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プロローグ
ある日からずっと、夢を見る。非現実的だけど、どこか懐かしさを感じる。
――いつかまた会うその日まで、私も前を見よう。例え記憶が消えても、忘れても恐れず逃げず、立ち向かう事だけは、忘れない。
この世の人間とは思えない顔立ちをした男は夕陽で赤く染まった空を見上げ、そして此方を見て微笑む。
幼い少女と美しい男による一つの願いが変えていくことは誰も知らない。そう、本人達でさえ。
何も、知らない。否思い出せないのだ。
「助けたいから、大切な友達だから。理由なんていらない、助けたいそう私が思ったから」
幼い少女の言葉とは思えない、その言葉は来るべき時に響く。
そして、来るべき日に終わり、始まり、出逢う。
――終わりを告げる始まりの炎が燃え、魂を震わせる。大切な物を失い、取り戻すべく少女は燃える。いずれ反乱の女神と、呼ばれる少女が。
目を覚めた少女はその夢は覚えてはいなかった。一日を、穏やかに過ごしていた。