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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-22.海(4)

クッキー一つで謎の老人ゲットだぜ!

なんてね。

どうなるのさ・・・。

「おじいちゃん、クッキーどうぞ」


元気そうに、ひょいっと手で掴み取ると、モグモグ食べ始める。


「もう一つ」

「・・・。」


「もう一つ、欲しい」

「・・・。」


「ヒカリさん、クッキーをもう一つ欲しいのだが、もらえるかな?」

「・・・。」


<<ヒカリ殿、聞こえておるんじゃろ?喋れないならこっちでもええぞ?>>

<<無いよ>>


<<ワシが頼んでもダメか?>>

<<じいちゃんが、どこのだれか知らないけど、今はもうない>>


<<さっき、エイサンと皆で楽しそうに食べておったじゃろ?>>

<<うちの子が、他のみなさんに分け与えています。

おじいちゃんに渡したのは今ある最後の一かけらだったんです。

彼女がとても、とても苦労して手に入れた貴重な砂糖から作ったお菓子なんです。

彼女の大好物なんです。何よりも大好きな食べ物なんです。

それを我慢して皆に分け与えているんです。>>


<<そ、それは悪いことをしたのう・・・。>>

<<私もこんな状況になるとは思わなかったので、準備不足でした>>


<<何か、あの子の役に立ってあげたいのう・・・。>>

<<とても強い子です。また、良い母親に育てられたようです。なので欲しいものは自分が努力して手に入れようとするでしょう。>>


<<おや、あの子、念話が通じておらんぞ?>>

<<魔術ランクが到達しておりませんので>>


<<そうか・・。そうか・・・。念話ができるようになると、困るかのう?>>

<<私が人と念話でお話するのは初めてですので、便利なのか、危険なのか、どのようなものか把握しておりません>>


<<お主も初めてじゃったのか。勝手に念話を通してすまんことをした。でも、お主はちゃんと答えることが、できておるじゃないか>>

<<それなりな経験を積んでおりますので>>


<<ふ~~む。なかなか面白味のある人物じゃのう。エイサンの言う通りじゃ。しばらく世話になっても構わんかのう?>>

<<何らかの形で貢献していただければ、うちの領地で暮らして貰って結構ですよ。最初は自立できるまで支援します>>


<<ふむ。生き残った全員でも暮らせる場所は借りれるかのう?>>

<<陸上の土地でよければ、森でも草原でも、それなりの広さを領地として所有しております。未開拓ですが。>>


<<では、皆で世話になりたいと思う。案内をお願いしますのじゃ。>>

<<わかりました。準備します。準備が整うまでここでお待ちください。>>


ーーーー


ごしょしょと皆の世話を焼いているエイサンを見つけてといただす。


「エイサン、ちょっと!」

「はい」


「いつから知ってた?」

「何を?」


「この船が座礁して、うごけなくなっていることを」

「3日前」


「どうやって知った?」

「長老、助け求める。念話、届いた」


「なぜ言わなかった?」

「私、奴隷。モリスえらい。ヒカリ、もっとえらい。話、できない」


「なぜ、一人で助けに行かなかった?」

「1人で行く。命助かる。暮らし、できない」


「ここにいる人達全員、念話が使える?」

「使えない。長老、私だけ。認められた者」


「飛行術をもってる人は?」

「私だけ。長老、昔飛べた。今、ダメ。」


「わかった。ありがとう。移動させるための準備を続けて。足りないもので今あるものなら渡すから言って。」

「ヒカリ、感謝」


「ユッカちゃん、みんなの様子はどう?」

「みんなお腹空いたって。お肉を少しずつ渡してる。ゆっくり食べてって。みんな喜んでるよ。エイサンの仲間なんだってね。」


「そっか。クッキーごめんね。今度もっといっぱい作ろうね。」

「ううん。今日クッキーをたくさん焼く時間をとっていたら、もっと人が死んでたよ。私はそっちのが悲しい。大丈夫。」


「ありがとうね。皆で移動することになるから、いろいろ準備進めてね。足りないものでカバンに入っているものがあったら、言ってね。」

「わかった。」


「ステラ、調子はどう?」

「皆さん疲労困憊と栄養不足で弱っているわ。それ以外に大きなケガや病気のある人はいなかったわ。そういう人は先に亡くなってしまったのかもしれないわね。」


「そう。全員で移動することになる。移動の仕方はまだ決まってないけど。なので、移動に向けて準備を考えて。足りないものがあったら言って。」

「わかったわ。」


さて、どうしたもんだかね。

船ごと移動しても、むこうで置き場所に困るし。<光学迷彩>もあるけど、いろいろ噂になるのもね。これは最後の案にしておこう。

もう一つは、関所での住む場所だよね。ニーニャがいくらすごくても、家建てるのは時間かかるでしょ。奴隷小屋は、環境が悪いし。

最後は、時間と食料の問題。今から全員を船で移動させても、夜中になっちゃうよね。私たち4人の夕飯とか心配してるだろうから、そっちの連絡もしないと不味いし。


よし、4人で一旦帰ろう。できる限りの食料は置いておくことで我慢してもらって、何かあったらエイサン経由で連絡もらおう。

いつも読んでいただきありがとうございます。

頑張って続けたいとおもいます。

9月末までは日々24時更新です。

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