14話 リードグ到着
ブクマ3000突破ありがとうございます。なんとか今週は2回投稿したい。クエスちゃんの挿絵もいれました。
「…一体あんたなにものだ?」
俺は得体の知れないばあさんを一応警戒しながら話しかける。なんとなくばあさんがやる気だったら今の俺一人じゃどうしようもなさそうだが、一応エイダたちを守れる位置にいた。
「ほっほっほ。なに若いの、あまり警戒せでもええ。お主ほどの相手をするにはいまの老いたわしじゃちときついだろうからのぉ。」
とばあさん、いやマーサさんだったか、彼女は笑いながら話しかけてくる。しかしそうだよな、ちときつい程度の相手ってことだ俺は。なら警戒するだけ無駄か。俺は戦闘態勢を完全に解いて座った。
「…そうか。マーサだったか。本当に人間か?」
「ほっほっほ。なかなか肝が据わってるようじゃの。心配せんでもわしゃ人間じゃ。」
「失礼だが、マーサ殿と先ほど言っていたが、もしかして破壊者マーサ殿ですか?」
「えええ!破壊者マーサって素手でドラゴンとか数多くの最強種を撲殺したり、たったひとりで超大型スタンピードを止めたっていうあの方ですかぁ!?」
といままで黙って様子見をしていたエイダが口を開いた。そしてクエスちゃんがマーサさんの武勇伝てきな話をする。いやいや破壊者…すごい二つ名だな。俺が住んでたとこは結構田舎だったから有名な冒険者とかぜんぜん知らないけど名前的にやばそうなばあさんだ。
「ほっほっほ。昔の話じゃよ。」
「そうでしたか、ならばあの強さも納得です。」
「いやいや、そこのジェイクといったかのぉ?なかなかやる小僧じゃて。その若さでそこまでとはのぉ。」
「それは褒められてると思っていいのか?」
本当に本人だったらしいが、ここまでやばい相手だと褒められてるのか、よくわからんな。
「もちろんじゃて。わしゃがそこまでいくのには小僧より、5年ほどかかったからのぉ。」
「…てことはもっと先にいるってことか。」
明らかに俺の今の年から数十年以上経ってる彼女を見ればおそらく俺より圧倒的に強いんだろう。20代やそこらで今の俺と一緒だったわけだ。全盛期はすぎたんだろうが、それでも俺とは文字通り次元が違うだろう。
「ほっほっほ。そういうことになるかのぉ。でもお主はまだまだ若い、すぐにこんな老いぼれ抜くはずじゃ。」
「…まあ、努力するさ。」
「ほっほっほ。守らなければいけない子たちもおるようだしのぉ。がんばるがよいぞ。」
「…ああ。」
「それでマーサ殿!現役時代の話を聞いてもいいだろうか?」
「私も聞きたいです〜!」
世の中上には上がいるもんだ。エイダたちがマーサさんと楽しく話しているのを観ながら、もっと強くならないといけないと俺は思った。
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「ありがとうございます。」
「いえいえ。なんか俺たちあまり必要なかったですかね?」
「いえいえ、マーサさんは乗客ですので。本当に助かりましたよ。」
「そうですか、ならよかったんですが。」
リードグについた俺たちは、依頼人の商人とギルドに報告後、ギルド前にて最後の挨拶をしていた。一応たまにでてきた魔物を倒しはしたが、あのばあさんがいたし、なんだが報酬をもらいずらかったんだが、商人さんは快く報酬を渡してくれた。なんだか少し申し訳ないがちゃんと仕事はしたからよしとしよう。いまだにばあさんと喋っているエイダたちに声かけて宿を探しにいくとするか。
「おい、エイダ、クエスちゃん、そろそろ宿を探しにいこうぜ?」
「ん?そうだな。マーサさん今日はいろいろ教えていただきありがとうございました!」
「現役時代の話はとってもおもしろかったですぅ〜」
「ほっほっほ。いい時間つぶしになったから、こっちもありがとうじゃよ。この街にしばらくいると思うからまた会うかもしれないが、とりあえずまたねかのぉ」
「「はい、さよなら!」」
ほっほ〜とか言いながら手を振り、去っていたばあさん。あのひとくらい強くなりたいもんだな。俺が考え込んでいると、エイダとクエスちゃんが少し心配そうに、そして申し訳なさそうにしながら、俺の顔を覗き込んでくる。
「す、すまないジェイク。ずっとマーサさんとばっかりしゃべっていてジェイクを放ったらかしに…」
「ごめんなさいジェイクさん。」
「…?」
「やっぱり、お、怒っているのか?」
俺が考え込んでいたから不機嫌にみえたのか、放置されたから怒っているとおもっているらしい。まあ2日間ほどほとんどマーサさんと話していたが、生きる伝説にあったんだから無理もない。別に相手がばあさんなのにキレたりしないよ。
「いや、怒ってないよ。ちょっと考え事さ。相手が男だったらめっちゃふてくされるからな?絶対やるなよ?」
「ふふ、ジェイク以外の男とそんなにしゃべるわけないじゃないか。」
「そうですよ〜ジェイクさん以外興味ないです〜」
と言いながら二人は俺の横にピタリとくっついて腕にだきついてくる。周りの男どもがすごい目で見てくるが気にしない。
「じゃあ宿をさがしに行こうか。」
「「ああ(はい)!」」
ギルドで聞いた宿泊施設が集まる場所に3人で向かいながら俺は思った。好きな女の笑顔くらいは守りきるくらい強くなると。
クエスちゃんの挿絵もいれました。もうちょい犬っぽい耳がいいのですが、他にないのでとりあえず猫耳にしました。猫耳より大きめのコーギーとかの耳を想像していただければと思います。割とおねえさんぽくしました。ジェイクはこの子とエイダと毎晩…(血涙)