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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-55.情報収集(2)

また魔石作りの勝負だ。

だって、これが単純でいいんだもん。

<<姉さん、終わったよ。なんか笑い転げてるんだけど。>>

<<ナイス!殺さないように、自殺させないように注意してね。>>


「ベッセルさんの名演技で上手く事が運びました」

「いえ、アドリブとは言え、ヒカリさんが上手く話を作りますね。本当に靴や手袋を買い揃える必要がおありでしょうか?」

「あ。戻ってきました。先に此方を終わらせちゃいましょう。」


<<シルフ、悪いけど私の力不足を助けて。私がこれから尋問するから、この人の反応や考えの漏れを逐一私に伝えてくれるかな>>

<<お安い御用だよ。>>


「こんばんは。初めまして。ヒカリと申します。貴方の雇い主の貴族の名前を伺っても良いですか?」

「・・・。」

<<ベニス卿のことがばれたら殺される。絶対しゃべらない>>


「あら、口が堅いんですね。では貴方の名前を伺ってもいいですか。」

「・・・。サトシ」

<<本当はヒロキだけど、分かりやしないって。>>


「ヒロシさんですか。」

「ヒロシじゃねぇ!ヒロキだ!」

<<くっそ。本当の名前しゃべっちまった。この人、人の名前を覚えられないくらい頭が悪いのか?まぁ、金貨5枚で衣装整えるとか言ってるぐらいだしな。>>


「ヒロキさんは、いつからここに?そして、闇の魔術も使えるのですね?」

「知らん!」

<<まだ城下町に着いて3日目だ。経費節約ってな。闇の結界だって、館の主が接客を始めた隙を突いて、さっき設置したばかりだ。聞こえてきたのは、この貧乏娘のバカ話だけだ。>>


