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僕は使い魔  作者: 匿名
10/13

家出ならぬ城出。からの修行

 ーー勝手を許して下さい。

 少しの間、城を離れます。ーー

 書き置き。


 文字は、普段使ってるのと同じ雰囲気なので、その位の短い物なら書けた。


 「さぁ、出掛けましょう。」

 火トカゲさんと蒼蛇さんを肩に乗せて、城から出た。

 珍しく、やる気の僕。

 お願いしたのは、僕の方からで修行のお願いをして、理解を得ました。

 あの変態ヤローは、僕が、ぶっ飛ばす。


 城から少し歩くと、蒼蛇さんと出会った大きな泉に出る。

 そこから、更に進んで森の奥深くへ。


 どの位歩いたんだろ?

 森の木々の為か、辺りは暗い。

 そんな場所の更に先に、大きな口を開けた洞窟が見えた。

 僕の世界では、こんな巨大な洞窟は多分ない。

 テレビっこの僕が言うんだから、間違いない。


 《この中に入るぞ。》

 火トカゲさんが、そう言う(鳴く)と、明かり代わりに小さな火球を数個作って、僕の周りを飛ばしてくれた。

 こんな使い方も出来るんだ。

 メモメモっと。


 ゴツゴツした岩肌で歩き辛い。

 その中を数個の火球を頼りに、ズンズン奥へと進んで行く。

 何だか、どんどん寒くなってる様な気がするんだけど。


 洞窟を進んで行くと、広く拓けた場所に着いた。

 火トカゲさんの火球は、僕の周りを動いてるから、この空間全てを見渡せない。


 火球の光が届かない程に広い空間。

 凄いなぁ。


 《こんな場所知ってるなんて、アナタは、こちらに関心………》


 《さぁ、やるぞ。》

 蒼蛇さんの言葉(鳴き声)を遮って、火トカゲさんの修行が始まった。


 まずは、火トカゲさんが作る火球を、ひたすら避ける修行。

 でも、ただ避けるんじゃなく、ギリギリで。


 って、ギリで避けてるから、肌がチリチリする。

 あちぃし。

 避けてから、火トカゲさんの口目掛けて火球。

 これの繰り返し。


 疲れたし、コレって1日2日そこらでは、何も変わらないんじゃないの?

 とは、口に出して言えず、黙々と火トカゲさんの言う通りの事をする。

 一日目終了。


 次の日は、蒼蛇さんの指示で洞窟の奥にあった泉に腰まで浸かり、只々、瞑想。


 精霊が水を動き回り、空を飛び、地を這う。

 そんなイメージを広げていく。


 二日目終了。


 更に次の日はイメージと現実に見ている世界を重ねる。

 簡単に言うと有りもしない物を見てる様に‥‥

 妄想です。

 それをしながら、初日と同じ火トカゲさんとの修行。


 「ハァハァハァ。」

 妄想とは言え、違う事を考えながら避けたり、魔法を発動させたり、狙いを定めるって、かなりキツいよ。

 息が上がる。

 でも火トカゲさんは、情け容赦ない。


 《お前も手伝え。》

 蒼蛇さんに言ってんの?


 《蛇のヤツには、水の魔法な。》

 その言葉を聞くと蒼蛇さんも、水の針を飛ばし始める。

 ヤバいって。

 当たったら、かなり痛いぞ。

 必死に避ける。

 避けまくる。


 《避けるだけだと、二の舞だぞ。》

 火トカゲさんは、そう言うけどさぁ。


 《ほらっ、もう負けたくないんでしょ?

 少しは、男を見せてみたら。》

 蒼蛇さん‥‥

 分かりましたよ。


 「%#&$」

(頼む。)

 それだけを呪文として唱え、イメージする。

 火トカゲさんには、火球を3発。

 蒼蛇さんには、水針を4本。


 ‥‥‥よしっ!

 いけっ!!


 上手くイメージを描けた。

 精霊も見えた。


 《うはっ。》


 《やんっ。》

 火トカゲさんも蒼蛇さんも、喜びの声。

 そして、飛んでくるモノを平らげ


 《う~ん。

 質より量って感じかぁ?

