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僕は使い魔  作者: 匿名
12/13

調子に乗ったらロクな事がない

『またアナタですか‥‥

 もう次は、ないですよ。

 いいんですね?』

 変態さんは、明らかにイラついてるよね。


 邪魔者が出てきたんだから、当然なのかも。


 「そっちこそ、玉切れ起こしても 許してあげないからね。」

 震えそうなのを堪えて、必死に毒づいてみた。


 《おぉっ、言うじゃないか。》

 火トカゲさんは、楽しそうだね。


『どの口が言う!!

 お前‥‥楽には、イカせないからな。』

 呪術師の言葉に背中が、ぞわぞわする。

 改めて対峙すると魔力って言うか威圧感がある。

 そんなの感じる相手と戦うんだな。


 呪術師は最初から、あの赤色の札を取り出す。

 ヤバい感じのヤツだし。

 こちらも、呪文の詠唱と妄想。


 「@*%#$&」

(出てきて、水魚くん。)


【さらさらさら】

 水の音と共に現れた。

 でも修行中より、一回り以上小さいぞ?


 《あそこは、精霊に強く働き掛けられるって言ったでしょ?

 もっと魔力を錬らないと、小さいのよ。》

 蒼蛇さんは、そう言うけどコツ掴んだだけで、まだまだなんだよね。

 もう少し修行した方が、よかったかなぁ。


 水魚くんを形作るだけで、時間が掛かってしまった様子で、赤色札の時は、長い呪文が必要なハズなのに、札が紫色に燃えてる。


 くるっ!!

 そう思った時には、四方八方から、大きな火球が向かってきてる。

 この数で向かってくるのは、全方位。

 避けられない。


 「%&#$#&%」

(水鉄砲を集中。)

 1つの火球を指差し指示。

 それが、よかったのか3割どころか半分位の水鉄砲が命中して、1つの火球は野球ボール程になった。


 1つだけ小さくなった火球に、躊躇いながらも向かっていく。


 「うわっ、あっちっちっ。」

 野球ボール大とは言え、火球なんだし熱い。

 でも、僕の後ろでは


【ドコォォォン】


  【ドンッドンッドガァァ】

 すげぇ音してるよ。

 あんなのマトモに受けたら、一撃でイッてたよね。

 次からは、小さいダメージは躊躇わずに受けれそう。


 《さっさと 次に備えろ。

 次は、それで終わらんぞ。》

 火トカゲさんの言葉で、呪術師に向き直り、指差す。

 さっきの要領で


 「%#&$%#&」

(水鉄砲で攻撃。)

 水魚くんに指差しながら指示。


 指差す事で、僕の集中力が増すのか、精霊さんが指示を目標を定めやすいのか、命中率が高まる気がした。

 指示した通りに水魚くんは、水針を数本吐き出し、それが呪術師へ向かう。


 よしっ。

 やっぱり5割程が命中すると思ったけど呪術師の札が、また紫に燃えると地面が割れて、盾の様になり、水針が突き刺さる。


 なんだアレ?

 あんなのも、持ってんのかよ。

 ずりぃなぁ。


 それでも土壁で出来た死角を利用して、素早く動く。

 だって、基本的にはダルいし、早く終わらせたい。

 痛いのもイヤだしね。


 《今日は、やる気ね。》

 蒼蛇さんの声(鳴き声)が、妙にハッキリ聞こえる。

 やる時は、やるんですよ。

 まぁ、見ててよ。

 土壁近くまでダッシュ。


 このまま死角を利用して‥‥

 その思いを砕くべく


『わざわざ隙を作る札を使うと思いますか?』

 冷ややかな呪術師の言葉。

 それと同時に壁が崩れ、呪術師の姿が見える。

 手には、札が‥‥既に紫色に燃えている。


 「ちょっ、ヤバっ。」

 地面から石の槍が数本、僕目掛けて襲い掛かる。

 気付いた時には、かすめた石槍で傷だらけ。


 いってぇぇぇ。

 それでもギリで避け、そのおかげで切り傷で済んだ。


 でも僕も、ただの馬鹿じゃない。

 既に水魚くんは、呪術師の後ろ。

 僕は、囮だったと言うワケだよ。

 これでもくらえ!!


 「#%&$%&#」

(ブチかませ!!)

 指示すると水魚くんは、ヒレを畳んで、流線型になると突っ込んだ。魚雷みたいだ。見た事ないけど。


『ぐぉぅぅぅぅ。』

 直撃を受けた呪術師は、僕の方に弾け飛んでくる。


 「おらぁぁ。」

 飛んで来た勢いを利用してのパンチを叩き込んでやった。


『がぁぁぁぁ』

 まともに顎に入っちゃいました。

 アガアガ言ってるし。


 よぉうし。

 勝ったぁ。

 ギリだけど、勝っちゃったよ。

 へっへ~んだ。

 皆様、見直して下さいね。


 威張って、いい気になってた所に


【どごんっ】

 背中に激痛。

 その上、熱い。

 そう思った時には、体が宙に浮いて、前のめりに飛んでる。

 何が起こったのか分からない。


 でも、視界の端に紫に燃える札を握り締めてる呪術師が見えた。

 アイツまだ、やる気?


 《やっぱり、お前って馬鹿だな。

 トドメ刺さなきゃ、ヤラれんに決まってんだろ?

 さっさと終わらせろよ。》

 火トカゲさんの怖い言葉。


 トドメって‥‥

 命を奪えって事?

 そこまで、やらなきゃダメなの?

 ウソだよね?

 イヤだよ。


【どがぁぁぁ】


 真正面からの巨大な火球が直撃。

 熱い……

 ‥‥痛い‥‥

 ‥息が‥出来‥‥ない。


 意識が‥‥

 このまま死んじゃうのかなぁ。

 情けない終わり方だよなぁ。

 涙が頬を伝うのを感じる。


 《情けないヤツだ。

 もう終わりか?》

 火トカゲさん‥‥

 そうだね。

 情けないです。

 調子に乗ってました。


 エリスは、泣いてるし。

 カッコ悪いなぁ。

 最期くらいは‥‥

 使い魔らしい事してやるか。


 たまたま目に入った松明。

 はぁ‥‥力が抜ける。

 必死に松明に集中する。

 出てこいよ。


 意識が飛びそう。

 もう少しだけ……



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挿し絵募集したいです。 イメージ図ありますので、描いてもらえる人は、ご連絡下さい。 応援していただけると嬉しいです。 まぁまぁ先まで、書き留めあるので毎日更新頑張ってみます。
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