「結界とか使って、盗聴したりできるんです?」

「知らんといってるだろ。」

<<盗聴していた証拠はない。笑って油断させられたがな。あとで結界消しておくか。>>


「では、何故あんな所に居て、笑っていたんですか?」

「おまえのせいだろ!」

「え?」

「金貨5枚で何が買えると思ってるんだよ!」

「ええと・・・。靴とか手袋とか・・・。」

「おい、貴族のパーティーだぞ。農業用の手袋じゃないんだ。真面目に考えろ!」

「金貨5枚って、5年もかけて貯めたんですよ?酷くないですか!」

「そんなのベニス卿の執事長なら一か月の給金で溜まる額だよ。」

「うわ~~。ベニス卿って、お金持ちなんですね~。」

「そりゃ、メルマの商人組合を支配してる人だからな。」


「フウマ、使い道ある?」

「いらない。」

「ベッセルさん、欲しいですか?」

「いいえ、私も結構です。」

「ヒロキさん、生きて帰りたいですか?」

「な、なにを~~。俺だって拘束さえ解かれれば闇の魔術を駆使してだな!」


「なるほど。魔術に自信がおありですか。油断していただけだと。」

「ああ、お前らなんかに負けるか。」

「もし負けたら、態度が変わるのでしょうか?」

「俺は<闇の魔術師サクリファイ>の弟子だぞ。そこらの宮廷魔術師なんかちょろいもんだ。貧乏農家の娘なんか話にならん。」


「サクリファイ師匠のお弟子さんは多いのですか?」

「俺が5番目だ。最後に呼ばれた。貴族の婚約者争いには関係ない商人だが、ここの主人がメルマの商人組合に入っていないからな。念のためにだ。」

「師匠と4人が先に潜伏されていると。」

「言うか!知るか!」

<<そんなこと、おれが教えて貰えるわけないだろ。畜生!>>


「他にベニス卿の魔術師は派閥があったり、チームがあるんですか?」

「し、知らん!他にも魔術部隊がいるから、お前らなんかすぐに殺せるぞ!」

<<火の部隊はロメリア遠征、水の部隊は海洋遠征中だが、手の内は見せないぞ>>


「風や土、そして光の部隊はいらっしゃいませんか。」

「ふふん。そんな部隊は居ないね。お前らなんかサクリファイ師匠の偉大さに平伏すがいい。」


「う~ん。もういいかな。ベッセルさん、この子も3日間ぐらい預かって貰ってもいいですか?殺すには可愛そうなので。」

「ええ、最低限でよろしければ。」


「よし、ヒロキさん、私と魔術で勝負だ。」

「いいぞ。何で勝負する?」

「そうだねぇ。<魔石>って知ってる?」

「バカにするな。魔物ぐらい一人で倒せる。倒してお小遣いにしてるんだ。」

「今持ってる?」

「小金貨ならあるけど、魔石はない」


「よし、じゃあ、<魔石探しゲーム>をしよう。ベッセルさん、ちょっと大きめの革袋を貸してもらえるかしら。片手がひじまで入れば十分なんだけど。」

「それぐらいでしたら、丁度こちらに。」

「ありがとう。」


「ここに袋があります。魔石が入っているはずです。

・魔石を探しあてた人の勝ち。

・探しあてた魔石があるなら、大きい人ほど勝ち。

・大きさが同じなら数多く見つけた人の勝ち。

簡単でしょ?」


「魔石が入ってる訳がないだろ!」

「え、あるよ。ちょっと練習ね。」


一番小さい爪ぐらいのを生成してとりだす。


「ほら、小さいけどあった。」

「うっ・・・。」

「どれどれ、ねえさん、僕にもやらせてよ。あ、ほんとだ。ゴロゴロしてるね。こんなにあった。」


と、フウマが最小を3つほど出す。

フウマも無詠唱魔石生成ができるんだね。

<念話>ができて自信がついたんだろうね。


「どう?やってみる?」

「あと、どれくらい残ってるんだ?」

「さぁ・・・。探し方次第じゃないかな?」

「探していい時間は?」

「100数える間でどう?それ以前に終わってもいいけど。」

「誰と勝負するんだ?お前か!」

「誰でもいいけど。ベッセルさんは革袋の持ち主だから除いて、残りの全員でいいよ。誰か一人にでも勝てたら貴方の勝ち。」

「そこにいる、小さい子達も参加するのか?」

「みんな、参加してくれるかな?」

「「「「ハイ」」」」


「よ、よ~~~し、縄を解け。俺から始める。」

「あ~悪いけど、猿轡するね。あと、暴れないように、片手だけで。こっちも全員片手で探すから。いいかな?」

「いいぞ!やれ。」

「じゃ、始めるね。せ~の~1.2.・・・」


ヒロキは片手を革袋に入れて振り回す。奥の方まで手を入れられるように股に挟んだり工夫してる。でも全然出てこないのね。魔石の代わりに汗が出始めてるよ。

猿轡の奥でふがふが言ってる。


「98.99.100.おしまい。何個みつかったか出してみて。」

「・・・。」

「無い?0個でいいね?」


また、両手を縛って、猿轡を外してあげる。


「おい。ないぞ!おまえらが4個もだすから、もう無くなったんだ!」

「そんなこと無いとおもうんだけどなぁ。一応、不正がないように、ここに4個集めて出しておくね。じゃ。貴方を捕まえたフウマが実力者ってことで、フウマが一番最初でいいかな?」

「いいぞ。一番最初に強いやつを出して、勝ちに来るんだな。失敗したときが見ものだ。」

「じゃ、フウマお願い。無理しないでね」


<<ナビ、全員の魔術ランクと魔力の測定をおねがい>>

<<了解>>


「ねえさん、これくらいしか見つからなかった。小型(ピンポン玉)2個だ。」

「つぎ、私が行くね。誰か数を数えて。」


で、中型テニスボール1個をギリギリで作り出す。


「ふぅ。こんなのがでてきた。私だとこれくらいかな。」


「次、ステラどう?」

「あら、ヒカリさんに勝っちゃった。中型6個です。」


「シルフとユッカちゃん、どっちが先にやる?」

「おねえちゃん、私から。」


って、お~い~!

本気出してる。

なんか久しぶりに汗かいてるユッカちゃんを見たよ。


「おねえちゃん、見つけた~~~!」


って、100秒かからずに、ソフトボールサイズ作っちゃったよ。

これ、作っていいのかね・・・。みんな引いてるし。


「じゃ、最後シルフお願いしても良いかな?」

「僕は魔石じゃなくて、属性石でもいいかな。」


「ヒロキさん、いいかな?」

「ルールはルールだけど、魔石も属性石も魔道具屋で売ってる物だから大目にみて、いいことにする。」

「ありがとうね。それじゃシルフお願いね。」


あーあーあーあー。

ユッカちゃんどこの騒動じゃないよ。

テーブルにごろごろ大型の風の属性石が転がりだす。

あーあーあー。

テーブルからあふれて落ちてる。


「ごめん。シルフ、ストップ!ストップ!」

「僕の時間は、まだ残ってるんだけど。」

「部屋が埋まるかもしれないから、おねがい。止めて。」

「続きはまた今度でいいかな?」

「うん。」


<<ぴろろ~ん>>

<<魔術ランクと魔力測定結果をお知らせします。

ヒカリ:ランク7、魔力5200

フウマ:ランク6、魔力2800

ユッカ:ランク6、魔力9800

ステラ:ランク6、魔力13900

シルフ:ランク9、魔力1億以上。

シルフ殿は消費魔力より回復魔力が上回り検出誤差限界で測定不能。

消費魔力量からの推測値になります。

以上です>>

<<ありがとう>>


やっぱりランクが上がると魔力も伸びると。でも、魔石生成能力は単純にランクと魔力で決まる訳ではないから、練習効果とかもあるんだろうね。さて、負けた子の処分を決めないとね。


「おい!そこのオヤジ!なんだこのインチキは!お前が俺には判らない隠しポケットを作って細工してるんだろ!」

「ヒカリさん、私は何をどう言えばいいのでしょうか・・・。」


「ベッセルさん、その革袋をヒロキに貸してあげて。今から3日以内に、その革袋の仕掛けを見破ったら貴方の勝ちにする。場所はこの館で拘束されて監視されてる部屋に限るけどいいね?」

「やる!」


いろいろ革ひもで拘束して、さらに封印の印を施す。

念のため、猿轡とその結び目も封印する。

トイレとか不自由だろうから、ズボンを脱がしておく。

垂れ流しになっちゃうよりマシだよね。

生きていけるんだから、ちょっとは我慢して欲しいところ。


それにしても、なんかなぁ・・・。

この子の師匠ってどれぐらい凄いんだろう?

皆の忠告があるから、慎重に行動することにしよう。

さて、ベッセルさんの本命の情報を聞かなくては。


いつも読んでいただきありがとうございます。

頑張って続けたいとおもいます。

また、ブックマークや評価を頂けることはとても励みになります。

ありがとうございます。

10月は毎日少しずつ22時更新予定。

手間な方は週末にまとめ読みして頂ければ幸いです。

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