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2話 新たな仲間

いきなりランキングに乗ったのですげえびっくりしました。 これからも読んでくださいおなしゃす!

「やぁ! はぁ! ハァハァ…なんて数なんだ…?」


さて俺の前にはどうやらこのグシオンリザードの攻略法をしらない女剣士さんが取り巻き相手に延々と戦っている。 このグシオンリザードが基本的にパーティー推奨なのは取り巻きが永遠に出てくるからだ。グシオンリザードを倒すまで永遠に出てくるため、パーティーで役割分担をするのが定石となっている。 まあ俺の場合は雑魚を無視してグシオンリザードに突っ込むだけなんだが。というかどんどん女剣士さんが押されているな。 助けた方がいいんだろうか? とりあえず聞いてみよう。


「お〜い! 助けた方がいいか?」


「え? 助けるってあなたは一人じゃないか…。 逃げた方がいいぞ。」


彼女は一瞬表情を明るくしたが、おれが一人なのを確認すると表情を暗くしながらも俺に逃げろといってきた。 逃げる? そんなことはありえない。俺は英雄ヒーローになるために冒険者になったんだ。


「まあいいか、あまりにも時間がかかってるから終わらせるぞ? 素材とかは好きにするといい。」


「え?」


俺は驚く彼女を目の前で一瞬でグシオンリザードに近づき、


「パワースラッシュ!!」


一撃でグシオンリザードを沈める。よしこれで帰れるか。さて今日の晩飯はなににするかな、考えながら50階層にある転移台で地上にもどろうとする俺に


「ちょ、ちょっと待ってくれ!」


女剣士さんは慌てた様子で近づいてきた。 よくみたらめっさ美人ですね。なんでこんなとこでソロしてるんだろうか?


「どうした? なんだ、パーティーが全滅でもしたのか?」


「違う。私はソロでここまできたのだ。 かなり無茶をしていたがな。」


「………」


おれは少し驚いた。 グシオンリザードはその本体の力以前に取り巻きの無限湧きのせいで基本的にSランク冒険者でないとソロでの攻略は非常に難しいのである。 もちろんAランクパーティーならよほどのことがないかぎり安全に狩ることができるが、取り巻き無限湧きというのはソロにとっては非常に厄介なのでここまでソロでくるやつなどクエスちゃんの言う通り俺ぐらいなものなのだ。


「そうか。 なら邪魔をしてしまったかな? 悪いな。 それともなにか他の用事か?」


まあ人の獲物を奪うのはいけないことだからな、なんか奥の手があったのかもしれないし。


「いや、私も危なかった。礼を言う。 本当に助かった。礼を言うのも用事のひとつであったのだが…その…私と… パーティーを組んでくれないだろうか?」


「お、おう。 とりあえずここ出ないか?」


「あ、ああ! すまない、そうだな!」


少し恥ずかしそうにしながら、小走りで転移台に向かう彼女を尻目に俺はひさしぶりのパーティーへの誘いに少し困惑していた。相手が美人だから緊張しているのだろうか? 俺は答えが出ないまま転移台に向かい、彼女の後を追い地上に戻った。


「それでなんで俺とパーティーに?」


ダンジョンから戻った俺たち2人は冒険者ギルドの酒場にて先程の話の続きをしていた。 他の冒険者の視線もそうなのだが、なぜかクエスちゃんが猛スピードでクエスちゃんの列に並ぶ冒険者たちをさばきながらそれでいてこちらを何度も見ていた。なにかこう、肌寒いのだが風邪だろうか?


「そ、それはその、なんていうか私にも目標があって…」


隠し事でもあるのか、なんとも要点をえない返答だった。 はっきり言って俺にとってなんの利点もないのだが、どうするか。


「その目的とやらは言えないのか? それにわざわざ俺のような特殊なやつとも組まなくてもあんたほどの腕ならどこのパーティーでもいけると思うが?」


「それでは…それではだめなんだ…」


なにかを思い出しているのか悔しそうにそして静かに彼女はつぶやいた。 俺にはまるでなにがなんだかわからないが彼女にもなにかあるのだろう。


「いや、わかった。私からお願いしているのだ。 すべて話すというのは当たり前なことだ。 少し長くなるが聞いてくれるか?」


「…ああ。」


先程までとは一転してキリリとした顔で強く言い切った彼女をみておれは場違いにも少しどきりとした。


「私は…パーティーから追放されたのだ。」


彼女の話はこうだ。 彼女は同じ村の幼馴染であるシモンズ君と冒険者になるため村をでたらしい。 シモンズ君はまだ若いながらBランクそしてAランク一歩手前の実力で、期待のルーキーらしい。 そしてそんな彼の元には同じくらいの技量をもった冒険者達がパーティーに加入申請してきたのだが彼は女性しか採用しなかった。結果いわゆるハーレムパーティーができあがったのだが、シモンズ君をはじめとしてパーティーメンバーはほとんど魔導師だったのだ。そんななか昔からの付き合いでしっかり者の女剣士エイダさんはいろいろと口うるさく注意していたそうだ。まあその指摘していることも話を聞く限り、エイダさんが全面的に正しいのだが、期待の大型ルーキーと言われて天狗になっているシモンズ君はそれがどうもうっとおしかったらしく、エイダさんをパーティーから追放されたらしい。ちなみに理由は「女なのに剣士とかないわ」らしい とってつけたような理由だと思うが、なんですかね? 最近追放って流行ってるんですか? 前にもこんなような話を聞いたような…?


「それは…散々だったな。」


他になんて言えばいいのかわからない俺は当たり障りのない返答しかできなかった。それに彼女は


「弟のように思っていたのだがな。だから少し見返してみたくて…」


「あんな無茶をしたわけか。」


「…恥ずかしいが、その通りだ」


「それでなんで俺をパーティーに?」


「私はまだ弱い。剣士としてあまりにも未熟だ。 だがあなたはすごかった。 言葉では伝えられないくらいの衝撃を私は受けた。だからあなたとパーティーを組んであなたからいろいろなことを学びたい。 あなたがよければ鍛錬なども付き合ってくれると嬉しい。」


俺の目をまっすぐみて言い放つ彼女に少し圧倒されながらも俺は少し沈黙のあと俺は口を開いた。


「それで? 学び終わったらどうするんだ? シモンズ君とやらのパーティーに戻るのか?」


「いや、それはないだろう。 というかそんなにすぐにあなたから全てを学べるなんて思っていない。 私はまだまだ未熟者だからな。 だからあなたがいいと言うならできるだけ一緒にいさせてほしい」


「え?」


なんかプロポーズみたいになってるんですけど。それを彼女も言ってから気づいたのか一瞬で顔が真っ赤になりながら


「いいいいい、いや今のはそそそそそ、そのパーティーメンバーとして…」


大人びた見た目からは想像できないほどテンパっている彼女をみながら、もうソロはいいかと思い始めていた俺は、


「そうだな。 俺からもよろしく頼む。 Sランク冒険者ジェイクだ。 これからパーティーメンバーとしてよろしくな。」


「ああ! もちろんだ。 Bランク冒険者エイダ… え? Sランク? ふぇぇぇぇ!?」


握手しながら、今日いちばん驚く彼女はダンジョンにいるときや普通にしているときの大人びた雰囲気はなく年相応の可愛いらしい反応だった。


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