 まぁ、いいんじゃないか?》


 《そうね。

 ここで練習したのは、大きかったわね。》

 お二人で、納得されずに話して欲しいなぁ。

 そんな気持ちに気付いてか、蒼蛇さんが教えてくれた。


 《この場所は精霊の世界と、この世界の隔たりが薄い場所なの。

 つまり、精霊が見えやすいし、働きかけやすいってワケ。》


 ふ~ん‥‥

 そうなんだぁ。

 分かった様な、分からない様な。

 でも、ここでコツを掴んで、あの呪術師をギャフンと言わせてやる。


 「まだ、やれますよ。

 続きをしましょうよ。」

 自ら志願したのを後悔する程、魔力を絞り出し、許してもらえた時には、膝から力が抜けて立てずに、そのまま眠りに付いていた。


 《おぉい。

 そろそろ起きろよ。

 最後にハデなの教えてやるよ。》

 火トカゲさんの鳴き声でハッとして、僕が寝てた事に気がついた。


 んっ‥‥

 何て言ったの?


 《アナタの使ってたのは、初歩的な魔法。

 簡単な分、攻撃力も小さいの。

 だから、大技教えるって。》

 蒼蛇さんがクスクス笑いながら。

 こんな時って、大抵ヤバいんだよなぁ。

 蒼蛇さんが女王様キャラになってんだもん。

 背中が、ぞわぞわして一発で目が覚めた。


 《いいか?

 よく聞けよ。

 お前が見えてる、働きかけてんのは、精霊でも最下級のヤツだ。

 上には上がいるもんで、今の最下級より上に頼めば、ハデでデカいのが使える。

 ただ‥‥あまり強力な‥‥

 例えば、属性の王の力を借りようとするならば、ソイツらを従える程、強くないとダメだ。

 強すぎる力で、術者本人がダメージを受ける。

 分かったか?》

 ざっくりし過ぎッス。

 雰囲気は、分かったけど。


 《いきなりは、無理だろうから、最初は最下級の上が、いいんじゃないか?

 その程度の精霊なら、こちらの世界には、決まった形を持ってないから、お前がイメージで、こちら世界に定着させろ。

 分かったら、さっさとやれ!》

 分かってないですって‥‥

 とも言えず、取り敢えずイメージを膨らませる。


【ポンッ】

 その音と共にソイツは、あっさりと現れた。

 火の玉に顔と小さな手がある。

 見たまんま、火の精って雰囲気。


 《サラッと、やるじゃないか。》

 おぉっ。

 珍しく、お褒めの言葉。


 《水は、どうなの?》

 水蛇さんの言葉で、更にイメージ。


【パシャ】

 これまた成功。

 水の方は、魚っぽい形をした水の塊。

 おぉっ。

 こっちの方が、イケてんじゃないですかぁ。


 《水の方が、いいじゃないか。》

 火トカゲさんが、若干キレ気味。

 笑う蒼蛇さん。

 和んでる場合じゃないんです。

 なるべく早めに、城に帰りたいです。

 ‥‥エリスが、待ってるだろうし。


 そのまま集中を切らさない様にしてたけど、火の玉は消えちゃった。

 でも水魚は、まだ残ってる。

 イメージで、いけるなら‥‥


 「$#&%$&#」

(口からの水鉄砲ついでに乱射。)

 命じたら


【シュバッ】


【シュバッ、シュバッ】


 水魚の口から、水針より鋭く大きなモノが数本、吐き出される。

 狙い通りの場所には、3割。

 命中率は、低め。

 でも


 《あらっ。

 なかなかに、いいセンスね。》

 蒼蛇さんは、水魚の出した水柱を飲み込み、誉めてくれた。


 《てっめぇ。

 普段の仕返しか?

 やる気なら、やってやんぞ!》

 数発は、火トカゲさんへ向かって行った為に、ブチ切れてらっしゃいます。

 ゴメンナサイです。


 でも雰囲気は、分かった。

 後は、繰り返しての練習のみだよな。

 次は、イケるよな。



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挿し絵募集したいです。 イメージ図ありますので、描いてもらえる人は、ご連絡下さい。 応援していただけると嬉しいです。 まぁまぁ先まで、書き留めあるので毎日更新頑張ってみます。
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