいたいくらいだけど、それよりもスキルのことが気になるのよね。
【スキルブック製造】ってどんなスキルなのかしら?
スキルブックという言葉自体も初めて聞いたし、どうなんだろうと心配になる。
冒険者としてやっていけるのかな。
このスキルが仮に、世界中に存在スキルをリスト化した本を作るだけの能力だったりしたら……、冒険者はあきらめた方がいいかもしれないわね。
でも、もしだけど、スキルブックを作ることによっていろんなスキルを私が行使できるのなら、それはチートすぎるわよね。
だって、どんな人間でもスキルは3つまでしかもらえないのよ?
しかもガチャだから、実際に使えるスキルが1つだけなんていう人は普通にいるし。
エルフだってドワーフだって、獣人だってそう。
種族によって貰えるスキルの傾向はあれど、3つというスキルの数は変わらない。
その後もいろいろと予想をしてみたが、結局それっぽい結論は出なかった。
そしてケンタとアンナのスキル授与が無事に終わったので、私たちは帰路につくことにした。
家へ向かう道中にある小高い丘の前で、ふと私は思いつく。
「そうだ、ここであのスキルを使ってみましょ!」
☆皆様の評価、ブクマ、PVが執筆のモチベになっています。
いつもありがとうございます。




